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依頼受理

 私は、事務所のドアを荒々しく開いた。事務所の中には、レイがいて、私の姿を認めたとたん、鼻を押さえた。

「ふぁんだ、このににょいは?(なんだ、この臭いは?)」

 レイは、鼻をつまんだまま、窓を開けていく。

「そこの路上で、ゾンビとやりあったのよ。野次馬が多くて近接戦闘になったから、肉片やら腐汁やら頭から破ったの」

 私は、ゴミ袋を引っ張り出しながら、答えた。残念だが今着ている服は捨てるしかない。

「刀、そこにあったぞ」

「ゾンビとやりあうと、わかっていたら持って行ったわよ」

 ゾンビを簡単に倒す方法としては、グレネードや手榴弾で跡形も無く吹き飛ばすか。刀剣で首を跳ね飛ばせばいい。とにかく脳を破壊または身体から切りはなすか、してやればいいのだ。

「レイ。シャワー浴びている間に、刑事さんが二人来たらコーヒーでも出しておいて」

 そう言った私に、レイは消臭スプレーを手にしながら早く行けと手で合図した。




 シャワーを浴びて、事務所に戻ると、田坂さんと佐藤さんが待っていた。ちょうど、レイがコーヒーを出しているところだ。

「レイ。私にもちょうだい」

 レイは、「へい」と返事して奥に行く。

「秋穂さんご苦労様でした。先ほどのゾンビは、解体作業中のビルの地下から出てきたそうです。詳細は捜査中ですが…」

 佐藤さんが、笑顔で言った。

 戦えとは言わないが、二人が援護すらしなかった事に、腹が立ったので、状況説明すらしないで帰って来たのだが、この人…… そのことに気がついているのだろうか?

「その件については、後は警察の仕事ですよ。それよりコーヒーを飲んだら射撃レンジに行きますから」

「いや、その必要は無い」

 それまで、沈黙を守っていた田坂さんが口を開いた。

「まさか、Dクラスのモンスターとの戦闘で力量を判断したとでも……」

 Dクラスのハンターなど少し身体を鍛えた人間の力量なら、らくらく合格できる。それなのに合格率が低いのは前科や素行調査で落とされるからだ。

 はっきり言って、それで力量を判断されるなど侮辱以外の何物でもない。

 睨む私に、田坂さんは穏やかな声で言う。『リーフ』の時とは別人のようだ。

「いや、あんたの力量は調査の途中で見せてもらえばいい。ただ、さっきの件であんたは周りの野次馬に配慮して戦った。最近のハンターには周りの被害を考えないでバカスカ発砲する連中が増えているからな。それだけでも、あんたは買いだと思った。改めて仕事を依頼したい」

 田坂さんが頭を下げた。これにはびっくりした。まさか、頭を下げるとは思わなかった。

「あ、はい。内容を聞いていないので詳しくは何も言えませんが全力を尽くします」

「おまたせー。お、仕事の話?俺も混ぜてよ」

 タイミングよくレイが戻ってきた。




今週もお付き合いありがとうございます。


今回もそれほど進展ありません(笑

レイ君も登場したことですし、次回から本格的に始動します。

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