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黄金律

「………」

 聞いてはいけなかったのかもしれないレイの過去。アルセクトという、ヴァンパイアとの関係もわかった。

 アルセクトは、望んでヴァンパイアとなったのだろう。娘の仇を討つために…… そして、レイもカミラを追い続けた。

 どうせ聞くなら、レイの口から聞きたかったというのは、私の感傷だろうか? もともと、人に簡単に話す事ができる話ではないのだけど。

「どう感想は?」

 私は何も言わずカミラをにらんだ。

「あは、怖い、怖い。怒った?」

「……」

 私は無言、これ以上はカミラと言葉を交わす気はなかった。

「あの時に、私は言ってあげたのよ。あの娘の血を吸いなさいとね。それを無視して、彼女やあなたのような黄金律おうごんりつ身体からだの娘がいても血を吸わない。あきれたわ」

 黄金律の身体。美月というと私の共通項。思わず質問していた。

「黄金律ってなに?」

「黄金律と一言にいっても解釈は色々だけど、私たちの言う黄金律は血液のことをいうわけ、血液に特殊な魔力を含む人間のこと。その血は私たちを進化させることが出来る」

 カミラが私を見て意味ありげな妖艶な笑みを浮かべる。

「ただの原種のヴァンパイアである今のレイでは私には勝てない。でもあなたの血を飲めば真祖しんそのヴァンパイアになって私と互角以上に戦えるかもね。でも今回は間に合わないわね。黄金律のあなたは私の手の中、レイにはあの時と同じ屈辱を味わってもらおうかしら、そうなればあなたの血を飲む気にもなるでしょう」

 面白そうに笑うカミラを私は睨み付ける。

「大人しく協力すると思っているの? あの娘も言ったのでしょう。あなたの好きにはさせない」

「ふふふ、あなたの意思なんて関係ないの。レイがどう感じるかが問題なのよ。もう一度、自分の無力感を味わってもらうわ。だからと言って、変な事を考えないことね。でないと、がんばったレイ君達の前に、あなたの死体がぶら下がるわよ」

 私はぷいとカミラから視線を外した。これ以上カミラの話を聞く気にはならなかった。それよりも、レイの過去をレイ自身の口からでなく、カミラの口から聞いてしまったことに自己嫌悪しているというのが一番近いかもしれない。




「アルセクト!」

 俺はアルセクトがいるであろうビルに降り立ち、アルセクトを呼んだ。彼の下僕からの情報だから間違いは無いはずだ。

「相変わらずうるさいやつだ。どうかしたのか?」

「アルセクト来い。カミラの居場所がわかった」

 アルセクトはいぶかしげに俺を見る。

「どう言うつもりだ? 早い者勝ちの筈だ」

 俺はアルセクトに地図を渡した。

「地図?」

「完全に開け」

 地図の中心部には丸く印がされており、『アルセクトと共に来る事。これが条件。  カミラ』と記されている。

「なるほどな。私たちはカミラの手の上という事か。おもしろくないな」

「時間も無いことだし、条件を飲んででも対峙しないことには話が始まらない」

「逃げられては、元も子もないか」

 俺とアルセクトは、カミラの元に向かった。すべてにケリをつけるために。

今回、簡単にですが、黄金律の説明が簡単に入りました。

やっとだな(笑

まだ完全に説明してないですけどね。


とりあえずヴァンパイアの種類についてまとめ

上から順番に。

真祖  カミラ

能力的な超えられない壁(身体能力をはじめあらゆる面で真祖は別格)

原種  レイ、カミラの支配下のヴァンパイア

主人  アルセクト

下僕  その他、雑魚ザコ 

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