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作戦前

「作戦を、中止してください!」

 私はバンと机を両手で叩きながら、警視に詰め寄った。

「ふん、気に入らないなら作戦に加わらなくてもいいが、どうするかね。葉月君」

「非統制区に入る事に反対していません。モンスター達に対する訓練どころか、ろくなレクチャーすら受けてない捜査官達を非統制区に、ろくな装備を持たさずに入れる事に反対しているのです」

 警視は目線を私から外した。私の言うことについて何か思うところもあったのだろう。頭ごなしに否定はしなかった。

「いいかげんにしないか!」

 怒鳴り声を上げて席を立ったのは、同じハンターだった。

「捜査官の同行は上が決めた事だ。ごたごた言わずにしたがえばいい。それに、このことについて反対しているのは君だけだ。他のハンターは了承している」

 確かに、彼らに自分の身は自分で守れと突き放してしまえばよいのだろう。責任は彼らの上司にありハンターには無い。

 私はため息をついて下を見る。初めから作戦の変更が無いのはわかっていた。ただ言わずにはいられなかった。無駄に犠牲者を出したくは無かったから……。

「……わかりました。作戦を了承します」

 警視の顔に喜色が浮ぶ。

「そうか、そうか。では各人、準備をしてくれ。作戦開始は15分後だ。では解散」

 臨時の会議室から、皆が出て行く。

「秋ちゃん」

 師匠である舞奈まいなさんが声を掛けてきた。

「大丈夫です。いくらなんでも自分の意見がすべて通るとは思っていません…… あたえられた状況下で全力を尽くす。舞奈さんに叩き込まれたことですから」

「そう、ならいいわ。それじゃ先に行くね」

「ありがとうございました」

 私は舞奈さんの背中を見送る。

「田坂さん、佐藤さん、ちょっとついてきてくれませんか?」

 私は2人を外に連れ出した。




 2人を連れて外に出ると、タコ坊主、いや『斬』の店長が立っていた。夜だというのにサングラスはつけたままだ。

「よう、秋穂ちゃん。ご注文の品を持ってきたぜ」

 そう言って1BOX車の後部座席を開いた。フラットにされたそこにはP90という軍用短機関銃が4丁並んでいた。

 P90は人間工学に基づく、従来にない斬新なデザインをしていることが特徴で、反動も少なく比較的扱いやすい機関銃だ。

「ベルギーのFNファブリックナショナル社製、軍用短機関銃4丁と50発入り通常弾倉40本。それに、対ヴァンパイア用の特殊弾頭入りの弾倉12本。今あるだけの在庫をもってきた。ただ、FN Fiveファイブ-seveNセブンは在庫が無かった。いやー急にメールで、注文がきたんでビックリしたぜ」

 Fiveファイブ-seveNセブンはP90のサイドアームとして開発された拳銃だ。弾丸はP90と同じものを使用する。けれど無いものを強請ねだってもしょうがない。

「それはこっちでどうにかするわ。悪いのだけど支払いはこれでお願い」

 私はハンター証を差し出した。

「秋穂ちゃん、ウチはいつもニコニコ現金払いが原則。帰ってきてからでいいから」

「でも、正直なにがおき……」

 店長の指が私の唇に触れた。

「怪我しないで帰ってきて、現金で払いにきてくれよな」

 店長の指が私の唇から離れた。うわ〜、店長キザすぎ…… でも、そう言ってくれる事には感謝する。

「店長かっこつけすぎ」

「そうかい?」

 店長はいつものように白い歯を見せてニカッと笑った。

 でも、商人としては失格かも……


今回も読んでいただきありがとうございます。


動く動くといった割には、まだ入り口でウロウロしている始末…… ごめんなさい。

次の更新時には突入していないですねこのペースでは。

次回がこの続きで、その次にレイとカミラ視点の回が入りますので、非統制区内の話に入るのは、年明け(2日)になりそうな予感(汗

今年最後の更新で2話更新するんも良いかも。

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