三章:起床と驚き
「あら」
ルルアは驚いた。
「もう起きて大丈夫なの?」
部屋の扉を開けると、ジーランドは起き上がっていた。
眼が冴えていないので体力がまだ全回復していないのだろう。クマが出来ていた。
「…どれくらい、眠ってたの」
「3日ぐらいかしら」
え、と素直に驚く彼女。髪をむすんでいないところも可愛らしい。
「き、期間が…。3日も、減った」
「期間?」
「ここに、2週間居るって言ったでしょ。だから…その、減っちゃったなって…」
あぁ、あのことか。
発せられた言葉から考えると、少しでもここに居たいようだ。嬉しい。
「大丈夫よ。今から2週間、ということにしてくれたから」
「…アイツが?」
「ニルグ様がね。ふふ、名前で呼んであげたら?彼、悲しむわよ」
「………なんか、気に入らないんだ。あの陽気な性格が」
「へぇ?」
「兄さんに似てて…」
そこまで言いかけて、彼女は言うのをやめた。自分でも驚いたのだろうか、しばらく固まっていた。
兄とは、彼女にとって大きな存在のようだ、強大、兇悪。どちらも正しいのだろう。
「ぁ、あた、し」
「着替えましょうか、包帯だけじゃツライでしょ?」
「……ぅ、へ」
全身が軽く焼けていたので、包帯をぐるぐる巻いてある。ああ、下着はきちんと着せてある。(ショーツだけだが)
「な、なぁっ!」
「ん?」
「そ、その、ジクス…が、あたしを出してくれたんだよな?」
「えぇ。放っておけないって」
「なんで…」と肩を落とす彼女。それはこっちも聞きたいぐらいだ。今まで女性を気にかけることはあったが、出せとまで言うことはなかった。ジクスの考えていることはルルアにはわからない。
ミラエクはわかるようだが。
「ま、とりあえずは着替えましょうよ」
「うあ、え」
「さー、さ!ね!」
半ば強引に着替えさせた。
*
「わー、やっぱり似合う!」
黄色いブラウスに、白のショートパンツ。
華奢な体躯なので、身長が低くてもすらりと長く見える。
「…ツインテールはイヤなんだけどな…」
「そうね、前髪が半分くらい後ろにいってるから…やっぱりポニーテールがいいかしら?」
「そのほうが落ち着く」
「じゃあ、変えましょうか♪」
ジーランドの髪は柔らかく、気温の高い今日はポカポカしてるので触っていると眠くなりそうだ。
「お姫さまみたいね」
「……そっ、か」
嬉しくなさそうな彼女の顔を見て思った。
「あ――――、え?」
言いかけたが、ルルアは言葉を発するのをやめた。なぜなら…刺青がうなじにあったから。
昔、聞いた事がある。
400年以上も前に絶滅したはずのヌザンド王国の生き残りが、この地上のどこかにいる、と。
そして王女は蓮華の刺青をうなじにほる、と。
「あら」
ルルアは驚いた。驚きすぎて声が出なかった。
更新が遅れてすいません。(またかよ…)
短くてすいません。
不定期的なんです、更新するのが…←
もうしわけありません…。
それでも、楽しんで読んでいただける方は
続きをお待ちください。
頑張ります。
もぅ謝ることしかできない←
ああ…スイカ食べたい!!!




