おばあさん
ステラは姉さまキツネに言われた通りに歩いて行きました。しかしカカシは一向に見えません。そしてそのうち崖に突き当たり、ステラは騙されたことに気づいたのでした。
ステラはがっくりしながら森をさまよっていますと、その時ひとつの小屋がみえてきました。灯りがともっているのが見えます。
ステラはそれを見て安堵し、その小屋へと近づいていきました。
「ごめんください」
ステラがそう言って扉を叩きますと、扉が勝手に開きました。
ステラはそれに少し驚きましたが、その時小屋の中からいい匂いがしてきたので、そのことはすぐに忘れてしまいました。
匂いに誘われてステラが家の中へと入っていくと、そこにはたくさんの食べ物が置いてありました。ステラはお腹が空いていたものですから、食べ物に近づいて行きます。
「誰だい?私の家に入ってきたのは」
するとその時、小屋の奥からしわがれた声をしたおばあさんが出てきました。シワだらけの顔に、かぎづめのような鼻が見えます。
ステラはそんなおばあさんを見て答えました。
「勝手に入ってごめんなさい。私はステラっていうの。道に迷って、お腹が空いていたのだけど、少し食べ物をわけてもらえないかしら?」
ステラがそう言うと、おばあさんは優しそうに微笑みながら答えました。
「そうかい。それならたら腹食べていくといい。ゆっくりとしていきなさい。」
「ありがとう、おばあさん!」
私はその言葉を聞いて、食べ物を勢いよく食べ始めました。
しばらく食べていると、ステラはお腹がいっぱいになりました。
ステラはお腹がいっぱいになったので、おばあさんにお礼を言おうと小屋の奥へと行きました。
ステラがおばあさんを探していると、そこには大きな鍋をグツグツと煮込んでいるおばあさんがいました。
ステラはその大きな鍋に驚いて、おばあさんのことをこっそりと覗きました。
「久々だね、あんなうまそうな小娘が手に入ったのは。早く煮込んで食べてやろう。あははは」
するとおばあさんが恐ろしいことを言っていました。そう、おばあさんは魔女だったのです。
ステラはそれに気づきますと、急いで小屋を飛び出していこうとしました。
しかしそれに気づいたおばあさんが魔法の言葉をとなえます。
「ちっ!逃がしやしないよ!アブラカダブラーっ!」
するとその時、おばあさんの魔法がかけられたオノやハサミやカナヅチがステラを追いかけてきました。
ステラは小屋を飛び出して必死に逃げます。おのやはさみやカナズチもずっとステラを追いかけてきました。
その時、ステラは木の根につまずいて倒れてしまいました。
ステラは息を飲みましたが、しかし幸いなことに、つまずいたおかげでステラの姿を見失ってしまったそれらは、ステラを通り過ぎて暗い森の中へと消えていきました。