第6話 三人の視線
舞台裏の薄暗がりで、空気だけが丁寧に固まっていた。
赤いリボンが、リアンの手首で小さく揺れる。
セリアが結んだ「運命の糸」。
その言葉の重さを、リアンは今この瞬間ほど恨めしく思ったことはない。
(……昨日「悪い子じゃない」なんて思ったのが、むしろ悪かった気がする)
目の前にはアリシア。凛とした立ち姿は甲冑を脱いでも変わらない。
その隣にミレイユ。眼鏡の奥の琥珀色が、まっすぐにこちらを測っている。
反対側にセリア。翠の瞳が、舞台の光より眩しく燃えている。
(……これ、俺が悪いのか?)
自分の中の良心が「何もしてない」と言い、危機感が「でも死ぬ」と叫ぶ。
リアンは口を開ける。
無難なこと。
人を傷つけないこと。
できれば場が収まること。
——そんな奇跡みたいな言葉を探して、見つけたのはいつもの逃げ道だった。
「まあ、なんとかなるっしょ」
三人の目が同時に輝いた。
(なんでだよ)
背筋に、冬の水を流し込まれたみたいな寒気が走る。
火花の前兆だった。
――――――――
舞台裏を出れば、酒場の喧噪がすぐ戻ってきた。
樽の匂い、焼き肉の脂、麦酒の泡。笑い声と床板のきしみ。
その全部が、さっきまで“英雄の舞台”を支えていたのに、今はただの逃げ場として優しく見えた。
……見えただけだった。
「リアン」
アリシアが、まず名を呼ぶ。
声は低く、落ち着いている。騎士団で人をまとめる時のそれ。
リアンは反射で背筋を伸ばしそうになって、痛む肋骨を思い出し、半端に縮こまった。
(やめて。俺、今“呼ばれたくない人材”なんだよ……)
アリシアはセリアに視線を移し、礼儀正しく頭を下げた。
「先ほどの歌、拝聴しました。……あなたがセリアさん、ですね」
「はい! 吟遊詩人のセリアです。英雄さまと——」
「“リアン”です」
訂正は柔らかいのに、刃があった。
セリアはきょとんとして、それからにこりと笑う。
「そうですね。リアン様は謙虚ですから、呼び方も物語的に揺れるんです」
(揺れるのは俺の寿命だよ)
リアンは心の中でだけ突っ込み、口では曖昧に笑った。
「いや、様とか、ほんと……やめとこ?」
「やめません」
セリアが即答する。
「……やめません」
ミレイユも、間を置いて続けた。
その言い方が「実験結果の再現性はある」と報告する学者みたいで、リアンの胃がきゅっと縮む。
ミレイユは眼鏡を押し上げ、セリアのリュートを一瞥した。
「歌は情報の増幅器です。誤差も同時に増える。つまり……」
彼女はリアンに視線を戻し、少しだけ声を落とす。
「あなたが危険になる」
リアンは「危険になったのは歌のせい」と言いかけて、飲み込んだ。
言えば、たぶん逆方向に伸びる。
いつもそうだ。
「……うん。気をつけるよ」
リアンがそう言うと、アリシアの目がわずかに和らいだ。
それがまた怖い。
優しくされると、逃げにくくなる。
セリアは胸の前で手を組み、まるで宣言するように言った。
「大丈夫。物語は、主人公を簡単には死なせません」
「簡単には、って何!?」
声が裏返りそうになって、リアンは咳払いでごまかした。
――――――――
横からすっと差し出された手が、リアンの袖を掴む。
「逃げませんよね?」
ノエル・メルカート。
黒髪ショートの商人見習いは、年下とは思えない目でリアンを見ていた。
(またお前か……!)
救いのはずの年下が、今日は捕縛具だった。
「え、いや……逃げるとかそういう……」
「逃げませんよね?」
同じ文を二回言うのは、交渉術だ。
リアンは、人生で一番“はい”と言いたくない場面で、曖昧に頷いた。
「……まあ、うん」
ノエルは満足げに頷き、そろばんを軽く鳴らした。
それが何故か、鐘の音みたいに聞こえる。
アリシアの視線がノエルに向く。
「あなたは?」
「商人ギルド見習いのノエル・メルカートです。リアン様への投資——いえ、恩返しの担当者です」
(担当者って何だよ。そんな部署、俺の人生に無いよ)
セリアが目を輝かせる。
「投資! いいですね。英雄にはスポンサーがつく。物語的です!」
ミレイユは眉を寄せ、ノエルの言葉を分解するみたいに口を開く。
「投資ということは、利回りが——」
「ありません」
リアンが食い気味に言う。
「俺、利回りとか出せないから。ほんと。普通に……普通に生きてるだけなんで」
近くのテーブルで聞き耳を立てていた冒険者が、笑いながら囁いた。
「聞いたか? 英雄は投資先に困らないらしいぞ」
「女も商人も寄ってくる。格が違うな」
(やめて。俺、格なんて持ってない。今あるのは怪我と胃痛だけ)
リアンは笑って流そうとして、笑い方を間違えた。
薄く、落ち着いて。
結果、周囲が「達観してる」と受け取った。
(俺の顔面、裏切り者……)
気づけば、リアンの椅子は決まっていた。
しかも妙に中央。
(また最前列じゃん……なんで俺、いつも見世物なんだよ……)
アリシアが立ったまま椅子を引いた。
「どうぞ。まだ怪我が」
「ありがとう……」
礼を言うと、アリシアの口元がわずかに緩む。
それだけで胸の奥が妙にざわつく。
次の瞬間、セリアが反対側の椅子を引く。
「こっちもどうぞ。英雄は中央、私は右側。歌は右から届くのが綺麗です」
「左右で音の届き方変わるの?」
「変わります!」
断言が多い。
ミレイユはリアンの背後、少し斜めの位置に立ち、ノートを開きかけて止めた。
開けば“記録”になる。
記録になれば、噂が学術になる。
リアンはその因果を、何となく察した。
「ミレイユさん、座る?」
言った途端、ミレイユが一瞬だけ目を見開く。
ほんのわずか頬が赤くなる。
「……座ります。観測に適した距離です」
ノエルは当然のようにテーブルの端に座った。
逃げ道の角度が見える位置。
(投資家って、こういうところだけ戦術家なんだな……)
――――――――
「では、改めて」
アリシアが姿勢を正す。
誰も「改める」準備ができていないのに、場だけが騎士団会議みたいになった。
「リアン。あなたは、今、街中の注目を集めている。……それは危険です」
「はい……」
叱責ではなく、心配。
その温度が、リアンをさらに怖がらせる。
セリアが手を挙げる。
「危険なら、守ればいいじゃないですか。英雄は守られる側でもあります!」
「守られる……?」
アリシアが小さく反復した。
ミレイユが淡々と言う。
「守るという概念は、相互作用です。片方向だと、系が歪みます」
「系って何」
リアンが思わず口にすると、ミレイユの目が一瞬だけ泳いだ。
「……関係、です」
セリアがにこりと笑う。
「関係なら、もう決まってます。運命ですから」
アリシアが、同じ笑みを返した。
礼儀正しい笑み。
怖い笑み。
「運命、ですか。……それは詩的ですね」
「はい! 詩は真実を運びます」
「真実は、確認が必要です」
穏やかすぎて、逆に逃げ道がない。
ちょうどその時、近くの卓から酔った冒険者の声が飛んだ。
「おーい英雄! 女の子三人侍らせてよぉ! それも才能かぁ?」
笑い声。
リアンの顔が引きつった。
セリアが、すかさず軽い調子でリュートを鳴らす。
「才能じゃなくて、運命です♪」
噂が、言葉の形を変えて跳ねる。
ミレイユが眉を寄せ、酔客の発言を切り分ける。
「観測上、リアンさんの生存率は異常値です。そこに三者の好意が加わると——」
ミレイユは言いかけて、急に早口になる。
「……護衛効率が上がる。つまり、合理的。合理的です」
そして一瞬。
「ボク——」
口が滑った。
ミレイユは自分で気づいたのか、ぱっと口を押さえる。
耳が赤い。
リアンは優しさのつもりで、何も言わない。
その沈黙がまた、周囲には“含み”に見える。
アリシアが酔客の方へ静かに視線を向けた。
ただそれだけで、酔客の笑いが一瞬止まる。
「……その発言は、失礼です」
丁寧な口調。
しかし、言葉の芯は硬い。
そしてアリシアは、リアンを見て、はっきりと言った。
「あなたは、私が守る」
空気が一度、静止する。
次に、どっと熱が戻った。
「うおおお!」
「騎士団副長候補直々だ!」
「英雄、やっぱり格が違う!」
リアンは頭を抱えた。
守られるって言葉は、断りにくい。ずるい。
アリシアは咳払いをして、少しだけ視線を逸らす。
言葉が滑った、と、彼女自身が分かっているような沈黙だった。
「……騎士として。当然の義務です」
――――――――
セリアが、勢いづいた観衆へ向けてすっと立ち上がった。
「皆さん、聞いてください。英雄は守られるだけじゃありません。英雄は——守るために戦うんです」
リュートの弦が鳴る。
短い旋律。
そしてセリアは即興で歌う。
「騎士の誓い、光の刃。
理論の魔女、眼鏡の火。
運命の歌姫、翠の糸。
真ん中にいるのは、逃げ腰の英雄——♪」
最後の一節で、観衆が笑った。
笑いは優しい。
でも優しい笑いは、噂を“定番”にしてしまう。
リアンは真っ赤になって立ち上がりかけ、肋骨が痛んで座り直す。
(やめろぉ……逃げ腰の英雄って何だよ……否定しにくいのが一番最悪なんだよ……)
アリシアはセリアの歌を止めない。
止めたら“余裕がない”に見える。
ミレイユは「理論の魔女」という単語を拾い上げ、胸の前で指を握りしめた。
セリアは歌いながら、一瞬だけ表情を曇らせる。
歌にした瞬間、それは固定される。
固定される物語が、いつか自分を縛る。
でも、その曇りはすぐ笑みに変わった。
——誰にも見えない速さで。
――――――――
ノエルが、卓上に小さな封筒を置いた。
「では、改めて。こちら、支援物資の受領書です。署名だけ」
「署名!?」
リアンは椅子からずり落ちそうになる。
「いやいやいや、そういうの、怖いって! 後で何か請求されるやつ!」
「請求はしません」
「“投資”って言ったよね!?」
「投資には回収が必要です。回収は“あなたが生きること”です」
真剣な目。
リアンは言い返せない。
生きることを条件にされると、断れない。
アリシアが静かに言う。
「……良い支援だと思います。リアンが拒むなら、私が管理を」
「騎士団管理! それはそれで物語的に強すぎます!」
セリアが身を乗り出す。
ミレイユは封筒に書かれた文面をちらりと見て、淡々と補足する。
「受領書は、法的保護にもなります。トラブル回避。合理的」
(みんな合理的って言えば通ると思ってない?)
リアンは観念してペンを握った。
手が震えている。
それを三人は、それぞれ違う意味で見守る。
リアンが書くのはただの署名。
周囲が受け取るのは“英雄が支援を受け入れた=次の戦いへの準備”だった。
――――――――
署名を終えた瞬間、リアンはふっと息を吐いた。
——たったそれだけ。
なのに、周囲の視線が「終わり」ではなく「開始」を告げているのが分かる。
(やめて……署名はゴールじゃないの? 普通そうだろ……)
その時、アリシアが静かに言った。
「リアン。手当てを見せて。……ここ、人の目が多すぎる」
「え、いや、大丈夫——」
「大丈夫じゃない」
短く、強い。
否定の余地を許さない声だった。
ミレイユも頷く。
「痛みで判断力が鈍る。逃げ道の選択が歪む。——危険」
セリアは、にこりと笑った。
「つまり、英雄の体調管理は物語の必須イベントです!」
(必須イベントって言うな)
断ろうとしたリアンの言葉は、ノエルがテーブルの端でそろばんを鳴らした音に飲まれた。
「投資対象の健全性チェックは当然です」
「俺、投資対象じゃないってば……」
そんなやり取りのまま、リアンは半ば抱えられるように酒場の奥へ連れていかれた。
店の裏手。
樽と備品の匂いが濃い、小さな物置き部屋。
薄いカーテンが出入口代わりになっていて、外の喧噪が布越しに揺れる。
「座って」
アリシアが椅子を引き、リアンの背中を軽く押した。
鎧の手ではないのに、指先が妙に熱い。
(いや、たぶん俺の体温が上がってるだけだ。うん)
「……触りますね」
そう言ってから、アリシアはリアンの胸元の布に指を掛けた。
丁寧で、遠慮がなくて、躊躇がない。
リアンは一瞬だけ固まる。
「え、あ、はい」
返事が情けなく裏返った。
それがまたアリシアを少しだけ安心させたようで、彼女の息がふっと緩む。
布がほどける。
風が肌に当たって、傷の痛みより先に——変なところがぞわっとした。
(やばい。これ、やばいやつだ。何がやばいのか分からないけどやばい)
アリシアの視線が、リアンの肋骨のあたりを追う。
包帯の下の赤黒い痣。
その色に、アリシアの眉がわずかに寄った。
「……無茶しすぎ」
怒っているのに、声が優しい。
優しい怒りは、逃げ場がない。
ミレイユが、いつの間にか小瓶を取り出していた。
「鎮痛の軟膏。魔術師協会の薬。……匂いが強い。嫌なら言って」
「い、嫌じゃない」
嫌じゃない、なんて言い方。
そのせいで、カーテンの向こうの喧噪が一瞬遠のいた気がした。
ミレイユの指先が、そっと軟膏を取る。
そして——当たり前みたいに、リアンの肌に触れた。
冷たい。
でも、すぐにぬくもりが乗る。
リアンは息を吸い損ねた。
「っ……」
「痛い?」
ミレイユの声は淡々としているのに、目だけが妙に真剣だった。
観測するみたいに。
でも、観測にしては近い。
「だ、大丈夫。……多分」
セリアが、わざとらしく咳払いをした。
「はいはい! ここ、見どころですね!」
「見どころじゃない!」
リアンが反射で突っ込むと、セリアは嬉しそうに頷く。
「そういうツッコミ、好きです。英雄が人間っぽくて」
(俺は人間だよ)
アリシアが包帯を新しいものに替え、手際よく巻き直していく。
近い。
息がかかる。
髪が頬に触れそうになる。
彼女の石鹸みたいな匂いが、痛みを誤魔化す。
ミレイユは軟膏の蓋を閉めながら、ぽつりと言った。
「……あなたが倒れたら、困る」
それだけ。
それだけなのに、胸の奥が変に鳴った。
セリアは、赤いリボンを指先でつまんで見せる。
「これも、緩んでます。結び直しますね」
「え、いや、あれは——」
「運命の糸です」
きっぱり。
そして、セリアはリアンの手首を取った。
指が細いのに、握りが強い。
結び目がほどけ、もう一度結ばれる。
指先が肌をなぞるたび、リアンの背筋が変な意味で正される。
(おかしい。手当てって、こんなに心拍数上がるものだっけ?)
その時。
アリシアが、包帯を結び終えて顔を上げた。
ミレイユも、同じタイミングでリアンを見た。
セリアも、結び目を確かめたまま視線を上げる。
三つの視線が、同じ距離、同じ高さで、リアンに刺さる。
距離が近い。
近すぎる。
(あ、これ……俺、今、逃げると死ぬやつだ)
リアンが動けないでいると、アリシアが小さく息を吐いた。
「……ありがとう、って言って」
「え?」
「手当てをしたから。……言えるでしょう」
言える。
言えるけど、言ったら終わる。
何が終わるのか分からないのに、終わる気がする。
リアンは観念した。
「……ありがとう。ほんと、助かる」
三人の表情が、それぞれ違う形でほどけた。
そのほどけ方が、余計に怖かった。
カーテンの向こうから、誰かがこちらを呼ぶ声が聞こえる。
現実が戻ってくる音。
「……戻ろうか」
リアンは立ち上がり、ふらつくふりをして距離を作った。
——ふりじゃない程度に、足元が危なかった。
――――――――
リアンが三人の前——喧噪の中に戻ったとき、体温だけが微妙に余熱を持っていた。
それに気がついていないふりをする暇もなかった。
酒場の入口が、静かに開いた。
外の冷たい空気が流れ込む。
入ってきたのは、深い藍のローブを纏った男だった。
胸元に、銀の徽章。
ミレイユが息を止める。
リアンでも分かった。
魔術師協会。
ギルドの騒がしさの中で、その男だけが異様に“静か”だった。
受付の方からざわめきが起き、トムの声が上ずる。
「ま、魔術師協会の……使者!?」
男は騒ぎに構わず、まっすぐこちらへ歩いてくる。
リアンのところへ。
(なんで俺!? 俺、魔法使えないぞ!?)
男は一礼し、封蝋の押された招待状を差し出した。
「リアン・フォルテ殿。魔術師協会より招待状を預かっております」
リアンは固まった。
手が動かない。
アリシアが即座に一歩前へ出る。
守る、という動き。
セリアが目を輝かせる。
運命だ、という目。
ノエルはそろばんを鳴らした。
投資の回収計画が、勝手に前倒しになった音。
リアンは内心で叫ぶ。
(やめて。次の舞台とか要らない。俺、今の舞台から降りたい)
それでも、手を伸ばしてしまう。
優しさは、いつも逃げ道を塞ぐ。
招待状を受け取った瞬間、酒場の誰かが小さく呟いた。
「……ほらな。英雄は、次の場所へ呼ばれる」
その囁きは、すぐに波になった。
噂は歌に乗り、今度は“招待状”に乗る。
リアンの胃が、また痛くなった。
封蝋を割る前から、周囲の空気はもう答えを決めている。
協会が呼ぶのは“才能ある者”。才能ある者とは“英雄”。
リアンは青ざめたまま招待状を胸に抱え、三人の視線とノエルの計算と、酒場中の期待の重さを一身に受ける。
逃げたいのに、逃げたらまた「計算された退避」になる。
——魔術師協会の扉は、彼の意思とは無関係に、次の物語のページを開こうとしていた。
――――――――
(第6話・終)
第6話、お読みいただきありがとうございます。
今回はタイトル通り「三人の視線」。アリシア(騎士)、ミレイユ(魔術師)、セリア(吟遊詩人)が同じ場所に揃い、同じ人物をそれぞれの価値観で“守ろう”として、結果的にリアンの逃げ道が一つずつ塞がっていく回になりました。
リアンの「まあ、なんとかなるっしょ」に三人が同時点火するところは、この作品の“勘違いエンジン”が最も分かりやすく回る瞬間だと思います。本人は逃げ口上のつもりなのに、受け取る側は「覚悟」「余裕」「計算」として補強してしまう……。
ノエルも相変わらず良い(悪い)仕事をしてくれました。受領書=法的保護=合理的、というロジックで固められていくと、リアンはもう断れません。かわいそう。
そしてラストは、魔術師協会からの招待状。噂が「歌」から「招待状」に乗り換えて、次の舞台が勝手に決まっていく——リアンの胃痛は、まだまだ加速します。
次回、第7話「魔術師協会の招待」。ミレイユの世界で、“才能ゼロのはず”のリアンが、なぜ呼ばれたのか。
引き続きお付き合いいただければ幸いです。




