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未来創造物語

始まりの図書館

作者: DDD

 私、未来見 環円(みらいみ かえん)青波(あおば)緑丘町(みどりがおかちょう)に住んでいて、今は小学4年生です!理科と音楽が好きで、その中でも自然とピアノが一番好き!そして、図書館の常連です!最近は、地球環境にも興味があるの!性格は、ちょっとおっちょこちょい…さて、自己紹介はこのぐらいにして、私は今、いつも来ている青波(あおば)市立巳則みのり図書館にいます!今日も借りるぞ~!

 「え~と、環境環境・・・あった!」

 あれだけ意気込んでおいたけど、環境の本ってなかなかないなあ・・・  あ、次は、青波市(ここ)の歴史も調べてみようかな。この町の昔の景色があるかもしれないから。それにこの町で一番長生きしてる坂田さんが前に言っていたんだ。

青波市(ここ)の自然は、昔はこの町一番の自慢だったんだ。澄んだ空気も気持ちよくて、毎日たくさんの観光客が訪れていたんだ。でも、今はこんなにごみが捨てられて、自慢だったものが一つなくなっちまったよ・・・」

って。そういえば、すごく悲しそうに言っていたな・・・。とりあえず、どこあるのかな?歴史コーナーかな・・・行ってみよう。そう思って、歴史コーナーに向かったことが、私の物語の始まりだったなんて、この時の私はまだ気づいていなかった・・・

 「えーと、ここらへんかな?」

 そう呟いて、足を止める。辺りを見渡すと、「青波(あおば)市・緑丘町(みどりがおかちょう)の歴史」と大きく書かれた看板?が目に留まった。

「よし!あってた」

 左右の棚に入った本を少しぺらぺらとめくってみると、どれも漢字がたくさん使われている難しそうな本ばかり。タイトルを見ても、「緑丘町(みどりがおかちょう)のできたわけ」「青波(あおば)市の工芸品」などで、景色や自然についての本はあまりない。

「ここならあると思ったんだけどな・・・しょうがない、環境コーナーにもどるか・・・」

 そう言って、引き返そうとした時。棚の隅に立てられた、一冊の本に目が留まった。

古びた本。背表紙には文字が書かれていなくて、絵のような、紋章のようなものが一つ、書かれているだけだった。

「変な本・・・」

 そう言ったが、手が不思議と、その本に吸い寄せられるようにその本のほうへ伸びていった。

やっぱり外側には文字一つなくて、どちらが表紙でどちらが裏表紙なのかもわからない。図書館の本についているバーコードはあるから、この図書館のものだということはわかる。

とりあえず借りて、ぺらぺらとめくっていくと、中にも文字や絵はなくて、黄色っぽく変色した紙があるだけだった。

と、何か書いてあるページがあった。でも、それもぐちゃぐちゃな絵のようなもので、とても読めるものではなかった。まじまじと見ていると、

ピカッ

本のページが光った!?

「今のは、いったい・・・」

 そう言って目を開け、驚いた。ついさっきまで人がたくさんいたにぎやかな図書館だったのに、今はがらんとして人気がない。それに、何年も手入れされていないみたいにボロボロになっている。驚きすぎて、思わず手に持った本を落としてしまった。慌てて拾ったが、未だに目の前の光景が信じられなかった。少し考えてから、外に出る。誰かいるかもしれない。でも、外も人の気配すらなく、シーンと静まりかえっていた。いつもは平日でも観光客でにぎわっているのに・・・それに、物凄く暑い。太陽が照り付け、じりじりとしている。海岸にもいったが、やっぱり人はいなく、水も濁っていた。呆然としていると、どこからか声が聞こえてきた。

「これはなあ、今から12年後の未来、お前が大人になった時の町だ。このまま、環境が破壊され続けた な。」

 聞き覚えのある声だった。

「誰?」

 と聞いたが、。声はその一度きりだった。しょうがないから、図書館に戻った。その間に、あの声が言っていたことを考えた。12年後、ってことは、私が21歳になった時のことだよね。今9歳だから。それに、「このまま環境が破壊され続けた」って言ってた・・・もしかして、あの声の主は、「このまま環境が破壊され続けると、大変なことになってしまうから、あなたが頑張って未来を救って」と言いたかったのかな・・・と、そこまで考えて、図書館の前についた。元の歴史の場所に戻ると、また手に持っていた本が光って・・・気づいたら、にぎやかな図書館に戻っていた。

 未来見 環円(みらいみ かえん)、小学4年生。破滅の未来を知ってしまったので、今の世界を継続しようと頑張ることに決めました。

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