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第4話:明日のお弁当と昨日の世界滅亡

翌朝。地獄巡りから帰ってきた俺は、布団で目覚めた。

「やっと日常か……」

と思ったら、枕元にいた。猫の姿をした宇宙意思AI(CV:イケボ)。

「カズマ、起きたか。世界が昨日、2回滅んだ」

「え? 俺寝てただけなんだけど!?」

「1回は、タピオカ精霊の反乱。もう1回は君のくしゃみ」

「俺くしゃみで世界壊すの!?」

「まぁセーブデータから復元したから問題ない。“君が寝てる間の世界”は定期バックアップしてる」

「おれもう一生寝てようかな」

そう呟きながら起き上がると、部屋のカーテンが“次元の裂け目”になってた。

毎日ランダム。昨日はカーテンがうどんだった。

「おはよー、カズマくん♡」

今日も絶好調、ゾンビで宇宙刑事でドラゴンで彼女のカナタが、フライパンから火を吹いてる。

焼いてるのはベーコン――じゃなくてベーコンに擬態した魂。

「お弁当できたよ!今日は“感情と魔力とタンパク質のバランス弁当”!」

「え、これ……人間食べて大丈夫なやつ?」

「うん、大丈夫!倫理的にアウトな素材は全部“異世界の法律上セーフ”ってことになってるから!」

「アウトじゃねぇか!!!」

でもうまい。くやしい。

ベーコン魂、口の中で「やっと解放された……ありがとう……」って呟いたけどスルーした。

登校中、空が割れた。

またかよ。

空から降ってきたのは――**クラスメイト(頭がテレビ、声はラジオ)**が“昨日の世界滅亡”の報告をリピート再生していた。

「昨日の世界滅亡に関して、生徒指導室よりお知らせです~」

「カズマ、お前のせいで“時間軸A13”の給食が爆発したぞ~」

「明日は“記憶の体育祭”です! 全員、一番恥ずかしい記憶を現実化して競いましょう!」

おい、ラジオ頭のやつ、最後のヤツやばすぎるぞ。

「でもその前に、今日の授業は“存在認識戦争(ペア戦)”だよ!」

教室に着いた瞬間、全員が立ち上がった。

武器を手にして。防具を装備して。魔法陣を展開して。

担任が叫ぶ。

「今日の課題は、**“この人は存在する”という証拠を示せなかったら即退学バトル”**です!!」

なんだこの授業!?

俺の前に現れたのは――また未来の俺(今度は赤ん坊姿)。

「おぎゃあ。俺だよ。信じてくれ」

「無理あるわ!!!」

バトル開始。

1秒後、“言葉で存在を証明しきれなかったクラスメイト”が机になった。

黙ってたやつはカーテン。失敗したやつは校歌に変換された。

俺はカナタとペア。2人で後方から爆発魔法&愛の力で突撃したら、

クラス全体がラブコメ展開→感情暴走→物理空間破壊。

「すごいよカズマくん、今、恋と爆発で教室ごと概念崩壊した!」

「意味がわからねぇ!!!」

爆心地にいた俺たち2人だけがなぜか無事。

廊下に出たら、校長(影だけの存在)が立っていた。

「……君たちには、特別ミッションを与える」

「は?」

「明日、“昨日を破壊してきてほしい”」

「もう時間の概念ガバガバすぎる!!」

校長が傘を差し出す。その傘には“昨日”と書いてある。

「この傘で、昨日にアクセスし、昨日の世界を物理的に破壊してきてほしい。未来が重くなりすぎて揺れてるから」

「いや、物理でどうにかなる話じゃねぇだろそれ!?」

「報酬は、“もう一度初恋をやり直せる権利”だ」

「え、それちょっと欲しいかも……」

カナタが一瞬だけ悲しそうな目をしたの、見逃さなかった。

「……カズマくん。それ、使うの?」

「使わねぇよ。今の恋で十分だしな」

「…………ばか」

そのとき、空間がねじれた。

明日が、逆再生されながらこっちに襲ってきた。

「カズマ、来たわ。“昨日の明日”が……!」

「もうやだこの世界!!!!」

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