第15話:夢の終わり、そして現実の光
激しいバトルと混沌が続いてきたあの学園――
だが、突然目の前の景色が歪み、俺の意識は深い闇へと沈んでいった。
「カズマ……目を覚まして」
遠くから聞こえるカナタの声。俺はゆっくりと目を開けると、見慣れた教室の光景が広がっていた。
「夢……だったのか?」
俺の腕には確かにSFスーツの一部とドラゴンの鱗の欠片がまだ残っているような感触があった。
けど、ゾンビ猫も魔法使いも、時空の裂け目もすべて消えていた。
「カナタ、現実にいてくれてよかった」
彼女はいつもの笑顔で隣に立っている。ドラゴンの翼も、宇宙刑事の鎧も影も形もない。
ただ、彼女の温もりがそこにある。
「ずっと一緒だよ。夢も現実も、私たちの時間はここにある」
教室の窓の外には、いつもの日常の風景。
鳥のさえずり、遠くで笑う子供たち、普通の世界が静かに息づいている。
でも、俺の胸の奥には確かにあの戦いの痕跡が刻まれていた。
あの世界で戦った仲間たち、あの時の熱い想い、全部が俺を強くした。
「これが俺たちの現実だ。どんなにカオスでも、俺はこの場所で君と戦い、生きていく」
彼女の手を握り返し、俺は微笑む。
夢の中の戦いは終わったけど、俺たちの物語はここからまた始まる。
学園祭の準備が始まり、日常の笑い声が教室に満ちる。
カナタと俺は、普通の日常に潜む非日常を胸に秘めて。
「さあ、次の冒険に向けて行こうぜ」
その瞬間、教室の隅で小さく、魔法陣の光が瞬いた気がした――
それはきっと、俺たちの世界がまだまだカオスである証拠だった。
―完―
無理やり夢オチさせました。