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第1話:目覚めたら空からカエルが降っていた

目が覚めた瞬間、俺は悟った。ここ、地球じゃねえ。

まず天井が透けてる。空が見える。しかも、空からカエルが雨みたいに降ってる。全員が傘さしてるのに、傘の上にカエルが乗って踊ってる。謎すぎる。

「おはよう、カズマくん」

隣で声がした。声の主は、制服姿の女の子。猫耳、銀髪、赤い目、背中から生えてる銀の羽。いや、羽だけじゃない。手にはレーザー銃、そして顔の半分がドクロ。なんだこの圧倒的情報量。

「……君、誰?」

「私? 君の幼なじみで、恋人で、宇宙刑事で、ゾンビで、ドラゴンで、魔王の娘で、かつて地球を救った勇者よ」

いきなりエグい設定全部盛りしてくるのやめろ。脳が焼ける。

「待って、俺……たしか昨日、深夜のコンビニでバイトしてたんだけど……?」

「うん。交通事故で死んだのよ」

「死んだ!?」

「で、私がちょっとしたミスで異世界に魂呼んじゃって。ごめんね。でも大丈夫、君は今からこの“第17次パラレル銀河学園都市国家”の王子様だよ」

初めて聞く単語しかねえ。

「ここ、どこ?」

「学校よ。今日はタピオカ錬成の授業があるから、早く準備してね」

タピオカ錬成って何? 錬金術師がやることなの?

ていうか制服が軍服で、袖から光の刃出てるし、教室の外、宇宙だし、浮いてるし。なんなんだこの世界。

「てかお前、さっき彼女って言ったよな?」

「うん。私たち、10万年前に付き合ってたじゃん」

「記憶ねぇよ!てか10万年前って何だよ!」

「そのへんは授業で習うから、安心して♪」

ポジティブの暴力。あと可愛い。悔しいけど。

その瞬間、空がバリィン!って音立てて割れた。今度は何だ。

空から落ちてきたのは――俺だった。いや、俺に似てる女の子。

しかも手には魔剣、背中にエンジンついてるし、横にいるのは浮いてる球体。球体が喋った。

「こっちが未来の君、そっちが過去の君、時間のバグで今ここに集合してるわけ。とりあえず、この宇宙は崩壊します」

いやいやいや。何でそんな涼しい顔して終末告知してんだよ。

「運命を変えるためには、君が“あの剣”を抜くしかない」

「その剣って……Wi-Fi接続されてるこれ?」

「うん。データ通信量かかるから注意して」

なんで異世界の剣がギガ消費するんだよ!!!

そして、銀髪ゾンビ彼女(火属性)が叫んだ。

「カズマくん、行くよ!愛と勇気と設定盛り盛りで、世界を救うの!!」

何も理解できてないけど――俺は剣を抜いた。ギガを犠牲にして。

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