表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

月夜譚 【No.201~No.300】

名もなきエキストラ 【月夜譚No.283】

作者: 夏月七葉

 エキストラがいなければ、映画は撮れない。映画の内容によっては、主人公とその周囲の数人の登場人物で事足りることもあるのだろうが、そんな作品は少数だろう。

 物語において、名もなきエキストラは必要不可欠である。それは、実際の人生でもそうだ。

 名も知らない誰かがいてくれるからこそ、各々が生きていける。意識下になくとも、関わっている者は数え切れないほど多くいる。

 ――そんなこと、今まで考えたことはなかった。独りで生きていると思ったことはない。けれど、多くの人間に助けられているのだと意識したこともなかった。

 青年は息を吸い、風に靡く髪を押さえつけた。

 この出会いもまた、名もなきエキストラ達のお陰なのだろうか。会ったことも顔も見たこともない人々が影響し合って、青年はここにいるのだろうか。

 日が暮れかけた海岸で、数歩先を行く彼女が振り返る。その笑顔が眩しくて、青年は誰にともなく感謝を心の中で呟いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ