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九話 新入社員トビ

今回、僕の書いてる別の作品とのコラボをしてみたくなり、やってしまいました。(笑)

あわせて読んでくれてる方は、エッと驚かれるかもしれませんが、それは後々そちらのストーリーが進んでいくと判明すると思います。

読んでいない方でも、そう云う事があったというだけで「月夜の忍者」本編には関係しませんので安心して下さい。


それでは……



 九話 新入社員トビ



「今日から新しく僕らの仲間になった”加藤トビ”くんだ よろしく頼む 」


 月夜は、朝のミーティングで新人のトビを睦美と寅之助、それに忍に紹介する。トビがあの毒虫販売機のオーナーである事は、しばらくは伏せておこうと三人で示し合わせていた。


「加藤トビです 何も経験のない僕ですが頑張りますのでよろしくお願い致します 」


 トビが頭を下げると、もう一言なにかと月夜が促す。


「ええと…… 趣味は人形収集と、作ったりもします ジュモーが好きですね 」


 虎之助が、何それという顔をしていたが睦美が反応する。


「ジュモー…… 」


「ええっ 」


 睦美が怖い顔で、私はブリュの方が好きと宣言した。まぁまぁ睦美くんと月夜が取りなす。トビは別に気にならないようで続けた。


「それと座右の銘は”記憶して下さい。私はこんな風にして生きて来たのです”という言葉です 」


「へえ、漱石か…… なんかその言葉でトビくんがどんな思いで生きて来たのか解るな 」


 寅之助がポツリと言う。意外な事に寅之助が、トビの言葉に深く感動したようで全員が驚いていた。


「寅之助 あんた漱石なんて知ってるの? 」


「えっ ああ、”こころ”は俺も好きで読んでたからな 」


 睦美は、がさつなだけだと思っていた寅之助の別の面を見て目を丸くしていた。おほんと咳払いした月夜は、トビくんは一ヶ月は研修期間なのでみんなで解らない事を教えてあげるようにと伝える。全員が、はいと返答し、トビが改めて頭を下げた。



 * * *



 研修期間中は何事もなく過ぎてゆく。トビが家にいる時は忍犬ハナが警備に当たっていたが、またあの”サイレンス”の手の者が現れる事もなかった。しかし、油断は出来ない。月夜と忍は、日曜日にトビの家に行き作戦を練る事にした。


「あれから、僕がこの家の周りに張った仕掛けも作動していないから、”サイレンス”の手の者は現れていないと思うけど…… トビくん、どうだい? 」


「ええ、今のところ問題ないようです ただ、関係ないとは思いますが、この前数年ぶりに幼馴染みの女の子が訪ねて来たんですよ 」


「何かあったんですか? 」


 忍が、ロマンスの匂いを嗅ぎ付けたのかトビの話に反応する。


「それが車椅子に乗せられてやって来て…… ひどい怪我を負ったみたいで手足は切断されてて顔も包帯でぐるぐる巻きなんです さすがにびっくりして何があったのか訊いたんですが…… 卯月も…… あっ卯月というのが幼馴染みの名前なんですが…… 車椅子を押してきた男も何も話してくれなくて、何か言えない事情があるのかと…… 関係ないかもしれませんが…… 」


「ふん それで何しにトビくんのところへ? 」


「顔が人前に出せない位崩れてしまったそうなんです それで僕にドールの面を創ってほしいと…… 僕なら卯月の元の顔をよく知ってるからという事で…… 」


「顔が崩れったって トビくん、それ君の毒薬とはまさか関係ないよね? 」


 月夜が心配してトビに訊くと、トビは勿論と胸を張る。


「僕の毒薬は殺す為のものなので、顔を崩したりはしませんよ 」


 ははっと月夜は苦笑いする。忍が念の為と云うように、その男の方はどういう人なんですかとトビに問いかける。


「卯月と付き合っている男性のようです 会社員で、残業ばかりで困ると嘆いていました そうそう猫が好きだと言ってましたね、優しそうな人でしたよ 」


 なんだ男いるのか、でも三角関係でグチャグチャになるかも……。何を期待しているのか忍は、グフグフと怪しい笑いを発していたが、それなら”サイレンス”とは関係なさそうだなと月夜は胸を撫で下ろした。


「ところで、販売機の売り上げはどうなんですか? 」


 あわよくば一つ位くれないかしら、と忍が下心丸出しにしながらトビに訊く。その図々しく手を差し出している忍の姿に月夜は呆れ顔をしていた。


「それが意外と好評でして、そこそこ売り上げていますよ 今はネットの口コミがありますからね こんなところでこんなの売ってると話題になればしめたものです 」


 トビは、ヒヒッと笑ったが、月夜はだから変な奴に目を付けられるんだとトビを戒める。忍も、そうですよ、だから参考の為に一つくださいと、あくまで販売機の商品狙いだった。


「最近ニュースで強盗事件が増えている 中には殺された人もいるからな まあ全てが”サイレンス”の仕業とは限らないが…… 」


「せめて、私たちの目の届くところでは、こんな勝手は許せないですね 世の中の為、人知れず殺して差し上げましょうよ 」


「僕の毒薬も有効に使ってくださいよ 少しの量でコロリといく筈ですから 」


 忍が恐ろしい事をさらっと言い、トビも不気味にヒヒッと笑う。


「まったく…… 頼もしいのか恐ろしいのか分からないな、君たちは…… 」


 月夜は、これからはもっと徹底的に情報を集めて”サイレンス”とその仲間を排除しようとまとめた。


「トビくんは得意のネットで調べてくれ、忍くんと僕は足で情報を集める、いいか 」


 二人から、ハイという元気な声が聞かれた後、ワンという元気なハナの声も庭から聞こえた。


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