日記1「幼少期」
転生18日目
せっかくだし魔法でメモを取ることにした。ちなみに始めて魔法を発動(最初に発動したのは火の最下級魔法みたいなもの。便宜上ファイアと呼んでいる)したのが転生1日目の夜。ファイアを発動した時に自分の手から火が出て火傷したかと思い焦った。が、どうやら自分の魔法は自分には効果がないらしい。いや、直接当てたらあるかもな。ここら辺は検証しなければ。これとは別に検証・考察メモでも作っとくか。
転生26日目
今日はMPを増やすためにひたすら検証や考察をした。1日目から今日までずっと夜に魔法を使っていたため、ある程度のことは把握できている。その結果がこれだ。(魔法に限らず転生してからわかったことすべてを書いておく)
・魔法を使うにはMPが必要。また、MPの消費量を増やすことで魔法の規模を大きくすることができる。上限はわからない。
・魔法を使うにはイメージが大切。すごい小さい炎をイメージすればすごい小さい炎が出るし少し大きい氷をイメージすれば少し大きい氷が出る。上限はわからない。ちなみに俺が馬鹿でかい氷をイメージしても出なかったのだが、これはMPが足りなかったためと思われる。
・魔法の種類は無限大。前述した通り魔法はイメージが大切なのだが、この仕様によりだいぶ魔法の自由度が高くなっている。この世界剣より魔法の方が圧倒的に強いと思うんだが、剣士って需要あるのか…?
・↑の訂正。魔法の種類は恐らく無限大ではない。魔法で剣を創造出来たら本格的に剣士いらなくなるな、と思い剣が出てくるのをイメージしたのだが、剣は出なかった。MPが足りないのかと思ったので短剣が出てくるのをイメージしたが出なかった。この段階で俺は魔法で創造できないものもあるのでは、と思い色々試してみたのだが、どうやら武器・防具系統だけ出せないらしい。一瞬これなら剣士や盾士にも需要があるのではないか、と思ったがよくよく考えたら武器・防具を使わなくても攻撃や防御に使えそうな物理系統のものなんていくらでもあると考えつき一瞬でその考えが消えた。剣士や盾士君はこの世界にいるのだろうか。ちなみに現段階でMPは570
・よくよく考えたらここ異世界なんだから言語違うのでは?と思っただが、両親の言葉はわかる。なぜだろうか?今度本を見てみたいな。それも日本語だったら恐らくこの世界の言語は日本語なんだろうし…いや、あの推定女神が翻訳している可能性もあるか?うーむ、わからん。
・今日父が本を読んでいたので頑張って本に興味を示していることをジェスチャーで伝え、少しだけだが本を読む…いや、見ることができた。結論から言うと全く分からない言語だった。流石に本と喋る言語が別というのは考えにくいので、恐らくあの推定女神が言葉だけ翻訳しているのであろう。文字も早急に覚えなければいけないな…。
・この世界についてもいろいろ分かったことがある。まずこの世界…この星か?まあとりあえずこの世界の名前はイラリスというらしい。どれだけ広いかはわからないが、とりあえずラミステラ聖王国、ナガラサガ帝国、アルミラン王国があるというのは確認できた。大陸とかはないのか…?海はあるらしいから大陸もあると思うのだが。まあそれは置いといて、今俺がいるのはアルミラン王国のサラスト侯爵領らしい。王都に近いとか言ってたな。ちなみに王都は日本で言う首都みたいなもんである。まあすごい発展しているところだと思っておけばいいだろう。
・この世界、実は1週間の日にちが7日なこととか一年が12ヶ月なところとか、大分地球に似通っているところがあるのだ。一日も24時間だし。そういえばこれを書いてみて思ったのだが時間を操作する魔法とか使えないのだろうか。大分難易度は高そうだが一応やってみるか。
・魔法の合成は今のところ不可能。ファイアとウインド(風の最下級魔法の便宜上の呼称)を混ぜてみたが、どちらもはじけ飛んだだけだった。どうすりゃいいんだろうか。
今日までに分かったのはこの辺りである。ああ、ちなみにうちは豪邸でも何でもない普通の家で一般平民みたいな感じだ。うちの父はほんとに伝説の大魔導士なのか…?魔法を教えてもらえるか不安になってきたぞ。
転生85日目
今日はなんと推定女神からメッセージが届いた。どうやら推定女神…もう呼びづらいから女神でいいか。で、女神は俺が赤ん坊の頃から目覚めるのが予想外だったらしい。詳しくは話してくれなかったが不老が原因とのこと。ちなみに本来記憶を取り戻すのは5歳にある鑑定の儀というものを終わらせた日の夜らしい。他の転生者はこのパターンらしいので5歳分のアドバンテージを存分に生かそうと思う。後、どうやらMPを増やす条件が間違えてた…というか言葉の意味が違っていたらしい。年を重ねるとMPが増えるといっていたが、あれはレベルを上げればという意味らしい。紛らわしいにも程があると思う。ちなみになぜ年を重ねると言うのか、と聞いてみたのだがどうやら神にもレベルはあるらしく、天界(神やその部下の天使が暮らしているところ)はいるだけで経験値が入るが、天界には経験値が入る敵…所謂魔物がいないため、年=レベルみたいなところがあるらしい。少し気になったため女神のレベルを聞いてみたのだが、天界からゲート(テレポートするための門みたいなもの)を開かれ、手だけ出されてビンタされた。神の力の無駄遣いだと思う。にしてもテレポートか、試す価値はあるかもな。恐らくMPが足りないとは思うが、考察ぐらいはできるはずだ。今度やってみよう。
転生142日目
今日は俺の姉であるアリアスに会った。そう、アリアスは姉だった。ちなみに恐らく3歳ぐらい離れていると思う。顔立ちは中々に整っていた。将来は美人になりそうな子である。そういえば俺の顔はどんなものなのだろうか。絶世の美少女でありたいとまではいかないがせめて普通より上ではあって欲しいことだな。見た目が良いというのは良いことだ。相手の第一印象も多少はよくなるからな。ああそうそう、テレポートについても書かなくては。結論から言うと発動はできた。1mも移動できなかったが。これならなんとか検証や考察はできそうである。よかった。というか発動までにだいぶかかったな…。イメージを作るのにだいぶ時間がかかった。スキルとかあるのだから空間魔法とかになって自動化とかされないだろうか。
転生365日目
ようやく1歳になった。いくら寝ていた時間の方が起きている時間より長かったといえどだいぶかかったな。まあほとんど魔法の検証と考察で潰されたが。ちなみに今日はお誕生日会をした。めっちゃ祝われた。おわり。…ああそうそう、一応書いとかなきゃな。俺は今年から格上相手に有効な切り札の開発に着手することにした。なんせ少なくとも49人は俺より才能…というより短期間で見れば有用であろうスキルを持っているのだからな。長期的に見れば不老は最強だしステータス振りも1レベルごとにもらえるポイントが増える以上これもとんでもないスキルだ。しかし恐らく短期的に見れば【勇者】や【聖女】などのスキルには勝てないだろう。それに敵は転生者だけではない。この世界で長く生きている人やとんでもない才能を持った人も警戒しなければいけないからな。生き残るためにもさっさと格上に刺さる切り札を作らねば。構想はすでにできているので、色々検証しながらやっていきたいと思う。
転生730日目
2歳になった。今年の進展は…文字が少しだけ読めるようになったぐらいだろうか。魔法については完全に行き詰まっている。来年は何か進展があるといいが。切り札も全く完成しないしなぁ…。
転生1095日目
3歳になった。今年は大きく進展をした年である。なんとアイテムボックスのようなものの開発に成功し、空間魔法についてもある程度解き明かすことができた。他属性の魔法は今まで割と放置してしまっていたが、他属性の魔法についても研究することで魔法への理解がだいぶ深まるかもしれない。今年は他属性の魔法について大量に研究しよう。文字も読めるようになったことだし魔法についての本をねだってみるのもいいかもな。あと魔術式のことがある程度理解できたおかげで切り札の開発は少し進んだ。ほんの少しだけだが。まあ少しづつやっていこう
転生1460日目
4歳になった。この一年は父が伝説の大魔導士ということがよく分かった一年であった。3歳の誕生日が終わった次の日、急に父が魔法の修業をやるぞと言い出したのである。何を言っているのかと思ったのだが、どうやら俺は大分賢いと両親に思われていたようで、魔法の授業をする方針にしたそうである。これはありがたいと思った。ちょうど他属性の研究を始めようと思っていたからな。色々聞けるというものだ。と思っていたのだが、俺に魔法の適性が大量にあるということが判明した時から父が鬼になった。というか適性とかあったのか。まあそれはともかくそこからの日々は楽しくもあったがそれ以上に地獄であったということをここに記しておく。ただ、そのおかげか大分魔法についての理解度が深まり、使える魔法も大量に増えた。ありがたいことである。また、切り札についても大分進歩した。記憶が目覚めたばかりで何か起こるわけないとは思うが、一応5歳に間に合わせたいな。
転生1461日目
今日は何故か母が剣術の訓練をすると言い出した。どうやら魔法についてはもはや宮廷魔導士というこの王国でもトップクラスに強い魔術師たちに匹敵する力を持っているということで、接近戦の対策をするために剣術をすることになった。正直体を動かすのは苦手なのだが…致し方無いだろう。これも強くなり俺を殺せる人間を減らすためだ。いち早く世界最強になり俺を殺せる人間をいなくならなせなければ。で、切り札に関してだがギリギリ5歳までには間に合いそうな感じである。頑張ろう。
転生1774日目
なんとか切り札の開発を終えた。今後はこの魔法のバリエーションも増やしていきたいな。いや第二第三の切り札を作った方が良いか?切り札はいくらあっても困らないしな…。よし、先に二つ目の切り札を作るとするか。鑑定の儀はもうすぐだがな。
転生1824日目
遂に鑑定の儀、つまり転生者たちの記憶が目覚める日が明日になった。両親鑑定の儀についても聞いた。どうやら鑑定の儀とは生まれ持ったスキル…要は才能や魔法の適性…要は才能…というかつまり才能を図るための儀式らしい。俺、今とんでもないMP量持っているがこれを才能も思われるのだろうか。ちょっと嫌だな。隠蔽する手段とかないものか…。そうそう、転生前に女神が魔装がうんたらかんたら言っていたが、それについても一応書いておこう。魔装というのはいわば魔力で生み出される自分固有の武器のようなものらしい。これは強いものから弱いものまでピンキリらしい。うーん、剣は嫌だな…。魔法使いなんだし、やっぱり杖とかか?ああそうそう、剣で思い出したが1年前に書いた通りこの1年は母に剣術を教えてもらった。それにより剣の扱いが剣どころか棒すらもっていない素人からチャンバラごっこをする子供になるぐらいには進歩した。つまり簡潔に言えば俺には全く剣の才能がなかった。母も途中で諦めようかと思ったと言っていた。悲しい。
追記
重大な事実…というほどでもないが少し予想外なことが起こった。どうやら鑑定の儀というのは5
歳になった瞬間…つまり生まれた時からぴったり5年たった時に天啓みたいな感じでステータスが周りの人も含め見えるようになるらしい。この状態は1時間で終わるようだ。鑑定の儀というのだからもっとこう…教会で神父に魔法をかけてもらって才能を計るようなものだと思っていた。まあ手法はどうでもいいし、こっちの方が都合がいい。家族にしかステータスを開示しなくて済むしな。