ガスマスクを着けるキャラって悪役が多いイメージがある
[ガスマスクを着けるキャラって悪役が多いイメージがある]
「それで結局俺たちの集団記憶喪失はどうすれば元に戻るんだろう?」
マッスルは首を傾げる。
「プリンを食べれば治ると思います!」
「「お前ただプリン食べたいだけだろ!」」
「ダメだ、こいつは頼りにならない」
マッスルと菜乃介は呆れる。
「そうだ、記憶を失う前のこと何か覚えていないか?」
菜乃介はマッスルに問う。
「そうだな、何か煙のような物を吸ったような気がする」
「言われてみればそうかもしれない。だがよく覚えていたな」
「正確に言えば俺は覚えていない。たが、身体が、全身の筋肉がそう告げている!」
そう言うと胸筋をピクピクさせる。
「……ぷりん、君はどうだ?」
菜乃介はマッスルの言動にどう返事したらいいか分からず、ぷりんに話を振る。
「プリンを食べられた! マジ許さんぬ!」
「OK、お前に聞いた僕が悪かった、っていうか、2対1だなこの状況!」
すると、突然ドアを蹴り飛ばして誰かが部屋に乱入してくる。
「ぷりんちゃん! 大丈夫!!」
ガスマスクを着けた白衣の謎の人物がぷりんに抱きつく。
「えっと、誰?」
ぷりんは抱きつく人物に首を傾げる。
「わ、私のこと忘れちゃったんですか!!」
謎の人物はショックでぶっ倒れる。
「ごめんなさい。私、プリンをくれる人しか覚えていないの」
「……お前なかなか酷いな」
菜乃介はぷりんを非難の目で見る。
「そ、そんな! 毎日プリンを献上しているというのに私のことを覚えていないですとぉ!」
「献上するお前もお前だな! というか、そんなガスマスクを着けてりゃあ誰だか分かんないだろ?」
「確かに! ならば! 私の素顔を今だけ限定公開しますよ!」
「いや、恒常公開しろよ、不気味なんだよ」
そして謎の人物はガスマスクは外す。
そこにはキレイな顔の紫髪の美少女がそこにはあった。
「さあ! 私のこの顔、覚えがないですかな!」
「……ない」
「あべし!」
そう叫ぶと空中で回転したのちにぶっ倒れる。
「うるせぇ~」
「うぅ、やっぱり記憶喪失なんですな」
「俺たちもそうなんだ。解決法を考えないか?」
マッスルは倒れているところに手を差し出す。
「お前らはどうでもE」
謎の女はマッスルの手を振り払う。
「「ひでぇ」」
「私、男の顔には興味がないですな! もうあと10歳若くなって男の子か、男の娘になって出直しなさい!」
「業が深すぎる!」
「まあまあ、そんなこと言わずにこんな人たちでも、アリよりは役に立つでしょうから手伝わせましょう」
ぷりんは謎の女に手を差しのべる。
「お前、俺たちを何だと思ってんだ」
「おぉ! 流石プリンちゃん! 顔が良いだけあるぅ! 慈悲深い! 確かにミジンコより役に立ちますね」
「おい! しれっとランク下げてんじゃねえ!」
「さっきからうるさいモヤシ」
「も、モヤシ!?」
菜乃介は少し気にしていたことを言われ、ショックを受ける。
「それより記憶喪失の謎なんだが、俺の筋肉は謎のガスを吸ったと言っている」
マッスルは相変わらずの主張だ。
「なるほど、筋肉がそう言うなら間違いないわね」
「そうですな、筋肉は嘘つかないですからなぁ」
皆は頷いている。
「ねぇなんでお前らは筋肉の主張を当たり前に受け入れてるわけ?」
「うるさいモヤシ!」
「お前はモヤシとでも会話してろ!」
「もしかして3対1か! 3対1かこれ!」
「もし、その謎のガスを吸って俺たちが記憶喪失になったとするとどうすれば元に戻るんだろう?」
マッスルは冷静だ。
「ガスにどんな薬物を使ったか分からない以上治し方が分からないな」
菜乃介はお手上げだ。
「なら、犯人を捕まえて吐かせるしかないか」
拳を握り、指を鳴らす。
「皆で協力して犯人を捕まえましょう! 賠償としてついでにプリンを奢らせましょう!」
「ついでの方が本命だろ! お前の場合!」
「そうですな、皆で協力するですな!」
「そう言えばお前名前はなんなんだ?」
「まだ言ってなかったですかな? 私の名前は薬物ガス子ですぞ!」
「「おめぇじゃねえか!」」
この度は読んでくれてありがとうございます!
今日はまだまだ投稿するので続きを見てください!