チャラ男だからといって偏見の目で見てはいけないけどチャラ男はチャラ男
ド偏見で仕上げております
[チャラ男だからといって偏見の目で見てはいけないけどチャラ男はチャラ男]
「ねぇ、前からずっと気になってたんだよね無知子ちゃん」
金髪にイヤリング、そして軽いノリ、いかにもなチャラ男が無知子に迫る。
「え!? わ、私ですか?」
「そうそう、無知子ちゃん、マジ可愛い!」
「そんな、私なんて……」
「あれ? もしかして、無知子ちゃんの魅力に気付いてるの俺だけぇ? ラッキー! いや、マジ好きだから、俺と付き合わね?」
「え、えっと、その……」
「じゃあ期間限定でいいから、お試し期間でいいから、それだったら安心しょ?」
「そ、それなら……」
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「というわけで、ぷりんちゃん、私なんかにも彼氏が出来たの」
「ウィーすっ、無知子の彼氏(仮)の茶楽味槍彦でぇーす! プリンちゃん、よろしこ~!」
「ぬ、ぬぬぬぬ!! ぬわんだってぇぇぇえ!!」
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「ということがあったの」
「……それでなんで俺が、休日に、お前と一緒にこんなとこにいるんですかね」
ぷりんと菜乃助は二人、大型ショッピングセンターにいた。
そして、デートをしている無知子と茶楽味の二人を尾行している。
「えっと、無知子ちゃんに迫る輩がどんな奴か探ろうかなって、もし不貞輩なら成敗してくれる!!」
「おいおい! 人様の恋愛事情に安易に絡むんじゃない!」
「何を言うか! たわけ!」
「たわけ!?」
「絶対あの野郎は無知子ちゃんのフカフカむちむちボディを狙っているに違いない!」
プリンは遠くで無知子とデートをしている茶楽味を指差す。
「まてまて、見た目で人を判断するんじゃない。本当に無知子さんのことを大切にする人かもしれないじゃないか」
「奴の名を知っているか、貴様!!」
「……いや?」
「茶楽味槍彦だぞ! 絶対やってるだろ!!」
「名前で判断するなし!」
「この小説の世界観なら絶対そうだ!!」
「うぐっ、完全に否定できない自分がいる」
こうして、ぷりんと菜乃助の二人は茶楽味がおかしな行動に出ないか尾行することになった。
茶楽味と無知子は真っ先に女性向け服屋に入っていく。
「服で無知子ちゃんを釣ろうって腹か、あの野郎!」
「いや、デートととしては普通だろ!!」
「服を選んで、自分好みに染め上げるつもりだ! 無知子ちゃんはあの地味で芋い感じがいいのに!」
「それ絶対本人に言うなよ」
「よし、我々も突入するぞ!」
ぷりんは服屋に突入していく。
「俺らも入るのかよ! つったく、仕方ないな」
菜乃介もぷりんの後を追って服屋に入る。
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「これとか、無知子ちゃんに絶対似合うと思うんだよねー」
茶楽味は白いワンピースを無知子に勧める。
「こ、こんな、可愛いの似合わないよぉ」
「何言ってんの~、無知子ちゃん可愛いからいけるって、可愛い×可愛いは最強っしょ?」
「そ、そうかな?」
「試してみ?」
「う、うん」
無知子は更衣室に入る。
「……意外と普通ね」
ぷりんたちは掛けてある服と服の隙間から二人の様子を観察している。
「だから言っただろ? 見た目で判断してはダメだって」
「うーん、面白くない」
「今なんつった⁉」
「私の予想では二人で更衣室に入って茶楽味がいかがわしいことをすると思っていたのに……」
「お前は変なものの読み過ぎだ!」
「いやぁ、チャラ男だったら強引にそれくらいするかと」
「偏見が強すぎる!!」
「あの~お客様、さっきから一体何をやっておられるのでしょうか?」
「「⁉」」
ぷりんと菜乃介が二人の様子を伺っていたが、傍から見れば怪しいのはこちらである。
「えーっと服を選んでたんだよな、ぷりん!」
「そ、そうなんですわ~オホホ」
「あ、そ、そうでしたか~、ではごゆっくり~」
店員は去って行ったが、俺たちは目立ってしまい周囲の客の目に晒される。
「まずい! 無知子ちゃんにバレる前に私は隠れる!!」
そう言うと、ぷりんは更衣室に飛び込む。
「おい! 俺はその戦法取れないんだが!!」
ここは女性向けの服屋である。
そんな所の更衣室に菜乃介が潜んでいると、何かとまずい。
「だったら、服を選ぶ彼氏のふりをしたら?」
「し、仕方ないか……」
すると、ぷりんが入った更衣室のカーテンが開く。
「これなんてどう?」
いつ取ったのかは分からないが、ぷりんは別の服に着替えていた。
しかし、その服装はとてもじゃないが、隣で歩いてほしくないほど、目立つかつ痛々しい物だった。
「なんだ、その服⁉」
「これプリンの絵やアクセサリーが全身に付いてて可愛くない?」
着ぐるみ並みの物凄い生地量を誇り、その全身にプリンの絵やアクセサリーが施されており、正直言ってかなり痛い。
まるでリアル、ポムポムプ〇ンだ。
「最早それはプリンのコスプレだ!!」
「えー、可愛くない?」
「全く、お前の服の趣味はどうなっているんだ……」
「そういえば、私自分で服選んだことないかも?」
「今着ている服はどうしたんだ?」
ぷりんは普段からオシャレに着飾っており、それにはとてつもないこだわりを感じる。
「あー、ガス子の貢ぎ物」
「ガス子、そんなことまで……って言うか、お前仮にも元モデルだろ!」
「あーもう、めんどい、変装になるし、このまま着ていくか」
ぷりんはその服装のまま更衣室を出ようとする。
「待て待て、その恰好は余計に目立つ! そうだな……」
菜乃介は近くにあった服から、素早く選び、一着のワンピースを持ってくる。
「これなんかどうだ? 色はプリンを思わせる、薄いオレンジ色だ」
「……じゃあ、それで」
ぷりんはワンピースを受け取ると、更衣室に入る。
「ふぅ、何とかなった」
安堵していると、服を選び終わった、無知子と茶楽味は買い物を済ませ、店を後にしようとする。
「まずい!」
「着替え終わったぞ~」
ぷりんはワンピースに着替え終え、カーテンを開ける。
「どう?」
「そんなことよりも、茶楽味が店を出たぞ、追おう!!」
菜乃介はぷりんの手を引く。
「ちょいちょい、チミはこの服の感想はないのかね?」
「ん? ああ、似合ってる似合ってる」
菜乃介は焦っており、ぞんざいに扱う。
「……」
ぷりんは菜乃介の背中をバンっと叩く。
「痛っ⁉」
「じゃあ、私は後を追うわ、このワンピの会計よろ~」
そう言うと、ぷりんは店から出て行く。
「あ、おい! つったく、わざわざそんなことしなくても買ってやるってのに……」
ブツブツと言いながら、会計を済ませる菜乃介であった。
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