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脳内に直接響く系だ!!

 声が聞こえてきたような気がした私は、あたりをきょろきょろしてから首を傾げていた。

 

「おかしいなぁ? 声が聞こえた気が……!! まっ、まさか……おばばばば……。うん。違うから。絶対にゆ、なんたらじゃない……」


 ゆのつくあれのことを想像した私は、寒くないのに背中が冷えていくような気がして腕の中のジオラルドにもっとぎゅっとくっついていた。

 もふもふは癒されるなぁ。

 そんなことを考えていると……。

 

『やめろぉ~……』


 ひっーーー!

 また聞こえてきたよ。しかも、脳内に直接響く系だ!!

 うわーーー、アウト、アウトだコレ!!

 やばい。体の震えが止まらない。

 

「ジオラルドぉ……」


 怖いものは怖いと、私は腕の中のジオラルドに泣きついていた。

 うん。恥ずかしいとかそんなのどうでもいい。

 だけど……。

 

『どうした?』


 ひっーーーーーー!!

 脳内直接系の声が私を心配してる!!

 怖い怖い怖いよ!!

 ガタガタ震える私は、さらにジオラルドをぎゅっとしてしまう。

 

『くっ……苦しい……』


 ひいーーーーーーーーーっ!!!

 怨念? 怨念なの?

 苦しいって……、私のろ……、呪われるの?

 

「ジオラルドぉ、怖いよぉ……。わた……私ぃ……」


 まじ泣きです。

 でも、そんなの構ってられない。だけど、脳内直接系の声が……。

 

「チヤ? 大丈夫か?」


 きゃーーーーーーー!!

 ななななな名前ぇ!!

 知られてる、名前をあれに知られてる!!

 怖い怖い怖いぃ。怖すぎるよぉ…………お?

 

 パニくっている私だけど……、気づいてしまったことがある。

 腕の中のジオラルドが、心配そうに私を見ている姿が可愛くてどうしようもないってことに。

 うん。私、この可愛い生き物を守るためなら頑張れる!!

 

「私! ジオラルドが居れば頑張れる! だから、ずっとそばにいてぇ~」


 頑張れるといったそばから恥ずかしいかもだけど、単独行動は無理!

 ジオラルド、一生傍に居て!!

 

『よくわからないけど、分かった。僕は、チヤの側にずっといるよ。だから、安心してね?』


 うきゃーーーーーー!!

 脳内直接系の声がぁぁ!!

 わたしのそばに……ん? んんん????

 なんか、会話がちょっと成立してる?

 もしかして……これって?

 

 そんなまさかと思いながら、腕の中のジオラルドに向かって。

 

「ジオラルド? さっきのお肉、美味しかったね?」


 そう聞いてみる。

 すると。

 

『ああ。美味しかったな。また、頑張って獲ってくる』


「あ……ありがとう」


 くっ!!

 恥ずかしい! 脳内直接系の声はジオラルドだったのね!!

 でも、会話できるの嬉しいから……って言っても、本当に人の言葉を覚えるって、ジオラルドって、すごい子だよ!!



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