三話
汚れた服のままいつも通り家に帰ると珍しく母親が家にいた。珍しいこともあるもんだなとリビングに行くと久々にあった母親は、「あんたどうしたのその服、喧嘩?」
汚れた服を見て不思議に思ったのか首を傾げながら聞いてくる。
そこで俺は、滅多に家に居ないとはいえ親は親なので顔を見ると抑えられない気持ちが溢れてこれまであったことを話してしまった。
俺の話を聞いた母さんは、真剣な顔して相談に乗ってくれると思っていたがそれは大きな間違いだった。
普段から高校生の息子をほっぽり出して家をかえりみない母さんが真剣に話を聞いてくれると思ってしまった俺が間違っていたんだ。
母さんは俺の学校での話を聞くと適当な感じでその話はあとね!と言って夜な夜なオシャレをして出かけていった。
やっぱりダメかとも思ったがが帰ってきたら話を聞いてくれるかなと期待もしたがそれも大きな間違いだった。
夜な夜なオシャレをして出かけて行った時点でおかしかったのだが、絶対部屋から出るなとメッセージで飛んできて、玄関の方に耳をすますと知らない男の声が聞こえてくる。
あぁ、やはり少しでも信じた俺が馬鹿だった。
昔からのことなのに少し期待して1時まで待っていた俺が馬鹿なんだ。
母さんは俺の知らない男と一緒に家に帰ってきてそのまま奥の部屋に行きそのまま夜の営みを初めてしまった。
昔からのことだ。息子が家にいるのも気にすることなく欲望のまま動くような人だ、人の話などまともに聞くことなんてあるわけなかったのに期待してしまったのだこの苦痛から救ってくれるかもしれないと本当に馬鹿だ。
そして、後悔していると 寝室からいろいろ音がし始めたのでその声や音を聞くのが嫌で嫌で仕方なかったので、周りのノイズを消すイヤホンをして現実から目を背け音楽を聴き励ますような歌を聴きながら今日のことを思い出した静かに涙を流した。
次の日音楽を聞いたまま寝てしまった俺はゆっくりと起き上がり玄関を見ると母さんの靴は無くなっていた。
イライラして壁を殴ってしまう。
だが物にあたっても何の解決したりはしないのですぐに学校に行く準備をして学校へ向かった。
そして、 今日も今日とて放課後になるとボコボコに殴られる。
慣れた、と言えば嘘になるが昨日のこともありもう涙すら出なかった。
そのままいつも通り腹を押さえながら家に帰った。
すると2日連続今日も家には明かりが付いていた。
今日も母さんかと思いどんよりした気持ちで家に入るが今日は父さんだった。
この人に話しても無駄だと思ったが昨日と同じように学校でされていることを訴えた。
だが、父さんは仕事が1番の人間なので、俺の話を聞いたか聞いてないか分からないがそのまま無言で自分の部屋に入って少し仮眠したのか2時間ほどすると、またスーツに着替え始めて出かける間際に「男なんだから少しはやり返したいとは思わないのか?そんな体たらくでどうする?お前に構っている時間の方が惜しいんだ。お前まで俺にストレスをかけないでくれ、お前の存在自体悩みの種なんだから」と言われ全然取り合って貰えないどころか存在まで否定されてしまった。
そして、呆然としてる俺をよそに家を出かけて行った。
ここ2日のことを思い出した両親に問いたいことがあった。
なぜ俺を産んだ?
俺は産んで欲しいなんて頼んでないし自分達の幸せのために産んだのに、俺が産まれてから数年で興味をなくし母は毎日のように違う男と会い、父は仕事しか頭の中になく仕事をこなす日々。
俺の存在価値は本当にないのかもしれないと思ってしまった。生きてる意味があるのか?なんて考えてしまう。
親は俺に一切興味がなくどちらも真剣に聞いていない
学校の先生は厳しい割にイジメは見て見ぬふり
友達もいない
絶望
自分の人生に絶望してしまった
この先、生きていて何かいい事はあるのだろうか、、、
とりあえず生きていれば幸せと言う無責任なやつはいるがそんな事を言うやつは自分が幸せな奴が多い。
手作りのご飯があり家に帰れば家族団欒があるような奴が言う言葉だ。
俺は、学校から帰り自分の部屋に行ってなんで俺なんだ、死にたい、生きていたってつまらないことばかりじゃないか、イジメている人間と自分を憎み嘆き枕を濡らす日々、これになんの意味があるんだ。
だが死のう、と思ってもそう簡単に自分の人生に終止符を打つことなんてできない。
学校の帰り道に線路に身を投げ出し死のうと思っても途中で怖くなり結局死ねないそんな日々が続いた。
ご拝読ありがとうございます