表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第0f話:育ての親と殻のない玉子  作者: 吉野貴博
3/3

こういうことを考える人には友達ができないねという蛇足


 男は自嘲して話を終えたが、私は別のことを考える。

「桃太郎の話はご存じですよね?」

「あ?あぁ」なに言い始めるんだこいつは?という目を向けてくる。

「桃太郎が生まれた桃って、中国の神話に出てくる、天界にある桃園の桃が落ちてきたんじゃないかっていう人がいるんですよ。孫悟空が門番を任されたのに食べ散らかしてしまった桃園の桃です」

「あぁ?」孫悟空が桃園の門番を任されたことは知らないかもしれない。

「なので桃太郎の桃は、桃太郎が生まれた桃一つだけでなく、この世界が始まって何回か落ちてきた桃のうちの一つじゃないかってその人は言うんですけどね」

「あぁ」

「かぐや姫も実は何回かあったことの一つなのかも知れませんね」

「え?あぁ…あ?」

 言われたことに思考が追いつかないようだ。

「かぐや姫は月で罪を犯して地球に追放されてきたんですけど、竹の中に収まったから竹細工を仕事にするおじいさんに見つけられて、美しく聡明に育って竹取物語の話になりましたが、地べたに落ちて危ないところを鳥たちが守ったのかもしれません」

「あ?あー、あ?…いやいや、俺の言い方が悪かったんだろうけど、あの鳥たちの恐ろしさは、とても美しいかぐや姫を守るような感じじゃなかったぞ?」

「ええ、解りますよ。とても恐ろしい鳥の声を聞かされて育つ何かが、順調に育つとどんなモノになるか、考えるだに恐ろしいでしょうね。形を成して物心がついたとき、どんな生き物になるか。私たちには想像もつかないでしょうね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ