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後悔

翌朝クリスティーナが目を覚ますと、王太子と向かい合うような形で抱き締められ、足も絡んでいた。

片方の手がお尻の際どいところに添えられていて、何とか抜け出そうともぞもぞ動いていると、虹色の瞳と目があった。

どうやら王太子も起きたようだ。これで解放されると安心したのもつかの間、ナチュラルに濃厚なおはようのキスをされてしまった。

この時クリスティーナは確かに嫌な予感がした……だが、その後すぐにレオンが起きたこともあって、そのまま流してしまったことを今後後悔することとなるのであった。


新しい乳母はさっぱりした性格で明るく可愛らしい人だった。レオンもよくなつき、安心して預ける事が出来るようになった。

とは言え、乳母による毒事件が尾を引いて、クリスティーナは出来る限りレオンと共に過ごすようにしていた。

必然的に、乳母とレオンの乳兄弟であるジャックとも長い時間を一緒に過ごしていたが、全く苦痛を感じることは無かった。

むしろ記憶喪失になったクリスティーナの為に、あらゆる事を教えてくれて、教師のような姉のような、かけがえの無い存在となっていた。

忘れた頃に布の多い安心な普段着用のドレスやお茶会用のドレスも数点出来上がったが、王太子のお下がりを着て過ごすことがすっかり定着してしまい、袖を通すのは来客時のみとなってしまった。


毎晩王太子は宣言通りクリスティーナの寝室に通って来るので、ある時からベッドの広い夫婦の寝室で寝る事になった。

おやすみとおはようのキスは日課となってしまい、どんどん長く激しくなるキスに、クリスティーナは貞操の危機を感じていた。

まだ子供を産んで4ヶ月、生理も再開していない状況でさすがに早いんじゃないかと思っていたが、乳母の話では子供を産んで1月後には夫婦生活を始めてもいいらしい……

是非ともその情報は王太子には秘密にしていて欲しいものだ。


そのまま穏やかに日々は過ぎ、レオンのお披露目まであと1週間とせまっていた。

ドレスも胸元が隠れるシンプルで清楚なデザインの物が完成し、クリスティーナは胸を撫で下ろした。

以前のドレスも勿体無いのでどうにか出来ないか相談したところ、レースの生地を付け足したり、カシュクールの布を付けたり、大きなリボンをつけてみたりと色々工夫してくれて、何とか恥ずかしくなく着られる物に変身していった。

当日のドレスに髪型にアクセサリーにと前日侍女達に着せ替え人形にされ疲弊していたクリスティーナは、レオンと乳母達と一緒にのんびりと庭を散策することにした。


仕事に疲れた王太子がふと窓の外に目をやると、子供達を乳母車に乗せて、楽しそうに散歩するクリスティーナと乳母の姿が見えた。

少し離れて護衛も数人付いていた。正面から歩いて来た騎士達が道を空け、頭を下げている。

何でもない穏やかな日常の風景に思えた……だが、クリスティーナ達が騎士達の横を通り過ぎようとした瞬間、一斉に襲いかかって来たのだ!

その瞬間、王太子は我が目を疑う光景を目にした。なんとクリスティーナが最初に飛び出してきた男の胸元に入り、投げ飛ばしたのだ。

そしてあろうことか男が落とした剣を拾い、別の男に切りかかった。見たことの無い型だったからか、男は上手くかわせずに喉を突き刺された。

まさか反撃されると思っていなかった男達は一瞬怯み、その隙に護衛騎士達が他の男達を拘束した。

その時、最初に投げられて意識が無いと思っていた男が再び乳母車に襲いかかった。

側にいたクリスティーナがすぐに足をかけ、倒れた男の首を絞め上げた。これも見たことの無い絞め技だったが、男はどんなにもがいても抜け出すことが出来ないようだった。

華奢な女性に押さえ込まれて、大の男が逃げられないものなのだろうか?

急いでクリスティーナ達のもとへ駆けつけた時には、男の意識はすでに無かった。

乳母車を庇うように覆い被さっていた乳母は、背中を切られたようでドレスが赤く染まっていた。幸いな事に、コルセットであまり深くは切れなかったようで、駆けつけた医師達の手によって、すぐに傷は塞がった。

ただ、血を多く流してしまったので、しばらくの間は安静が必要だろう……

周りの喧騒に驚いたのか子供達は大泣きしていたが、乳母のおかげで怪我は無かったようだ。クリスティーナはレオンとジャックを抱き抱え、乳母に何度もお礼を言っていた。


少し離れていたため、対応が遅くなり申し訳ありませんと護衛騎士達が何度も謝っていたが、クリスティーナは結果的に子供達は無傷なのだから問題無いと言って罰することをよしとしなかった。

謹慎なりなんなりする暇があったら、しっかりレオンの側で危険を排除しろと言うことらしい。確かに一理ある。

王太子は先程の技が気になったので、クリスティーナに聞いてみると前世で習っていたジュウドーとケンドーと言う武術らしいことがわかった。

実家がその武術を教えるドウジョーと言う所だったらしく、幼い頃から必然的にジュウドーとケンドーとカラテを習っていたらしい。

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