表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/15

解放

警戒したのもつかの間、侯爵令嬢は給仕からドリンクを受け取り、クリスティーナにすすめてきた。給仕から受け取ってそのまま渡そうとしているし大丈夫だろうか……でも殿下以外からは飲み物を受けとるなと言われているし……と思案していると、王太子が病み上がりで酒は飲めないのでと断ってくれた。

ほっと胸を撫で下ろしていると、王太子が視線を外した瞬間ドレスにドリンクをぶちまけられた。


「も、申し訳ありません!ついよろけてしまって……ああ、どうしましょう、すぐに洗わないとドレスが染みになってしまいますよね。

私がお部屋まで付き添いますので、殿下はどうぞ挨拶をお続けください。」


等ともっともらしい言い訳をして、いきなりクリスティーナの腕を凄い力でつかんで連れ去ろうとしてきた。

だが、王太子が許すはずもなく、すぐに腕は離されてクリスティーナは王太子の胸の中に抱き締められた。


「こんなに強く掴むとは……妻の腕に痣が残ったじゃないか!ドレスに飲み物を溢すだけなら見逃せたが、怪我を負わせた事を見逃すことは出来ない。一晩ゆっくり反省してもらおう。連れていけ。念のため毒などを仕込んでいないか確認しろ。」


そう騎士に命令すると、王太子はクリスティーナを連れて陛下の元へ行き、治療と着替えが必要だが、クリスティーナの体調もあまりよろしくないのでこれで退席すると告げて大広間を出た。

先程侯爵令嬢に掴まれた腕は、凄い力で掴まれていたようで赤い手形が残り、爪の形に血が滲んでいたため、大広間にいた人々は誰も異議は唱えなかった。

大広間を出てから、念のためと傷口を王太子に舐められ幸い爪に毒は塗られていなかった様だと聞いてホッとした。

大広間の側には臨時の治療室が設置されていたので、すぐに治療してもらうことができ、手形も爪の痕も綺麗に消えてヒリヒリした痛みも無くなり驚いた。魔法の存在に随分慣れたとは言え、怪我を治療してもらうのは初めてだったのだ。

そして、魔法は使えないようになってると言っていたのに、治癒魔法だけは使えるんだな~等とどうでもいいことを考えていた。


それからまだ早い時間に夫婦の寝室へ戻ると、侍女達がちょうどお風呂の準備をしていたようで、まだ少し熱いお湯が浴槽に張られていた。

きっと本来の時間に戻ればちょうどいい湯加減になっていたんだろうな……そこまで計算して準備しているなんて、侍女さん凄いな~なんてクリスティーナが思っている間に、後は自分達でするからと王太子が侍女達を帰してしまった。

そうは言われても、このドレスもコルセットも自分じゃ脱げないんですけど……とクリスティーナが途方にくれていると、上着を脱いだ王太子が背後に立ち、クルミボタンを外してくれた。

恥ずかしかったが、いつまでも汚れたドレスを着ていたくなかったので大人しく身を任せた。

ドレスを脱いでコルセットとパニエになった所でクリスティーナは喉がカラカラだったことを思い出した。


「あの、喉が渇いたので先に何か飲みたいのですが……」


「ああ、そうだな……酒も用意してあるが、先程みたいに水を飲むか?」


そう聞かれて、控え室で王太子の指をちゅうちゅう吸ったことを思いだし、クリスティーナは恥ずかしくて全身が真っ赤になってしまった。


「い、いえ、お酒がいいです!お酒を飲みましょう!乾杯しましょう!」


そう言ってテーブルに移動し、いつものように王太子が毒味してグラスを渡してくれた。

恥ずかしさでつい一気に飲んでしまったが、純度の高いお酒だったようで、クリスティーナは体の中から一気に熱くなるのを感じた。

頭もフラフラして、王太子にされるがままにベッドへ運ばれた。うつ伏せになりコルセットの背中の紐を緩めてもらった所で呼吸が楽になり、意識が途絶えた。

寝ている間に1度ふわふわお湯の中にいるような気がしたが、またすぐに夢の中へ戻って行った。

クリスティーナが目覚めると、喉がカラカラで二日酔いなのか身体中がダルかった。生理は終わったはずなのに、下腹部にしくしくした痛みも感じた。

慌てて起き上がろうとしたが体が言うことを聞かず、起き上がることが出来なかった。

ちょうど王太子も目覚めたようで、クリスティーナは起こしてと言おうと口を開くがかすれて声にならず、王太子がクスリと笑って指をクリスティーナの口の中に入れた。

次の瞬間乾いた喉に水が流れ込み、クリスティーナは夢中でちゅうちゅう吸った。

はぁ……ヤバいなと王太子が呟いて、抱き締められてぎょっとした!何とクリスティーナも王太子も裸だったのだ。


「はぁ……ティナ……今日は休みだし、もう一度愛し合おう。」


王太子は悩ましげにそう言って覆い被さってきた。


「ちょ……ちょっと待ってください!もう一度って何ですか?え?え?どうしてお互い裸なの?」


「ティナ……もしかして何も覚えていないのか?あんなに何度も愛し合ったのに……じゃぁ次は忘れないようにいっぱい愛し合おうな。」


(どええええええー!何も覚えてないんだけど、これはあれか?あれなのか……?やっちまったと言うことなのかー?

どうしてそうなったー!お酒飲んでからの記憶がない!ぎゃー!)


混乱するティナをよそに、やっと解放されたむっつりはとどまるところを知らず、クリスティーナが動けないのをいいことにその後何度も何度も愛を注ぐのだった……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
キモい…普通にキモい…飛ばしながら見てたけどマジでもー無理。マジでキモい。こんな頭悪くて魅力0なヒーロー初めて見た。短いし最後迄は読もうと思ってたけど、無理。こんなつまんないって言うか気持ち悪い作品初…
[良い点] 解放って!そういうことですか!(爆笑) お幸せにー!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ