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王太子執務室

「なぁ、結局妃殿下に毒を盛ったのはセリナだったんだろう?」


「ああ、そうだ……セリナは王太子妃暗殺容疑で極刑でもよかったんだがな、隣国のじじいが若い妾を欲しがってたんで友好の証にさっき送り出した所だ。」


「隣国のじじいって……国王の事だろう?若い妾って何十人いるんだよ。しかも色々ヤバい性癖持ちって噂だよな……

お前も冷たい奴だよな~。あんなにセリナに夢中だったくせに、そんなに妃殿下の実家の公爵家が怖いのか?」


「いや……まぁそれもあるが、今となっては何であんなにセリナに夢中だったのか思い出せない。男爵令嬢のくせに本気で王妃になりたかったのか、ここに来てから愚痴ばかりでどんどん醜くなって……最近じゃ会うのも億劫になってたんだ。」


「まったく……俺達の女神をかっさらっていったくせによく言うぜ。あんなに純粋で可憐だったのに毒を盛るくらいだからな……実際は強かな女だったのかもな。

それで、毒の入手先はわかったのか?」


「ああ……アンドレの奴だった。あいつとは体の関係もあったらしい。子供が出来たら俺の子として育てる気だったらしいぞ。

もう3ヶ月はセリナの部屋に行ってないと言うのにな。

しかもアンドレと俺では髪の色も目の色も違うと言うのに、騙せると思っていたとはなめられたもんだよ。」


「まさかアンドレが?ああ、だから後任で俺が呼ばれたんだな。それで、アンドレはどうなったんだ?

子供と言えば、妃殿下が子供を産んだ後でよかったな。あっちは間違いなくお前の子だもんな。くくっあんなにお前そっくりな子供が生まれるとはな。

妃殿下もすっかり子供に夢中で以前より少しは丸くなったんじゃないか?」


「アンドレは今朝同じ毒を飲ませた。もっと恨み言でも言うかと思ったが……

すでに伯爵となっていたから実家の侯爵家は関係無いとして不問となった。もしクリスティーナが死んだら公爵がどうするかはわからない。


クリスティーナもまさか初夜の1度だけで孕むとは驚いたが、今となっては立派な世継ぎを生んでくれてよかったと思うよ。だからと言って、もし目覚めたとしてもこれまで通りの関係でしか無いけどな。

女と言う生き物がこんなにめんどくさい生き物だとは知らなかった。」


「そうか……アンドレのやつ、覚悟の上だったのかもな。あいつが1番セリナに夢中だったからな……

めんどくさいかもしれんが、今後妃殿下が目覚めなかったらまわりがうるさくなるぞ。さすがに世継ぎの王子1人だけじゃ心許ないからな。」



「殿下!妃殿下がお目覚めになりました……ただ……ちょっと混乱されているようで記憶が曖昧なようです。」


2人は言われた意味をしばし理解できずに、顔を見合わせた。

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