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月、灯る。  作者: calm
1/3

プロローグ

「疲れた…」

僕はそう呟く。

授業ももうなくて後は帰るだけのはずだった。

しかし、帰れなかった。

なぜなら、

「せっき。なに惚けている。さっさと終わらせてくれないか」

と、上から声がする。

僕は、その声の主の方向を見て言った。

「流鏑馬先生。なんで僕がこんなことやってんですか?」

と、原因に原因を聞く。

すると、僕に流鏑馬先生と言われた女性は、分からないのか?というような顔で、

「私がやるのがめんどくさいからに決まってるじゃないか」

と、当たり前の様に言う。

「はぁ…なんでこんな人が先生になれるんだろ…」

と、呟くと、

「それは世界が平和だから──なんちて。てか失礼だな!」

と、つまらないノリツッコミをしていた。

「あれ?まだいたのせっき」

ふと、廊下の方から声がする。

僕がそちらの方を向くと、少し茶色がかった、ショートカットの女子がいた。

「疾風こそ、なんでいるの?疾風、部活無所属だよね?」

疾風と言われた女子は、疲れた仕草をしながら、

「委員会の仕事が長引いてさ。今帰るとこ」

と言っていた。

「へー。じゃあね」

と、素っ気なく返す。

「なんだよー。せっかく手伝ってやろうと思ったのにさ」

と、廊下からドアを通って教室に入る。

「いいよ、疾風がやると余計遅くなるから」

と、僕は断るが、

「遠慮しなくていいって!ほら、何やってんの?」

と、疾風は僕の目の前にある、書類を覗き込むと、

「ん?何これ。茜っち!日本語じゃないよ!」

と、流鏑馬先生に怒り始めた。

茜っちというのは、疾風が勝手につけた名前で、先生の名前が流鏑馬茜という名前だかららしい。

「いや、日本語だから。お前が勉強してないだけだろ」

と、流鏑馬先生に言われ、隣で唸っている。

「月灯ちゃん!何やってんの?」

再び、廊下から声がする。

そこには、かなり、背の小さい、女の子と言われてもおかしくないような女子がいた。

「おおっ、こはる!迎えに来てくれたの?」

と、疾風は言うが、

「迎えに来てくれたの、じゃないよー!待ってたんだよ〜!」

と、こはると呼ばれた女子は少し憤慨した様子で言ったが、全く気迫はない。

「ごめんごめん。テヘッ?」

と、疾風は全く反省してる雰囲気はない。

「もういいよ〜…月灯ちゃんったら。もー」

と、その女子はまだ頬を膨らませている。

「ほらほら怒んなって、後でクレープ奢ってやるから!」

と、疾風は言うが、

「ううっ…今、ダイエット中なの…」

「えっ…マジか…こはる、今でも可愛いぞ?だから食ってもだいじょぶだろ」

と、疾風が言うと、

「そっ、そうかなぁ?」

と、揺れていた。なんて弱い決意だろう。

「じゃあ…食べよっかな!」

「よし!決まり!あ、せっき、つうわけだから頑張れ!」

と言って、行ってしまった。

「疾風、嵐のように過ぎ去ってったし…。普通、有り得ないよ」

そう、普通有り得ない。


僕が疾風月灯の事を好きだなんて。

……To be continued

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