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二日目、トランプ前半

朝から暑い太陽がギラギラと輝く、こんな暑い時に学校とか、嫌気が差してたまらない。雨が降ってるよりかは、晴れている方がよっぽどましだけど、やはり暑いのは嫌いだ


「あっぢー」

「ホントに暑いね~」


前の席にいるシュウが振り向きながらそう答える


「なんで、朝からクーラーついてないんだよ」

「俺達が早く来すぎだからじゃない?」


今は7時13分程だが、朝のHRが始まるのは8時40分からだ。しかも学校は開いたばっかりで人も少ない


「にしてもさ~、クーラーぐらいつけてくれたっていいだろ?」

「俺にそんな文句を言うなよ、どうしようもできないんだから」


そんなやり取りをしながら、二人で教室の窓を開けていく


「あ~、風が涼しい~」

「これで風が無かったら、ホントに地獄だったね」

「考えたくもねぇな。」


なんの地獄絵図だろうか、それは。ふと開けた窓から中庭を見ると野良猫がいた


「お!猫がいるぞ」

「あ!ホントだ、うちの学校なにかしら動物多いよねぇ、全部野良だけど。」


そのまま、外階段の方に向かっていく野良猫


「誰かが餌付けしてるんじゃないか?でもって、そのまま住み着いてしまったんじゃね?」

「そうかもね~、可愛いから良いけど、そろそろ苦情が来るんじゃない?」

「さぁな、俺は動物好きだからなんの文句はないぞ?」

「キドの文句じゃなくて、近隣住民とかからだよ。」

「でも大型犬は苦手だなぁ」

「全然、話聞いてないし。ん?なんで、キドは大型犬苦手なの?」

「あぁ、小学生の時の頃覚えてる?」

「あ!思い出した!確か犬に追いかけられたんだっけ?」

「うん。それ以来、ちょっと犬は怖い。」


あの時は小さかったから、犬が結構大きくみえたんだよなぁ


「にしても、眠い、寝るわ。」

「じゃあ、時間になったら起こすよ?」

「うん、頼む」

「おやすみ~」


いつもシュウに付き合って、朝早くに登校してるけどやっぱり眠いな


シュッ、シュッ、シュッ


なんだ?この音は?


シュッ、シュッ、シュッ


「あっ!」


バラバラバラ


「シュウうるさい、寝れないだろ!」


顔を上げると、トランプを撒き散らして、拾うシュウの姿があった


「・・・何してるんだ?」

「手を滑らせちゃった、テヘッ」

「キモい」

「ヒドイ!」


こいつ、頭は良いのになんで、こうもアホなのだろうか?


「てか、学校にトランプ持ってきたらダメだろ!」

「今日の暇潰しの道具だよ」

「お前も人の話聞いてないだろ!」

「まぁまぁ、お互い様でしょ」

「それもそうだな」

「納得しないでよ!」

「え?」

「え?じゃないよ!キドと同じにしないでよ!」

「で、何するの?」

「あぁ、そうだった。今日はね、大富豪やろうかなぁって」


あれ?こいつ知っててやるのか?


「なぁシュウ」

「なんだいキド、そんなにやりたいの?」

「いや、そうじゃないんだ」

「じゃあ、なに?」

「二人でやるのか?」

「え?当たり前じゃん」


あ、ダメだ。こいつ


「じゃあ、俺が配るから貸して」

「お!やる気を出したか!今回は俺がかってやるからな!」

「じゃあ10回勝負な、多く勝った方が勝ちな」


そう言いながら、シャッフルして手際よく分けていく


「ルールはどうする?」

「二人だけだから8ギリ、12ギリ、10捨てだけでいいかな?」

「オーケー」


カードを全部配って、シュウの様子窺う


「お!俺が先攻だ」


気付いてないな、こいつ


「じゃあ、始めるか」


45分後


「なぁキド」

「なんだいシュウ」

「なんでお前に勝てないんだ?」


結果、10戦7勝2敗1引き分け


「2回勝ってるじゃん」

「7回負けたけどな」

「でも、引き分けたのは、お互い集中して気付かないうちに禁止上がりしてしまったからなぁ」

「集中すると周りが見えなくなるのはお互い昔からだね」


そんな話をして笑う


「でもやっぱりキドは強いなぁ、どうしてそんなに強いんだ?」

「シュウ、気付いてた?」

「何を?」

「大富豪ってさ、全部分けたらにしたら相手の手札バレバレなんだよね」

「なに!?」

「だから、お前がなに持ってるとかすぐわかるし」

「お前、イカサマしてたのか」

「気付かないお前が悪い」

「くそぉ!」

「でもまぁ、それでも2勝してるから、シュウもなかなか強いと思うぞ?」

「次こそリベンジしてやる!」

「それは良いけど」


キーンコーンカーンコーン


「時間がないから、昼食でな」

「もうそんな時間か」


ふと時計を見ると8時半になっていた。かなり集中していたらしい、周りを見るとクラスメイト達が雑談している


「次は何するか考えておくよ」

「大富豪だけはやめろよ?」


お互いに笑いながら、シュウは前を向いた。さて、シュウのせいで寝れなかったから寝よう。そう思ってうつ伏せになった。

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