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レガシー・リベレーターズ  作者: 山椒魚
第一章 〜 邂逅、そして 〜
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第1話 夢

 遅くなり申し訳ありません!本当はもっと書く予定でしたがキリのいいところで投稿することにしました^^;


 次の話は途中まで書いてるので今回よりは短いスパンで投稿できるよう頑張ります。


――西暦2034年


 この年の数年前から、世界の各所で原因不明の殺害事件が相次いで発生していた。被害に遭うのは人間から動植物まで、命あるもの全てが対象だった。

 原因不明とされていたのは、それが人間の手によるものとは思えないからだった。


 現場で発見されるのは微細な肉片、広範囲に散らばる血痕のみである。その周囲の土地は抉り取られたようにボロボロになっている。


 わずか数本のみ存在する映像記録には、にわかに信じ難い光景が広がっている。謎の生命体、黒い靄、一瞬の断末魔、そして惨劇の跡が残されているのみ。

当然、これらの映像は一般には非公開とされている。


 各国政府は混乱を防ぐため、この件を全世界共通の機密事項として定めた。

これらの事件は原因不明につき、その謎の生命体とともに「code:x」と命名され、密かに処理されてきた。


 しかし、そんなある時、一本の映像がネットに流出してしまう。関係者によるリークなのかは定かではないが、その映像をマスメディアが取り上げたことにより近年話題に上がるようになった。


 ただ、その映像は物議を醸した後、結局は偽物だと認識され、ある種の都市伝説的な扱いとなり現在は鎮静化しいり。故に、これを信じている者は一部のオカルトマニアやこの手の話を好む人間など、極少数だ。だが……


 残念ながら事実である。


 これ程の事件だ。勿論、多少なりとも目撃者は存在するが、彼らの大半は目撃前後の記憶を消され、いつもの日常に帰されて行く。

 そう、「code:x」に対抗し得る力を持つ者が集い、秘密裏に立ち上げられた組織の手によって。


 その名を「解放者(リベレーター)」と言う――


************************


 今、目の前に立ち塞がるのは巨大で、強大な邪悪の権化。その姿は影に包まれたように、はっきりと視認することはできない。

 禍々しい巨体からは幾本もの鎖が伸びており、その巨体が揺らされるたびに大気の震えが全身に伝わってくる。


 ――何だよ、コレ。


 ただただ呆然とするばかりだ。だが、不思議とそいつからは恐怖を感じることはなかった。むしろ、優越感とも高揚感とも取れる、何とも妙な感覚を感じていた。

 しばらくすると後方から声が聞こえてきた。


「ランディー!クラヴィー!セリア!」


 身体ごと向き直り、声を上げた人物を見る。


  ――ん?アイツは…….


 その人物を囲むように他に三人の仲間が立っている。屈強で筋肉質な赤髪の男、目鼻立ちの整った青髪の女、その二人に比べ幼い印象を受ける緑髪の少女。皆あまり見慣れない服装をしている。

 赤髪の男は黄金のラインが映える緋色の鎧姿、女の方はどちらも珍しい装飾のあしらわれた服、中心に立つ男は白銀のローブを身にまとっていたる。

 彼らはその人物に跪き、声を揃え応答した。


はい、主よ(イエス・マスター)


 そして、立ち上がった彼らは一様に、何か覚悟を決めた者特有の鋭い眼光をこちらに向けてくる。


 ――やめてくれ、何でそんな目で見てくるんだ。


 三人が目を瞑り一瞬の沈黙が流れる…


「大地を焦す豪炎の刃よ」


「久遠を流るる水雲の盾よ」


「天を穿つ裂空の翼よ」


 詠唱を始めた彼らの周りに光の粒子が舞い上がる。そして…


「深淵を照らす光輝の聖鎧よ」


 最後の一人が詠唱を始めた。その時、一際大きな振動が起こった。背後にいる邪悪なる存在が轟くような雄叫びを上げている。


 それが開戦の合図であったかのように、彼らは目を見開き一斉に声を放つ。


解放(リベレート)』!!


 そして、辺り一帯は光の奔流に飲み込まれた。


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