消えぬ問い
生まれて
自我を持って
褒められることを覚えた
生まれて
自我を持って
疎まれる悲しさを覚えた
あなたの言う通りにすれば褒められ
あなたの言う通りにしなければ疎まれた
私はあなたじゃない
あなたは私じゃない
何度口にしようとしたか
何度飲み込んで隠したか
「手がかからない子だもの」
「言うことを聞いていい子ね」
笑って話すあなた
その目が私に向けられることはない
「嫌な子」
「あの人の子だから」
「仕方ないのよ。あの家の子だもの」
ねぇ、半分はあなたの血が流れているんじゃないの?
ねぇ、私の人生の半分以上はあなたと一緒にいたはずだよ?
何度も向けられる言葉に
何度も向けられる瞳に
見えない傷が
見えない心に
幾つも
幾つも
幾つも
慣れたフリをした
傷など無いフリをした
飲み込んだ涙の数を
飲み込んだ言葉達を
無視して
笑って
大人と呼ばれるようになった今
あなたが親となった年齢を追い越した今
未だ親になれない私は一人問う
私は愛されていたのか
私は疎まれていたのか
私を産んで
育ててたあなたは
私という「モノ」を傍に置いて
「後悔」はなかったのだろうかと




