上司見参!
人間と言う生き物には時として思いもよらない能力を発揮する事例が存在し、報告され、物議となる物だが、京もその日不意に思いもよらないと言うか、感覚的なものだが違和感を得ていた。
違和感が起きたのは部屋に帰って来た時で、普段と違う何か違うと言うか、重苦しい空気と言う感覚で満ちている京は考えた。
いやな予感とも言いかえることができるが、京は深いことは無視して部屋の中を進み始めた。
「―――――?」
間違いなく見なれた空間で、ここで寝起きし食事し、日常生活を過ごしているが、朝出た時と空気が違い、近寄りがたいと思いながらも京は足を進めた。
考えてみれば最近桜と同居と言うか、護衛を兼ねられて一緒に生活することになり、桜がいることは言うまでもないが、京は絶対に桜ではないと言うことを直感的に理解し進んでいた。
部屋を間違えたかと思い、京は不意に引き返し再確認したが、間違いなく自分の部屋で、間違いないと言うように改めて進みだしたが、違和感はなくならず、余計に強くなった。
「ただいま―――?」
あらためてと進み始めたが、京は別の何かと言うか、強盗かもしれないと思い、普段は言はないことが多いが、ただいまを声を出し、軽く見渡しながら部屋に入った。
「―――桜? 帰ってるの? 飛鳥さん? 来てるの?」
普通とは違うことが起きているのはわかるが明確には理解できず、京は思い当たる部分と言うように桜と飛鳥を呼んだが、2人はいないようで返事は返ってこない上、逆に人の気配が無さすぎると言うほどに京は感じた。
「気のせいかな―――?」
急な環境の変化と言うことを踏まえ、京は違和感を気のせいかなと言うように思うと言うか、心の隅に移動させる、部屋のドアを開ける中で、その原因を明確に知ることになった。
「―――――」
人の気配と呼べるものはなく、返事もしなかったが、部屋のベランダに出る窓の前には2人の人影が見えた。
桜と飛鳥ではなく、2人組の男で、白いシャツ以外はネクタイまで黒いスーツ姿で、帽子を深く被り顔が見えにくい上サングラスをかけ、手には皮手袋をしているのが見え、顔以外の素肌が見えない風体だった。
2人は微妙と言うか、少し違いが存在し、京から見て右の男が背が左よりも高く大柄で、首にはマフラー、左はコートを着て少し小柄と言うか、細身だった。
「―――京か?」
「―――え?」
「高橋京かと聞いたんだ。」
いつどこのだれが見ても怪しいと言う以前にどうやって上がり込んだと言う状況で、2人はと言えば京と眼があうも慌てた様子など見せず、京に話しかけ、京が何かと思う中で、再び話しかけたと言うか、質問した。
質問したのは左側の男で、右の男はと言えば両手をズボンのポケットに入れた状態で何も言わないが、雰囲気と言うか、眼光の力と言うものか、京は目線がこちらに向かっていると言うような気がした。
「―――?」
「高橋京か?」
「あ、ああ、はい。そうですけど―――?」
男の質問の意味を京が真に理解したのは3度目で、何度も言う気はないと言うように左の男は少し強めの口調で聞き、京は間違いないと言うように返した。
「―――は?」
「―――へ?」
「桜はと聞いたんだ。」
状況が読めない中で左の男は質問を続けるが、少し早口で聞き取れず、京が次は何ですかと言う反応の中で、同じようにと言うか、いい加減にしろと言うように聞いた。
「―――――」
「―――間違えたんじゃないのか?」
桜と言う聞きなれた言葉を聞いたが、京は答えを上手に返せない中で、右の男が違うのではないかと言うように左の男に聞くが、左の男はそれはないと言うように首を左右に振り、左手首と言うか、腕時計に眼を向けた。
銀色の高級そうな時計で、彼らのスーツもよく見ると微妙に光沢を放ち、革靴の色合いもいい高級品に見え、シャツも純白に近い上しわもみられず、タイピンもきれいな銀色で高級感が漂っていて、明らかに普通の人間とは違っていた。
「―――時間はあっている。間違えていたとしてもオレたちで処分すればいい。」
「そうだな?」
左の男は言うとおりに問題ないと言うように返し、右の男もわかったと言うように返し、京が理解できない中で勝手に話を進め、2人は京に眼を向け直した。
サングラス越しで本来は見ているか見ていないかなどわかるわけもないが、2人の不意な出現と風体、場の雰囲気にあわない落ち着きすぎた会話は京にそう思わせる勢いと言うか、空気は確実に存在した。
「―――――?」
「―――あ?」
「―――来たか?」
桜たちの話していた非常に不味い状況ではないかと京が思い、逃げた方がいいのではないかと思う中で、不意に玄関の方で大きな音が聞え、左の男が反応し、右の男も反応し、全員玄関に眼を向けた。
「―――京さん!? 帰ってますか!? いますか―――!?」
「失礼する―――――!」
玄関が騒がしいと言うように思う中で、大きい音が響き渡るのに合わせてドアが開く音が聞え、桜と飛鳥と思わしき声が少し遠くから響き渡り、2人の駆け込む足音が聞こえた。
「―――――」
「―――――」
「―――おかえり―――」
2人は本気で走って来たと言う雰囲気で、帰ってくると膝と手をつくと本気で疲れたと言うように息を切らしている状態で、桜がただいま帰りましたとか言いかけていることがわかるが、言えないようで京は先にいうことにした。
「―――た、ただいま―――」
「あ、あの、あの2人は―――」
「息整えてからの方がいいですよ?」
飛鳥も同じような状況で、走って来たと言うよりも、あせって出たと言う冷や汗を流している状況で、桜があわせて事情を説明すると言うように口を開いたが、京は無理でしょうと言うように止めた。
「―――とりあえず、水でも用意するね?」
2人の必要なのは少しの休憩と水、それに京の問題ないと言う一言で、京は言うとおりに水を出すためにキッチンに向かい、冷蔵庫からミネラルウォーターを取出し2つのグラスに注ぐと、桜と飛鳥に持って行った。
飲んで落ち着いてと言うように京が出すと2人は少し強引に手に取ると少し時間差は存在するが、2人は一気飲みし、よくないよと京が言いかける中で、桜がむせたのかせき込んだ。
2人と言うか、桜が少し落ち着くのを待つ中で、京は2人に眼を向けた、
左の男はと言えば腰に両手をあて仕方ないなと言う雰囲気で、右の男はと言えば少しいら立っている様子で、いつまで待たせるんだと言うように腕を組み、足を鳴らしていた。
京はと言えば待っているだけでは考えるまでもなだめだと思い、少しでも場の雰囲気を良くしようと、桜たち同様に水でも飲みませんかと言うように聞くために2人に眼を向け、声をかけることにした。
「―――あなたたちは―――?」
京がお構いもせずと言うように聞こうとする中で、左の男が誠意を裏切って悪いがご厚意だけ受け取るありがとうと言うように手を前にだし、もう1人の男は軽く首を左右に振り、いらないと言うそぶりを見せた。
右の男はあまり話さず、左の男が主に話す役割のようだった。
「―――それにしても、遅かったな? どこで油を売っていた? この役立たず。」
「―――こちらにはこちらの事情があるんだが? お前はいつもいつも自分のことを棚に上げてだな―――?」
京がわかりましたと言う反応の中で右の男が言う通りの役立たずと桜か飛鳥に対して言うと飛鳥がお前はと言うように勢いよく返した。
「山中からメールは受け取っていただろう? 昼頃にメールを送った。気づかないはずはなかっただろう? 遅れてくるとすればお前が悪い。」
「間に合っただろうが?! このトカゲ脳みそ! 細切れにしてやろうか?」
返す中で右の男は冷静に返すが、飛鳥はいい加減にしろと言うか、喧嘩腰に返した。
「―――オレにかなうと? オーグの血統書付の分際が?」
「―――二度と言うなと言ったよな? 本気で許さん。絶対に―――」
2人して口喧嘩から本格的な殴る蹴ると言った喧嘩になりそうな雰囲気で、京がいい雰囲気に見えないと言うように見ている中で2人はお互いに覚悟しろと言うように足を進め始めたが、不意に左の男が右の男の前に腕をだし、止めた。
右の男がお前と言うように顔を向けるが、左の男は無視すると言うか、相手の飛鳥の方に止まれと言うように眼を向けた。
「山な―――」
「―――前にも言ったが勝負は預けたと言ったはずだ。よそでやれ、やりたいなら。それと事情を知らない一般人を巻き込むな。」
飛鳥もお前までと言うように口を開く中で、左側の男はいい加減にしろと言うように2人を静止させたが、飛鳥と右側の男はそれでもまだ腹の虫が収まらないと言う表情をしていた。
「―――?」
「それともここでやるか? すばらしい考えだな? さぞ面白いことになるだろうな?」
「―――わかった。悪かった。ここは下がる―――」
傍観者の京はと言えば険悪な雰囲気だと見ていたが、不意に左側の男の眼がサングラス越しに青白く光り始め、どうなっていると思う中でまだやるかと言うように言うと、飛鳥は止めると言うように言った。
「――――――――――」
右側の男も不本意だがここは言うとおりにすると言うように後ろに数歩下がり、2人は先ほどの立ち位置に戻り、左側の男の眼の発光もなくなるが、左側の男もよかった収まったと言うように一息ついたのを京は見た。
「―――それにしても山中さん。突然メールで『来る』はないじゃないですかぁ?」
「―――?」
「恋と湯川さんに何のことか聞いたらこのことだと聞かされて飛んで来たんですよー?」
一息吐き出す左側の男に対して声をかけたのはせきも止まり、呼吸を整え、落ち着いた柵で、桜の呼びかけを聞いてなんだと言うように左側の男は反応する中で、桜は困ると言うように言った。
「―――すまない。書類上の管理はしたくなかったんだ。保護対象を直に見ておきたかったんだ。」
「―――間に合わなかったらどうするんですか?」
「間に合うと信じていた。」
困ると言う桜の言葉に対して、左側の男こと、山中と呼ばれた男は申し訳ないと言うように返すが、桜は本当にダメだと言うように返すが、山中はと言えば問題はないとも返し、お前こと、桜を信じていると言うように返した。
「―――過度な期待は困ります。リードさんもですが、特にあなたは―――」
「間にあっただろう?」
桜は本当に困ると言うように続けるが、結果としては悪くない結果も出たから、もうやめようと言うように山中は返した。
「―――第一、会議もあったはずだと―――」
「終わらせてきた。真面目にやったよ? 後で報告書にも眼を通してくれ。」
「はい―――」
ほかにも問題はあると言うように桜は続けるが、山中は返す通りに問題はないと言う返事で、桜はわかりましたと言うように返した。
「―――あのー? お知り合い、何ですか?」
「あー、この人たちは―――」
「前に話した書類上の上司2人だ。」
話しも一段落した状況で、家主とは言え少し蚊帳の外に言っていた状態の京も会話に入り込む中で、肝心の質問をすると、桜はそう言えば説明していなかったと言うように言うと、飛鳥が少し考えればわかることだがなと言うように言った。
「―――」
「機構直轄PMC Warp、緊急時対応部隊総司令部司令官、階級大将、アルファー1、リード ファイヤーだ。」
「同じく、副司令官で階級中将、アルファー2の山中一輝だ。」
京がそう言えばそんな話を聞いた覚えがあると言う中で、2人は自己紹介し、名刺だと思うが紙を渡してきて、京は受け取った。
PMASC
Advanced Guard Security Washington D C President
Reed Fire
警備会社
Advanced Guard Security ワシントンDC本社 日本支社副社長
山中一輝
2つの名刺は片方は日本語で書かれ、もう1つはすべて英語で書かれていた。
「―――AGS―――」
「あ、そうだ。リーのは本社用だ。こっちな?」
京が名刺を見た後右側の男こと、リードと名乗った方を眼を向ける中で、左側の男こと、山中が名刺をもう一枚渡した。
警備会社
Advanced Guard Security ワシントンDC本社 社長
リード ファイヤー
飛鳥の時もだが細かく言うと名前以外にも会社の電話番号やサイト、営業時間などが記されているが、これだけは言っておくと言うように身分が書かれていた。
「本社、社長―――?」
「知っていると思うと言うか、話は聞いていると思うが会社は化けの皮だ。お前の保護任務の指揮を、書類上とっている。署名も存在する。」
見直し、これはと言うように京が口を開く中で山中は言うまでもないと言うように話を続けた。
「―――任務は順調のようだな? ご苦労堂城大佐、佐藤大尉。」
「―――はい。」
「はい―――」
続ける中で山中は眼を桜と飛鳥に眼を向けるとすまないなと言うように言うと敬礼し、桜と飛鳥は突然来ても困るが上司だから逆らえないと言うように返事を返し、敬礼をした。
「―――後は任せる。と言うよりも一任する。最初からだがな?」
「―――?」
「オレたちはいく―――」
リードはと言えばサングラス越しでもわかるほどの無表情だが、山中は本当にすまないと言う表情で言うと、軽く笑いながらだが、京の前で異変が起きた。
一番妥当な表現は透過で、最初は気のせいだと思うほどだったが透き通り始め、姿が消えていく中で、山中はここでお別れだと言うように言い、後ろに数歩下がった。
「―――もしかしたら、時折来るかもしれないが、オレたちとは関わるな。危機はオレたちに潜んでいる。死ぬよりも恐ろしい眼に会うかもしれないからな―――」
「―――」
失礼すると言うように山中は帽子をとると軽く頭を下げる中で、待ってくださいよ突然来てと言う京に対し、わかってくれと言うように言い、姿を消した。
「―――――?」
「だれのために戦う、か―――?」
「―――?」
ベランダの窓がいつの間にか全開に開いていて、強い風が吹き込み、カーテンが大きく揺れているのを京が見ている中で、口を開いたのは飛鳥で、京はどういう意味だと言うように振り返るしかなかった。
「―――2人はまたどこかの戦地へいったんだと思います。国家と宗教、それに種族の境界を越え、縛られず、解き放たれた彼らはだれにも止められません。止められるのは責任と事実、そしてこの世界の消滅だけです。」
「―――?」
「―――神さえも知らない、か? 言わせるものだ。」
次にと言うように口を開いたのは桜で、2人に対して思うことがあると言うように言い、京が意味が解らないと言う中で、飛鳥も言葉を続けた。
「まあ、何にしてもだ。責任感には欠けている。立場の自覚はない―――」
「―――飛鳥さん?」
「言うことは聞かない! 破壊爆発銃は連射する! わたしたちの立場をなんだと思っている!?」
考えてみれば上司と部下で、事情があると言う状況で京が見ていると飛鳥は不意に困ったやつらだと言う表情をして拳を握りしめて震わし始め、京がどうしましたかと言うように声をかける中で、飛鳥は少し勢いよく叫んだ。
「―――落ち着いてください。これからも続きますのでここで怒っても意味がないし京さんがおどろいています。それと後少しの辛抱です。」
「桜~?!」
「―――よしよし―――」
京がおどろいている中で桜が落ち着かせよとするが、わたしはもう限界だと言うように桜に勢いよく抱き付き、桜はと言えば抱きしめ返し、頭をなでた。
頭をなでるとは言うが、背は飛鳥の方が高く、飛鳥の方が大人びた印象で、わたしも同じ立場なんだけどと言うように桜は頭をなでていた。
「―――あの~?」
「あ? すみません―――」
「―――すまん―――」
お気持ちはわかるけど僕のことを考えて欲しいと言うように京が声をかけ桜は申し訳ないと言うようにあやまり、飛鳥も右に同じと言うように返した。
「―――あいつらいつも―――」
「上司、じゃないんですか?」
「―――――」
迷惑をかけたと言うように飛鳥が言いかけるが、京は肝心のと言うように聞き、飛鳥は聞くなよと言うように顔を下に向け、眼を反らしていた。
「―――だれが―――」
「へ?」
「なんでもない。」
眼を反らす中で飛鳥は一応は小声だが聞こえないようにする気は絶対にないと言うように言い、京が何か言ったかと言うように反応する中で、飛鳥は即座に否定し、笑顔を向けた。
「―――指揮は書類だけのものと前にも説明しましたが、身分も書類だけなんです。」
「?」
わたしはうそを隠していますと言う満面の笑顔を飛鳥が見せている中で、口を開いたのは桜で、冷静に聞いてくださいと言うように言った。
「2人は本来、犯罪者ですから。」
「―――は? え?」
身分も書類だけと言う意味が理解できないと言う中で、桜は話す途中で一気に眼を反らし、京はと言えば聞いてどういうことかと聞くしかなかった。
「司法取引を知っているか?」
「―――?」
「簡単に言うと犯罪者を犯罪捜査に協力させる代償に刑罰の軽減や取り消し、保護する仕組みだ。アメリカでは認可されてる。日本でもこのころ認可されたと聞いたが違うか?」
交代と言うように飛鳥が京に聞き、知らないと言う反応の中で飛鳥は言うとおりに簡単に説明した。
「わたしたちの時代ではその規模を本格的に拡張し彼らを警官と言った関係した職務の正規の職員として雇用する制度が確立しているんです。」
「そうは言っても、危険だから職務外と言った特定の場合は除外して安全を兼ねて、付き添いと言うか、監視とも言いますが、見張りが必要なんだ。わたしたちと言うか、彼らは上司だがわたしたちの担当なんだ。」
あわせるように桜は続け、飛鳥もわたしもと言うように言葉を続け、京はと言えば黙って聞くしかなかった。
「2人とも経歴をふくめ能力も高く、経験も豊富で罪状も踏まえて相応の身分にする必要があったんですが―――」
「―――やりたい放題だ。時間ギリギリだったんださっきも? 間に合わなかったら注意を受けるのはわたしたちなんだ。あいつらは犯罪者だから仕方ないと言って黙殺されるけどな?」
「―――そう言えば、湯川さんと恋大丈夫でしょうか?」
桜は普通に考えたら部下ですがと言うように続け、飛鳥はと言えば何でこんなことをわたしがと言うように怒りを抑えるように言う中で、桜はとりあえず抑えてくださいと言うように飛鳥に言った。
「―――犯罪者って、何したんですか? いったい?」
「―――世界破壊未遂。」
「―――へ?」
桜はと言えば仲間らしき名前を口にもしていたが、京はと言えば確かに少し異様には見てたが、普通の人だよなと言うように聞くと、桜は黙っていても仕方ないと言うように返し、京はと言えばどういう意味ですかと言うように反応するしかなかった。
「ゲートを、大型のタイムマシンを破壊したんだ。大暴れまでして大パニックだよ。」
「死傷者も数知れず、有史に残る史上最悪の事件として記録されています。彼らはその主犯なんです。」
思い返すのは少し嫌だがと言うように飛鳥は言い、桜はとにかく大変だったらしいですと言うように言った。
「―――そうは言ってもだ。世界壊滅を企むテロリストから世界を守るためのやむを得ない行動だったんだ。」
「凶悪犯罪者から一転英雄ですが、責任は全くないとは言い切れない状態で、機構命令で現在に至っています。」
飛鳥もこれだけは理解するがと言うように言うと、桜も少し不味い部分があったと言うように続けた。
「本来なら機構権限で証拠隠滅して死刑だが、即刻な? だが桜と同じハイブリッダーでな? 情報もないし対応する人材もなし、容疑者もほかに30人以上いるで責任問題も問われる上自首もして来たし、無下にも慎重にも扱い兼ねてこれと言うわけだ。」
「山中さんは厳密にはハーフですが 生え抜きの性能を持つVer. Dino Type raptorでリードさんは高い戦闘力からライツオブゴースト、山中さんは参謀指揮能力の高さから、サムライブレイナーの異名を持っています。」
飛鳥はあいつらの事情もわかるがいら立ちは隠せないと言うように続ける中で、桜はだけど悪いことばかりではないですと言うように説明した。
「―――姿なき場所の光、幽霊の光から、ライツオブゴースト、そして生き残りし侍の精神を受け継ぐ、サムライブレイナー―――」
「―――――」
「―――何がライツオブゴーストだ。昼行燈で十分だ。山中もなまくらかなまぐさで十分だ―――」
説明した中で飛鳥は思い返してみればと言うように言い、何ですかと言うように桜と京が見ている中で、飛鳥はもう嫌だと言うように言った。
「大変なんですね?」
「あー、もー、やっ!」
本気で疲れているんだと言う表情が飛鳥に見え、京が大変なんだなと言うように返す中で、飛鳥は不意に横になった。
「飛鳥さん―――?」
「うるさい。休む。お前も休め? ダメだと言ってもやる。」
横になる中で飛鳥はこれからわたし寝ますと言うそぶりを見せ、桜が止めようとするが、飛鳥は絶対に嫌だと言うように返した。
「わたしたちの身になってくれ? 好き勝手やられて振り回されて、不条理だ。」
「―――――」
「―――ぁー。」
桜が起きてくださいと言うように揺らすが、眼と言うか、身体全体を反らす中で絶対に断ると言うように返し、桜が何とか言ってくださいと言うように京に眼を向け、京はなんと言えばいいか言葉につまった。
「―――休ませてくれ~?」
「―――ああ―――、はい―――。わかりました。」
対処に困っている中で飛鳥は頼むと言うように言い、京はと言えば苦労しているようにみえ、少しならと言うように返した。
飛鳥の物言いはと言えば普段の少し男勝りな言い方と違い甘くささやくような物言いで、彼女らしからぬと言えば失礼だが、少し小悪魔的で、京も少しと言わず気の済むまでと言うようにも言っていた。
「―――京さん~?」
「桜、お前もほら? 京がいいと言ったんだ? 遠慮するな?」
「―――ぅ~~~?」
あなたがそんなことでは困りますと言うように桜は京を呼ぶが、京はと言えば先ほどのことも踏まえ、事情もあるで、頼んでいるからと言うような眼をするしかない中で、飛鳥は桜も休めと言うように誘った。
職務上これはダメですよと言うように桜はうなっていたが、京はと言えば気にしないからと言う苦笑いを見せるしかなかった。
気にしないからと言うように眼を反らす中で京はベランダから見える外に眼を向けると、夜空の色が変わり始め、本格的な夜が始まると言うころ合いだった。
バランサー デッドコピーとリンクしていますが、
リライトヴァージョンの設定に合わせています。
著者の分身である山中は当初これだけの出番だった。