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ヤバい夜這いとくだらないダジャレを言われましても

 睡眠と言うものは日常的な行動と言うか、心身両方の大まかな休憩と言え、京はこの日少し急ぎの仕事で朝早くに出勤し、普段よりも少し遅くに帰って来て深い眠りについていた。

 IT関係の仕事で身体を忙しく動かすわけではなく遅いとは言え9時前だが、普段となれないことをした影響か、京は帰るとすぐに眠りについていた。

 桜も始終いるわけではなく、時折帰り何日も姿を見せないことも多く、最近は平和なんだ安心して眠ろうと京は考えていたが、深夜に眼を覚ましてすぐそれを前言撤回した。

「―――――」

 前言撤回の理由はと言えば京のような普通の人間ならば感じなかったのかもしれないが、深夜の暗闇の自分の部屋と言うよりも、自分が寝ているベッドの近くで異様な気配を感じたのだ。

 だれかと言うよりも何かがいると言う雰囲気で、京はその何かが生き物だと即座に確信した。

 理由はと言えば京は現状はと言えば寝ている姿勢状、背を向けた状態だが、京の耳には普段は深く、それでいて荒い呼吸を隠すような息を殺したような呼吸の様な音が繰り返される音が聞えたからだった。

 音は呼吸音だけでなく、動く音もで、京も自分が寝ぼけているとは思えないとも判断し、何かと思い身体を動かさずに何とか確かめると言うか、感じようとすると、異様な気配と言うものを京は感じた。

「―――――ぅっ!?」

「そこまでです!」

「?」

 前みたいにソーが部屋の中に入って来たのかと京が考え、心臓の鼓動が早まり、音が大きくなり、抑えられなくなりかけた時、部屋のクローゼットが開く大きな音が響き渡ると同時に室内が爆弾でも爆発したかのように光に包まれた。

 京は背を向けていたが、光が部屋の照明ではないと考える中で、京の眼の前にいたと思われる物体だと思うが謎の声が聞こえると同時に、そうはさせないと言うような聞きなれた少女の声を聞き、京は声の方向に眼を向けた。

「―――ぅ?」

「京さん!? 大丈夫ですか?」

「―――桜?」

 眼を向けると眼も一応は開けていられると言うほどの光が見え、腕で光を少しでも避けようとする中で桜の声が聞こえ、京は改めて確認すると言うように聞いた。

「―――――あ? 逃げるな!? 待て!」

「桜? だれかいるの―――?」

 聞くまでもなく、光の前に人と思わしき物体が見え、だれかがいるのはわかる中で動くと言うか、桜の言う通り逃げるのが見え、京も聞きながら逃げる方向に眼を向けた。

「―――――うっ!?」

「―――?」

「―――動くな―――」

 眼を向けるとベランダへの窓へ向っていたが、不意にベランダの窓が勢いよく開く音が聞えると人影は止まり、京も何事かと思う中で、ベランダから飛鳥らしき脅すような声が聞こえた。

「―――――?」

「―――ここに来たのが運の尽きでしたね?」

「―――――?!」

 人影が止まる中で桜が部屋の照明の電源を入れ、京がまぶしいと思う間もなく桜は侵入者に対してそこまでだと言うように言い、京は人影の方に眼を向けると、そこには想像と違う姿が見えた。

「―――おんな、の子?」

 ソーや得体のしれない姿の怪物、それに人間とは思えない大柄な体格の男を想像していたが、視線の先には飛鳥に銃を向けられた少女の姿だった。

 中学生ほどの小柄な外見で、服装も学校の制服と言う雰囲気で、京から見れば侵入者には相違ないが桜と飛鳥に挟み撃ちにされ、困ったと言うか、どうしてこんな人たちがいるんだと言う表情をしていた。

「あんたたち、何者―――?」

「知る必要が? いや、あるかもしれないが時と場合によるがな―――」

「あ? っく? なにするの?」

 少女がどうしてと言うように聞くが、飛鳥はそんなこと言われてもと言うように答える中で飛鳥はすばやく動くと背後に回り込み彼女を拘束した。

「そうは言ってもこれは上司の受け売りだ。お前に恨みはないがわたしも仕事だ。後は上の判断に任せる。運がよければ生き残れるだろう。」

「―――それも山中さんからの受け売りですね?」

「言うなよ?」

 拘束した床に押し倒す中で飛鳥が続けると桜はそう言われてみればと言うように返し、飛鳥はその通りと言うように返す中で桜が少女に近づいた。

「―――吸血鬼ヴァンパイア、ですね? やはり?」

「?!」

「お前らの実在を知っている人間は協力者だけではないと言うことさ?」

 結月の時と同様で桜の周囲に立体映像の画面が姿をあらわし、少しして分析結果が表示されたのか桜はあなたはと言うように言い、少女は何で知っていると言うようにおどろく中で飛鳥はそんなに驚くなと言うように言った。

「吸血鬼?」

「吸血鬼は実在している。こいつが代表例だ。お前の血液を狙って来ていたんだ。」

 京が少し待ってくださいと言うように2人に聞くが、飛鳥は考えるまでもないと言うように返した。

「―――あー、ひとまずごめんなさい。僕も完璧には理解していないんですが、少し事情があって―――」

 少女はこんなこと聞いてないと言うような眼で京を見ていて、京は言いたいことはわかると言うように返した。

「飛鳥さん。手を離してあげれませんか?」

「―――そう言われてもな―――」

「ダメみたいです。」

 飛鳥に一応と言うように京は頼んでみるが、本気でとまでは言わないが止めといた方がいいぞと言うように飛鳥が返し、京は少女にあやまるように返した。

「夜這い状態を許してどうするんですか? なんていうんでしたっけ? ヤバいですよ?」

「夜這いって? それにヤバい―――?」

「伝承などによれば血液を吸うだけでなく性行為もすることにふくまれています。彼女は女性ですが同性愛者だったらどうしますか? 京さんは同性愛者ですか? 貞操観念は軽い方ですか? 承認できますか?」

 ほかに方法がないかなと言うように京が考える中で桜はダメだと言うように返し、京がそれとは違う気がすると言うように返そうとする中で、桜はそうとは言い切れないと言うように返した。

「それに最悪仲間にされたり殺されるんですよ? あまり気を許さない方がいいで―――」

「そんなことはしない!」

 桜の言っていることはある程度の事実なのだろうなと京が聞いている中で、不意に少女が反論した。

「なんなのよ? 確かにあなたたちの言うとおりわたしは吸血鬼よ? だけどあなたと言いこの2人と言い? 協力者じゃないの?」

「―――いや、あの、その―――」

「わたしたちの間にはきちんと同盟や条約、規則が締結されているのよ? 人間の多くは知らないだけで? 同志狩りの許可証は、ライセンスは持っているの?」

 少女は勢いよく反論を始め、京はと言えば僕に言われても困りますと言うように返すしかない中で少女は続けた。

「―――おちついてくれ? わかった。わたしたちは一応協力者たちとある程度の関係を持っている。だが一部の人間だけだ。連絡するから。待ってくれるか?」

「―――わかった。」

 拘束が無ければ暴れそうな少女に対し、飛鳥は待っていろ言うとおりにしろと言うように返し、少女は口を閉じた。

「―――あ~最悪。せっかくおいしそうな子見つけたのに~。」

「―――――おいしそうって―――?」

「あんたは本当に知らないのね? わたしたちの5感は普通の人間よりも強くてね、良し悪しがわかるの。あなたがおいしそうだからずっと前から眼をつけてたの。それで実行したらこのざまってわけ―――」

 飛鳥と桜が話しあう中で少女はこんなの無いと言うように言い、京がその言葉を聞いてどういうことと聞くように反応すると、少女は言うまでもないと言うように返した。

「―――関係者の1人と連絡が取れた。」

「本当?」

「本当だ。」

 返す中で飛鳥が不意に少女の耳に無線機を近づけ、聞けと言うように言う中で、少女は疑り深く聞くが、飛鳥はいいから話せと言うように言った。

「―――大野さん!? まさか大野さん!? 大野さんですか?!」

「?」

「え? わかりました。ごめんなさい。言うとおりにします―――」

 耳を傾けると言うように無線機から聞こえる声に耳を近づけた少女は、信じられないと言うような反応を見せ、京がだれかとおどろいている中で少女は沈んだ反応を見せた。

「―――それで?」

「引きあげます。」

 飛鳥が少女の表情を見てどうするんだと言うように聞くと、少女は何を言われたかわからないが引きあげると言い、飛鳥は拘束を解いた。

 拘束を解いた後少女は言った通りに本当に引き上げるようで、窓を開けるとそこから出て行った。

 普通ではない人間たちは玄関から出て行かないのかと京は窓の外に眼を向けたが、少女はと言えばもう姿が見えなくなっていた。


 深夜に起こされた状態の京はすることもない状態で、桜と飛鳥も問題はないですいそがしいので行く良い眠りをと言うようなことを言って帰り、京は軽くだが2度寝し、少し早くに起き直していた。

 空の太陽が昇り始める時間で、不意に京は外の空気が吸いたくなり、ベランダの窓を開けていた。

 開けると少し肌寒いとも京は考えたが、空気は澄んでいて心地よく、京は深呼吸を始めた。

「?」

 軽く眼を閉じていたが、一呼吸終えて眼を開いた時に京の眼には何かが素早く上に飛んで行くのが見えた。

「―――うわっ!?」

 少し大きく見えたが鳥かなと思い京が少し眼を向けた瞬間、その何かは京の前と言うか、ベランダの柵の上に勢いよく着地し、京はおどろいて逃げるように後ろに下がりその勢いで倒れた。

「―――き、君は―――? 昨日の―――?」

「ユリ、後藤ユリ。あんたは?」

 着地したのはどう見ても夜に見た桜たちが吸血鬼だと言っていた少女で、京は腰を少し打っている感触を覚えたが、考えている間もなく少女に聞くと、少女は間違いないと言うように返した。

「―――?」

「あんたの名前は!?」

「―――京、高橋京だけど―――?」

 間違いないと言うように言った上、あんたはと言うように聞き、京が名前を聞いたのかと言う反応の中で少女こと、ユリは何度も言わせないでと言うように聞き、京はそんなに怒らなくてもと言うように返した。

「―――京! このままで終わると思わないで!? 絶対にあきらめないんだからね!? あんたは一生に1度会えるか会えないかの貴重な種類かもしれないんだからね!?」

「―――」

「こーなったらやけよ。何言われてもやるんだから。宣戦布告よ!? 覚悟しておきなさいよ!?」

 ユリは一方的に話を続け、京は朝からそんなことを言われてもと言うように聞いている中で、ユリはこれだけが言いたかったまた来ると言うように言うと、背を向け去っていった。

 京はと言えばユリが去った後で朝からそんなことだけ言いに来たのかとも思いながら立ち上がり、ユリが去っていった方向に眼を向けるがユリの姿は当然だが見えなかった。

 明確に言うと桜が言ったわけではないが、夜のようにヤバい夜這いと言う事態だけでは済みそうもないなと京は改めて実感した。


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