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進まない話と夜明け

 昨夜のことが夢であってほしいと願い京は眠れたのか眠れていないのかわからない一夜を過ごし、朝眼が覚めると言うよりも身体を起こし歩きだす中で、昨夜の一件の証拠たる存在がソファーで無垢にほかならない寝顔をしていた。

 寝顔の主はと言えば昨日突然あらわれ、護衛を兼ねて同棲すると言った佐藤桜と言う少女で、彼女はと言えば声をかけると何とか起きそうだが、京が見ていることも気づかずに寝続けていた。

昨夜の就寝時急場のことでソファーに眠ってもらっていて、薄いシーツを被って寝ていると言う少し息苦しそうな寝床だが、寝顔に追従し寝息も静かで、普通のベッドで寝ていると言う雰囲気だった。


警備会社

Advanced Guard Security 日本支社副社長秘書

佐藤桜


 本来ならば彼女をたたき起こして詳しく話を聞くべきが京に与えられた最善の手段だが、桜の寝顔を見た京は起こすと悪いな人間としての良心が痛むと言うような表情をした後、テーブルにおいていた桜が渡してくれた名刺を見直した。

「―――」

名刺を見直すと京は携帯のネットを開き、Advanced Guard Securityについて調べると、AGSは実在しているようで、日本ではあまり有名でないが、かなり大手の警備会社のようだった。

アドヴァンスド ガード セキュリティ、略してAGSはアメリカワシントンDCに本社を置く警備会社で、日本以外にシンガポール、フランス、ロシアなどに支社を持っているそうだった。

テレビなどでは放送はされていないが、日本語で製作されたCMが存在していた。

『新しい治安維持を提案する。アドヴァンスド ガード セキュリティ』

 CMには強盗事件が起きたような現場と言うかセットで、ネクタイをした白いシャツの上に制服だと思うが装甲のような黒い上着を着た男が解説をした後、会社のロゴと会社の歌い文句のような物が出ていた。

 思い返してみればCMの男の人が来ている上着と、飛鳥の着ていた上着が同じ気がすると言うことを京は思う中で、いつまでも仕方ないと言うように見るのを止めた。

 桜はと言えばまだ起きる気配がなく、眼を向けると寝がえりを見せた。


 深い事情も気になると言うか、絶対に話しを聞かないといけないが、時間は有限で、京は出かける準備を始めた。

 始めたとは言うが、京の頭の中に浮かぶのは昨日起きたことばかりで、欲しいのは非常識と言えば失礼だが、自分の身に起きたことを理解できる情報だった。

 出かける準備も身体で覚えていると言うか、頭に入らないと言うよりも細かい事情は無視して身体を動かしていると言う状態で、頭は昨日の怪物に襲われた後を主に思い出している状態だった。

「―――まず、お騒がせしたことをお詫びします。」

「―――」

話を一段落終えた後飛鳥はあの武装集団と同様の手段で姿を消し、京と桜が残された中で、桜はひとまずはと言うように言うと頭を下げたが、京は言葉が出なかった。

「あ、これ名刺です。」

「―――はい―――」

 言葉が出ない京に対しそう言えばと言うように桜は名刺をわたし、京は受け取った。

「―――?」

「―――――」

「―――」

 受け取る中で桜はどうしたんですかと言う表情を向ける中で京は名刺を見ている状態の中で、桜は何かを小声で言った。

「違うのかな? 研修通り―――」

「はい?」

「あ!? いえ!? 何でもないです。無線機で仲間と定時連絡をしただけです!」

京が何か言ったかなと言うように眼を向ける中で桜は変ですねと言う表情な上、小声で何かを言っていて、京が何か言いましたと言うように反応すると、桜はなんでもないと言うように少し勢いよく返した。

「―――無線機?」

「―――あ―――」

 日常の会話と言うように桜は返したが、明らかに日常的でない単語を口にし、京がどういうことかと言うように言葉を返す中で、桜は不味いことを言ったと言う表情をした。

「えっと、桜さん、佐藤桜さんだっけ?」

「―――はい、そうです。」

 京も不味いことを聞いたと言う表情でお互いに気まずい空気だが、京は少し話題を変えてと言うように名前を再確認して聞き、桜はそれだけは聞いて問題はなく、間違いないと言うように返した。

「―――とにかく、事情を説明します。」

「―――――なにこれ?」

返すと桜は忘れて欲しいと言うかのように少し大きめのバッグと言うか、ケースを取り出し中身を開くと大量の本に書類や数が多く形状が細長かったり丸かったり、三角形の正体不明の物体、それにタブレットらしき物体が入っていた。

「―――えっと? どれからわたすんだっけ?」

「知りませんよ!?」

「独り言です。気にしないでください。」

 京がこれを見てどうすればいいんだと言うように見ているとケースを開けた桜も中から必要な道具が出せないと言うか、わからず物色している状態だった。

 物色している上本気でわからないと言うように京の前で言い、京が言われても困ると異様に返す中で桜はそんなに言わなくてもいいではないですかと言うように返した。

「―――もう! こんなものいいからさっきのなんだが教えてくださいよ!?」

「説明にはこれらの資料は必要不可欠です。普通に話しても信じてもらえるかどうか―――」

「もう何でも信じますから話してください!」

 同じような眼に会えばだれでも同じように言うと言う状況で、京が少し勢いよく言うが、桜は待ってほしいと言うように返し、京は言い加減にしろと言うように言った。

「―――わかりました。未来からあなたとこの世界を守りに来ました。」

「―――?」

「もう一度言います。未来からあなたとこの世界を守りに来ました。」

 桜もそこまで言うならと言うように率直にと言うように言ったが、京は意味が理解できない中で、桜は言葉を繰り返した。

「もう一度言います。未来からあなたとこの世界を守りに来ました。」

「―――――」

「信じてもらうために、この資料が必要でして―――」

 冗談はやめてよと言うか、本気で言っているのかと言うか、失礼だが人間として本気で大丈夫なのかと言う表情を京がしている中で、桜は再びケースの中味の物色を始めた。

「―――」

「もう信じるから!? あの怪物なに? どうして僕が襲われないといけないの!? わからないってどういうこと? また襲われるってどうして!? 守るってどう言うこと!?」

 桜はと言えば困ったどれだと言うように調べている状態で、京は面倒なことはいいからと言うように言うと桜は調べながら口を開いた。

「―――機構の命令です。」

「きこう? 機構?」

「Operation Restarting Globalizationの略称で、機構と言う意味をふくめオーグとも言われ、第3次世界大戦後国際連合の先進組織として機能し、地球人類以外をふくむ知的生命体や多元宇宙や並行世界の存在の相互協力を目的として結成され―――」

 桜は簡単にならと言うように話し始めたが、京は理解しながらも理解できない部分が存在するなと思う中で、桜は話しを続けるが、難しそうな話にほかならなかった。

「わたしの勤めているアドヴァンスド ガード セキュリティ、通称AGSは警備会社として活動していますが、実は裏でわたしたちのような人間の職務遂行、正確には機構直轄PMC Warpの補佐をしていまして―――」

「ストップ―――」

「―――ウソのようですが本当の話で、このケースの中に入っている書類はその証明書類です。ゲート原理と地球外惑星の知的生命体及び非科学的、または超常的とも言える能力の実在性の肯定理論の初原理を―――」

 話せば長くなると言う状態で、桜が言葉を続けているが、これはダメだと言うように京が一度待ってと言うように言うが、桜は止めずに話し続けた。

「ストップストップストップ! もういいです! ひとまずやめて!? わかりましたから!?」

「―――まだ冒頭しか―――」

「後で聞きますから?! どうしてあんな怪物に襲われないといけないんですか!? それにしても!?」

 理解できたわけではないが、話しを続けると永遠に話し続けそうで、京が半場強引に止めると桜は理解できているとは思えないと言うように言うが、京はそうだけど聞きたいのはほかのことだと言うように聞いた。

「―――わかりません。しかしあなたを守らなければならないのが命令で、世界の存亡にも直結しています。」

「―――――え? 存亡?」

「あなたの死は世界の存亡の鍵です。高橋京さん。」

 京の質問に対して桜は変化なしと言うような回答を返すが、回答の中で意外と重要と言うか、かなり大きい話をしなかったかと言うように京が反応すると、桜は先ほどと変わらない調子で続けた。

「―――――」

「原因はわかりません。現在調査中です。機構で。しかしあなたの死はこの世界の死と直結しています。」

 話しの規模が大きくなっていて理解できないと言う表情の京に対して桜は続けた、京も話を整理し始めた。

「―――仮に、僕がこの場で死ぬと―――?」

「―――自殺や老衰、心臓発作、自然死、それに天災などの一部例外を除外すれば宇宙創世時に匹敵する衝撃が発生します。」

「―――――」

 整理し終えた京は質問すると桜は少し考えるように答えを返した。

 返した答えは信じられないが、あの怪物の登場と言い、彼女の力と言い、現状の元通りになった部屋と言い、冗談半分や信じられないと言うようには返すことを京はできなかった。

「安心してください。そのためにわたしが、わたしたちが来たんです。」

「―――――ぁ―――」

 桜はと言えば安心してくださいと言うような悪意がまったく感じられない笑顔を向け、京はと言えば確かにたすけてくれた建前も存在し、言葉を返せなかった。

「だから、本日からお世話になります。」

「―――あ、あの、さっき言ってたけど―――?」

「護衛のために同居します。」

 笑顔のついでにと言うように頭を下げ、京はそう言えば飛鳥がそんなことを言っていたと言うように返す中で桜は頭を上げその通りですと言うように返すと、どこに置いていたのか書類の入っているのと同じ大きさのケースを机に置き開いた。

 開くと桜は京の方向に向けると中には大量の紙幣が入っていた。

「ただでとは言いません。ひとまず家賃、食費、それに光熱費と言った生活費の足しとして受け取ってほしいです。」

「―――――」

「全部本物です。手に取ってお確かめください。足りない場合はすぐに用意します。」

 ケースに入る限りと言う状態で、京が信じられないと言うように見ている中で桜は笑顔で言い、待てよこれ偽物ではないかと言うことを京が思いかける中で桜は心配ならと言うように言った。

「―――――」

「―――ひとまず、夜も更けたし、休んだ方がいいと思いますよ? 明日も早いんでしょう?」

「え? ええ、はい―――」

 言われた京は手に取り確かめると紙幣は透かしが存在し、端の光で特異な色に光る反射も見られ、上の最初の1枚だけが本物でしたが偽物や紙、それに新聞紙と言うことはなかった。

 怪物から守ってくれて部屋も修理してくれて、お金まで出した状態で信用できるか不明だと言う状況の中で桜は言う通りここまでと言うように言い、京はそうですねと言うように返した。

「信じてもらえないことはわかっているんです。山中さん。上司に時間をかけて信じてもらえとも言われています。先ほど言われたとおり長くなりそうですから、ひとまずきれいにした方がいいですよ? シャワーを浴びてこられては?」

「―――はい。そうします。」

「お気をつけて―――」

 返す中で桜は変わることのないと言うか、屈託のない笑顔で言い、京はと言えば不可思議な状況だがこの笑顔だけは信用できる上、逆らえないと言うように返し、桜はそんな気はなく、善意として言っていると言う表情だった。

 桜の言う通りで先ほどの騒動で京の服は汚れ破れて冷や汗で濡れていて着心地も悪く、京は言うとおりにこの後バスルームに向かい、シャワーを浴びたと言うか、お風呂に入り着替えて出た後が少し問題だった。

 夢のような出来事と言うか、架空の物語のような出来事で、出てきたら桜はもういないのではないかと京が桜に座っていたソファーに眼を向けると、姿が見えなかった。

 信じられないと言うか、少し慌ててソファーに駆け寄ると、姿が見えないのではなく、正確にはソファーに横になって眠っていて、裏側から見て見えない状態で桜は眠っていた。

普通だとここで寝るなと言ってたたき起こすのが普通だが、京も疲れていた上身体もきれいにして気分もよくなりすぐにでも眠りたくなり、起こすと悪いと言う心理も働き、桜に毛布をかけた後自分もベッドで眠ったのだった。


現状はと言えばその朝で、準備を終えた京は桜を起こさないように静かに動き、外へと出ていき、静かに部屋の鍵をかけた。


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