表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/14

序章 怪物に襲われたんですが―――

 言葉が見つからない状況とも言えるが、一番妥当な表現はアニメやゲーム、それにライトノベルと言った架空の物語のような出来事だと高橋京は考えたと言えた。

 事の発端は1人暮らしの初日と言うよりも、引越し初日の夕暮れ時のことで、整理する荷物が少し残ったが、続けると夜も遅くなり、近所迷惑にもなると判断し一休みついでにと言うように調度よくおなかもすき始めた時だった。

 正確にはカップ麺程度などしかなかったが、間に合わせ程度のご飯の準備を始めた時で、その時立っていた場所の壁から奇妙な音がして、何かと思い、眼を向けかけた中で、突然壁が爆発したかのように壊れ、京も吹き飛ばされていた。

 爆発と表現したが、吹き飛ばされて部屋の反対側の壁の近くに落下し、立ち上がった京の眼からの判断だが、何かが強い力で激突して押し壊されて開かれているように見え、衝撃で砂煙が舞っている中で、壁の向こうに人影のような物が見えた。

「―――――なに?」

 賃貸式の集合住宅こと、アパートメントとは言え家賃も少し高く、全体的に少し格式が高い部屋で、建てられて3年と経過しておらず、取り壊したりすると言う話も京は聞いていなかった。

「―――――」

 引越しの音がうるさくて苦情を言いに壁を破壊するほどの非常識な人間が存在するとか言う推測以前に、壁の向こう以前に、反対の部屋もだが空き部屋で、人が入ってくるのは奇妙とも言えるが、人影は遠慮なしに入ってくるのが見えた。

 遠慮なしと言うよりも、ここにいる人間に用があると言うような足取りにも見え、機嫌が悪いのか、呼吸が荒く、大きく、怒り狂った獣のように喉が鳴る声が聞こえた。

「―――?!」

 猫背のような姿勢だがかなり背も高く大柄に見え、男の人かと考えていたが、砂煙が地面に落ち、視界が明瞭になる中で、京はその姿が人間でないことに気が付いた。

 冗談のような話だが、一番妥当な表現は恐竜で、だれが見ても間違いなくと言う姿をしていた。

 図鑑や映画、科学系のテレビ番組で見るようなトカゲが巨大化したような姿だが、足が長く、大きいが細身で、筋肉質と言うよりも野性的でどう見ても肉食的な身体をしていた。

 前足と言うよりも手と言うか、後ろ足もだが鋭利な爪が備わり、細長い口が開くのが見えたかと思うと、口の中にはかまれると確実に不味そうな鋭利だが乱雑な流れの犬歯が大量に並んでいた。

「―――――?!」

 図鑑などと違うのは身体の色と言うか、体色で、皮膚の質感はは虫類特有のひび割れたような質感だが、闇に溶け込むかのように黒く、眼の位置がわからないと京が少し思った瞬間に、眼が光った。

 光ったとは言うが、暗闇の中で光るような光ではなく、どちらかと言えばLEDと言った照明機器のような発光に近く、長く見ていると眼が痛くなりそうな赤い光だった。

 懐中電灯のように周囲を照らせるのではないかと言うほどで、京がどうなっているのかと言う思考すらできない中で、恐竜はその目と言うよりも、顔を京に向けた。

「―――――」

 眼を向ける中で猛獣のようにのどを鳴らし、うなり、少し荒い呼吸音が聞こえる中で、眼や口元が動くのが見え、身体の動き全体も緩やかで、着ぐるみの様には見えないと思う中で、恐竜は怒り狂った獰猛な獣のような咆哮を上げた。

「!?」

 間違いなく獲物を威嚇する獣の声にほかならず、京は恐怖で腰を抜かす中で、恐竜は足を彼に向かって進め始め、京は起き上げることもでない中で、恐竜は動くなと言うかのように顔をゆがめたかのように見えた。

 人間の言葉を話すわけではないが、話せれば本気でお前をエサだこれから食い殺すから動くな止まれ殺す死ねと吐きかけるような非常な意志も感じられた。

「―――ああ、あ、く、来るな。来ないで? お願い、で―――?」

 逃げなければ間違いなく食い殺されるのは必然だが、逃げることもできず、恐竜に対して京は止めろと言うように言うが、通用するわけもなく、近づく中で、京は不意に奇妙な物体を見た気がした。

 奇妙な物体と言うのはベランダ越しの遠くに見えた黒く小さい物体で、こんな時に気のせいかと見ているひまはないが、眼を向けると、物体は勢いよく大きくなった。

「―――――!?」

「―――動くな!」

「!?」

 人間にも見え、そんなわけないよなと言う中で、物体は気づくと窓の眼の前に迫っていたかと思うと、窓を衝撃で砕くと物体は入ってくると同時に、恐竜に銃を向けた。

 見えた物体は紛れもない人間で、厳密には女性だが、京も人間だと思う間もなく、その人間は膝をついた姿勢ではあるが恐竜に相手に軍人が持っているような大型の銃を向けていた。

「―――!?」

 2、30代ほどの少し大柄な体格の女性で、銃にあわせていると言うか、ダークグレー基調の武装した服装で、たすけに来たのかと思う中で、不意に玄関のあたりで大きな音が聞えたかと思うと、だれかが駆け込むような足音が聞こえた。

「Just Freeze!」

「―――」

 だれか来たのかと思う間もなく、足音の主が姿をあらわしたかと思うと、その音の主は細かいことは抜きだと言うように恐竜に銃を向けた。

 眼を向けるとベランダの窓をたたき割って入って来た女性と違い、こちらはスーツ姿の少女で、彼女は女性と違い、拳銃を向けていた。

 スーツもリクルートスーツと言う雰囲気で、京と同じほどか、それよりも若いほどだった。

「―――」

 2人の銃と言うか、銃口の向きを考えると間違いなく狙っているのは恐竜で、京をたすけに来たのかは不明だが、2人のこの恐竜を絶対にしとめると言う眼をしていた。

「Miss Asuka!」

「日本語で話せ!」

「Ah, Sorry―――」

 少女は姿をあらわして銃を向けた時日本語ではない言葉で話し、女性に対して同じように日本語ではない言葉で声をかけるが、女性はそれはダメだと言うように返し、少女は申し訳ないと言うような表情を見せた。

 英語で話すことを踏まえると日本人ではないのかとも思うが、外見的には少女は日本人に見えると言うか、女性の方がどちらかと言えば中国系と言うか、日本人らしくない顔立ちをしているように京は思った。

「―――高橋京さんですか?」

「―――え?」

「高橋京さんですか!?」

 話しを少し整理するが、恐竜が壁を壊してあらわれたかと思うと、ベランダの窓をたたき割って銃持った女性が入ってきた後に玄関を押し破って少女が入って来たと言う意味不明な状況の中で、京は少女に声をかけられた。

 声をかけられたと言う実感が持てない中で、少女は聞こえなかったのかと言うようにもう一度聞いてきて、2人は京を守るように近づき、恐竜はと言えば先回りされたかと言うような反応をした。

「高橋京さんですか?」

「ぁ、ああ、はい―――」

「たすけに来ました! 説明は後です! 自分の身を守っていてください!」

 質問の意味を理解できたと言うか、反応ができたのは3度目で、京は一応は間違いないですと言うように返す中で、少女はもう大丈夫心配しなくていいですわたしたちが何とかしますと言うように恐竜に銃を向けた。

「ここから出て行け! お前の居場所はここにはない! 拒否する場合射殺する!」

「Get out! Saur!」

 返事を返すひまもなく、声も出たが、言葉にはならず、意味のある言葉が出るかもわからない中で、2人はと言えば銃を向けて恐竜に対して警告した。

 女性はと言えば日本語で言い、少女はと言えば先ほどと同様に英語で警告したようだった。

「―――――?」

 銃を向けられた恐竜はと言えば、言葉がわかっているのかわからないが、女性と少女に眼を向け、どう対応するかと言うように動いているように見えた中で、のどを鳴らし始めたかと思うと、眼の発光が強くなり、再び咆哮を上げた

 咆哮を上げる中で、咆哮にあわせ恐竜の身体中から骨や肉が砕けるような鈍い音や乾いた音が入り混じった奇妙な音が聞えたかと思うと、恐竜は巨大化した。

「―――Former?」

「変異体? リードが最近報告した!? まさか!?」

 巨大化して2、3周りほど巨大化し、筋肉が盛り上がり、口の中の歯も増えた上、長く鋭利に変化し、もはや怪物と言うほかなく、2人もそんなわけはないと言うように反応をしていた。

「―――――く?」

「―――うわっ!?」

 怪物は悪いが断るお前らに用はない、邪魔するならついでに殺すと言うように足を進め始め、女性は戦うしかないのかと言うように手に持っていた銃の引き金を引いた。

 銃は紛れもない本物のようで、火薬の爆発する音が京の眼の前で響き渡り、勢いにあわせて耳を手でふさぎ、床に伏せる中で、大量の薬莢が床に乾いた音を立てて落下するのが見えた。

「―――Stay down!」

「う?!」

「―――効いてない―――?」

 銃声が響き渡ったのは5、6秒ほどで、もう大丈夫かと京が頭を上げようとした時、少女が少し強引に押さえつけて伏せさせ、伏せさせる中で京は怪物に眼を向けると、女性の言う通りの光景が見えた。

 言う通りのまさにきいていないと言う状態で、銃弾は間違いなく怪物の身体に直撃しているのが見えるが、血も流れておらず、傷が映像の早送りでも見るかのように高速で修復されるのにあわせて銃弾も身体から出て来て床に乾いた音を立てて落ちていた。

「―――え?」

 正真正銘の怪物や化け物だと言うのは言うまでもないと言う状況の中で、怪物はよくもやってくれたなお返しだと言うかのように咆哮を上げながら突進する構えを見せた。

 突進なんてされたらひとたまりもないと京が思いかけ、怪物が腕を振り上げるそぶりを見せた瞬間、京は浮遊感と言うか、だれかに抱きかかえられる感覚を得た。

「―――?」

 見て見ると、少女が京を抱きかかえている状態な上、空中で一回転している一瞬だと推測され、一瞬眼下に怪物が振り回した腕が京の眼に映った気がした。

「―――ぅわ―――!?」

 気のせいかなとも思ったが、少女が着地したかと思うと、京の前の前には怪物がいて、これで終わりだ運が悪かったな小娘と言うように振り上げた手を勢い下す中で、少女は勢いよく再び飛び上がり、怪物の攻撃を回避した。

「Are you Ok?」

「あぁ、いえす―――」

 飛び上がる中で怪物の攻撃の余波と言うか風を受けた気がすると思う中で、少女は怪物から離れた場所に着地し、京の安否を確認し京はと言えば英語で質問され、言うとおりにと言うように片言な英語で返した。

「Miss Asuka!」

「言われなくても!」

 少女は確認すると女性の方へ声をかけ、女性はと言えば問題ないと言うように銃を怪物に向けていた。

「Get Down!」

「―――!?」

 少女はと言えば少し強引で、伏せたかと思うと安全のためだと思うが京を地面に置さえつける中で、女性は銃の引き金を引いていた。

「―――――」

 マシンガンとは異なる一度だけの、その上空気が押し出されたかのような音の銃声を京は聞き、眼を向けると肉眼で見える少し低速の弾丸が怪物に向かって飛んで行き、怪物の身体に命中した。

 命中した後女性が身体を低くて、一瞬怪物がこれはと言うように当たった場所に眼を向けた瞬間、怪物が爆発したと言うか、正確には爆発にあわせて上半身が四散し、京の前の前には先ほどまで京たちの前に振り回していた腕が落ちて来た。

「―――――」

 撃ち込まれた銃弾が爆弾みたいな仕組みを持っていたようで、下半身はと言えば上半身や頭の身に起きたことを感覚や神経、それに反射が理解していないようで、倒れはしそうだがそのまま立ち続けていた。

「―――や、や?!」

「―――まだ生きています。」

 言葉を京は失っていたが、やったかと言うように言いかける中で、少女に眼を向けると、少女の眼が青白く発光している状態で、おどろく間もなく少女は油断しては生きないと言うように返し立ち上がった。

「さくら!? お前?」

「―――セカンドロックが解除されたようです。問題ありません。とにかく、都合がいいので焼却処分します。」

 立ち上がり、歩き出す中で、女性が少女に対しそれはと言う上、わたしにも予想外だと言う反応を見せるが、少女はと言えば心配はしないでほしいと言うように返すと少女の身に異変が起きた。

「―――?」

 一言で言えば変身と言うか、変化で、片腕の肘から先から機械が動くような音が聞えたかと思うと、少女の片腕は武器のような状態に変化した。

「―――――」

 少女はと言えば自分の変化など気にする様子もなく、倒れかけている怪物の下半身にその腕を向けると大きく赤い炎が腕から発射された。

「―――――」

 炎の勢いが強いのか、怪物の身体は形を失い始め、数十秒と警戒しない内に姿を消し、少女も炎を出すのを止めたかと思うと腕が普通の状態に戻り、身体中の力が抜けたかのように倒れかけるのを女性が大丈夫かと聞くように支えた。

 奇妙な部分は多く存在するが、京は少女の変化した後普通に戻った腕の服が破れていないことが少し眼についた。

 理解不能だと思う中で少女が京に眼を向けると少女の眼は先ほどように青白く発光しておらず、もう大丈夫ですよと言う表情をしていた。


 一騒動終えた後室内は余計に異常な光景になっていた。

 事情を話しましょうと言うように言われた後、向かい合わせにキッチンのテーブルに座らされ、2人はと言えばわたしたち悪い人ではないです信用してほしいです話せばわかりますと言う笑顔をしていた。

 特に少女の笑顔は本当の笑顔で、現状に戸惑って少し顔をひきつっているようになりかけている京と違い、女性も心配しなくてもいいと言う年上の人らしい落ち着いた笑顔を京に向けていた。

「堂城さん。ナノマシンの散布が終わりました。修復は30分以内に終わります。」

「佐藤さん。身体に違和感はありませんか?」

「そうだ。問題ないな? 10分? 5分でやれ。」

 問題の上乗せで、怪物を倒した数分後、室内にどこからか5、6人ほどの奇妙な人間たちと言うか、武装した人間たちが入って来て、部屋の中を歩き回っている状態だった。

 武装しているとは言うが、女性とは違った服装と言うか、重武装で色も闇のような黒色が多く、顔には赤い2つ目式のゴーグルの防毒マスクをかぶり、服もどちらかと言えば全身を覆う金属製の鎧で、男女入り混じっているようだった。

 銃を手に持っているか背負い、背中には銃弾や装備を積載している少し大きい箱のような物を背負い、腰には全力で切り付ければ人間でも真二つにできそうな30Cm以上の長い刃物も装備し、爆弾のような物体も見えた。

「―――――」

「―――あ、彼らは気にしないでください。」

「気にしますよ!?」

 意味不明な状況で京が少し顔をひきつらせていると、少女は言うとおりに彼らを気にする必要はないと言うように言うが、京はできない気が散る散らない以前の問題だと言うように勢いよく返した。

 異様な光景の上乗せで、彼らのマスク越しの深く大きい呼吸音と服と言うか、鎧の金属の部品のすれ合う乾いた音と合わせ、極め付きに時折どこかはわからないが、無線機を持っているようでだれかと話し合う素振りが見られた。

「―――ご迷惑をおかけします。」

「――――――――」

 武装した人間たちが数人ほど京の声に反応したが、少女があやまると彼らはオレたちには関係のないことだなと言うかのように作業を再開していた。

「―――あ、あの、その―――?」

「はい?」

「とりあえず、何が起きているんですか?」

 取り乱しても問題は解決しないと京は考えたのか少し深く息を吸い込み、口を開くと少女は何ですかと言うように反応する中で、京は肝心なことはと言うように質問した。

「あの、怪物と言うか、恐竜? それにあなた腕が―――?」

「―――――」

 質問をどこからと言うか、どれからと言うか、選択に困る状況で、あまりしてもいいものではないが、京は少女と言うか、少女の先ほど変形した腕を指さしていた。

「質問に困っているんだろう? まあ、まずは、この部屋のことは心配しなくていい、本社の担当職員が修復作業をしている。」

「?」

「修復は20分ほどで終わる。言葉通りの元通りだ。証拠も残らない。」

 動揺している京に対して口を開いたのは女性の方で、言うとおりに心配しなくていいと言うように返し、京がどういう意味かと言う反応の中で女性は話を続けた。

「修復?」

「掃除機を持ってこい。」

「匂いも戻せ、自然の匂いが少しきついな?」

 意味が解らない中で、武装した人間たちはと言えば掃除と言うか、工事と言うか、言う通りの修復なのか、相応の行動をしているのが見られ、一部が壊れた壁にスプレー缶のような物を吹き付けているのが見えた。

 スプレー缶は塗料のような物に似ているが、吹きかけられている中味には色はなく、細かいゴミなどを吹き飛ばしているようにも見えず、透明だが、一応液体のような物が吹きつけられているのが京の眼には見えた。

「―――――」

「壊れたままがいいですか? それなら―――」

「それは困ります!」

 修理や修復、工事と言う言葉とは程遠く、何をしているんだと京がいていると、少女は冗談でもなく本気でその方がいいのかと言うように聞き、京は言うとおりにとんでもないと言うように返した。

「そう言えば―――、そうだ! 連絡! えっと? どこにするんだっけ? 修理業者? 違う警察!」

「Stop its!」

「!?」

 考えるまでもないことで、京が警察に連絡しようと携帯を取り出す中で少女は待てと言うように呼びかけ、京は手を止めた。

「―――――」

「―――すまん。実をと言うか、一応帰国子女でな? 日本語が少し苦手なんだ。」

「―――ゴメンナサイ、モウシワケアリマセン―――」

 京が手を止める中で少女の方に眼を向けると、女性が言うとおりに話が通らなくてすまないと言うように伝え、少女はあやまるが、故意なのかわからないが少し片言で返した。

「―――?」

「お? 始まったか?」

「―――――」

 常識的に考えれば警察に通報するのが一番いいのだがと京が問題の壊れていると言うか、壊されている壁を見ると、壁に異常が起きていて、まさかそんなと言うようにおどろいていると、女性がこれで安心だと言うように京の見ている方向に眼を向けた。

 異常と言うのはまさに言う通りの異常で、壊れた壁と言うか、先ほどスプレー缶の中味を吹きかけられた場所から壁が動くと言うか、生えていると言うか、人間の皮膚の傷が高速でふさがれ治るように修復され始めていた。

「―――とにかくだ。警察への連絡はなしだ。部屋も後少しで戻る。見た通りにな。」

「―――――」

 眼で見てもわかる速度だが、少し遅く、2、30分は必要かなと京が見ていると、女性は問題ないと言うが、京はと言えば不可思議な事態に本気で言葉を失っていた。

「堂城さん。修復が始まりました。終了まで推定後26分38秒06です。」

「―――ありがとうな? お疲れ? もう帰っていい、後はわたしたちの仕事だ。」

「了解。撤収します。」

 彼女たちと言うか、彼らも彼らで話を進め、京がおどろいている中で彼らの1人が女性に言うとおりに終わったと言うように話すと、女性はもう言い下がれと言うように言うと、彼は言うとおりにすると言うように返し、女性に背を向けた。

「撤収するぞ。痕跡を残すな。ゲート起動を頼む。」

「飲み行こうぜ~? いい店できたし~? 美人もいるぜ~?」

「そういや春川アル中で入院だってよー? 気を付けねーとな~?」

 言うとおりに彼らは撤収と言うか、帰り始めたが、話す会話は普通の人間と言うか、仕事帰りのサラリーマンと言う雰囲気だが、京の見ている前で彼らの前に人が通れそうな巨大な円形の光が姿をあらわし、彼らはその中へと入り、消えていった。

「―――――」

「言う通りだ。それとソーについても説明しないとな。」

「そー?」

 円形の光が消えると彼らの姿もなく、京がどうなっているんだと見ている中で、女性は後はと言うように言い、京はと言えば意味が解らないと言うように返すしかなかった。

「あなたはまた襲われる可能性があります。」

「!? ナンデッ!?」

「わかりません。」

 説明をすると女性が言う中で、少女はこれだけは肝心だと言うように言い、京が意味が解らないと言うように勢いよく返すと、少女は本気で言っているんですと言うように返した。

「―――――」

「とにかく、少し長くなるが聞いてくれるか?」

「―――はい―――」

 本気なのかと言うように京が言葉を失い、どうすればいいかと言う表情の中で女性はとにかく落ち着いてほしいと言うように言い、京はと言えば言うとおりにしますと言うように返すしかなかった。

「とりあえず、名乗り遅れていた。堂城飛鳥だ。飛鳥でいい。」

「佐藤桜です。」

 京が返事を返す中で、女性は名乗ると握手しようと言うように手をだし、女性は立ち上がると頭を下げた。

 京はあわせるようにと言うか、思わず女性こと、飛鳥の握手し、握手を終えると桜にも頭を下げる中で、飛鳥は胸ポケットに手を入れると、銀色のケースを取出し、中から一枚の紙を取出し、京に渡した。


警備会社

Advanced Guard Security日本支社社長

堂城飛鳥


 怪しいものでもないと判断すると言うか、考えるまでもなく受け取ると、それは名刺で、先ほど言った通りの名前と身分が書かれていた。

 受け取った京はこれ本当かと言うように見ているが、2人はと言えば商業的な部分もみられるが、わたしたち怪しいものではないです信じてくださいと言うような笑顔を京に向け、京はと言えば一応はたすけてくれたこともあるで、信頼するしかなかった。

 言った通りに部屋の中の修復も進んでいて、言うとおりに2、30分も経てば元通りになりそうで、怪我も証拠もないで、法的な訴えもできそうになかった。

「まず、始めにあの怪物はソーと言う名前で呼ばれている。」

「そう、ですか―――」

「そうです。」

 名刺を置き、一応あなたが何者かはわかりましたと言うような反応を京がする中で、飛鳥は口を開き、京が言うとおりに答える中で、桜も間違いないと言うように言った。

「ソーそーとダジャレ言っている場合ではなくてな? 生まれた経緯は不明だが、人間が原因だとされるが、自然界の生態系の副作用や異常、変化で生まれた生物の一種だ。」

「―――正確には時限獣、ディメンション モンスター、DMとも言われています。」

 京と桜がオウム返しと言うように返す中で、飛鳥がそこまでだ聞いてくれと言うように言うと、桜もあわせるように説明を始めた。

「―――飛鳥さん。やっぱり肝心なことを率直に伝えるべきかと―――」

「素直に言って信じてもらえると思うか?」

 話し出す中で桜が不意にこれではだめだと言うように飛鳥に言うが、飛鳥は少しダメな気がすると言うように返した。

「―――山中の時とは違うんだぞ? あの映画、なんだった? とにかくはマニュアルに従ってだな―――」

「許可はすでに出ています。直に見せるべきでは? すでにソーを見ている分信憑性は―――」

「トリックと疑われたら―――」

 飛鳥は待てと言うように言い、桜は待つ必要はないと言うように返すが、それでもとも言うように飛鳥も返し、少しの間2人は言い争いをしていた。

「―――とにかくだ。細かい理屈は無視して―――」

「あなたはまた襲われる可能性があります。」

 京も見守っていたが、業を煮やしたと言うように言うとおりに細かいことは飛ばすと言うように飛鳥は言うと、桜はこれだけは外せないと言うように言った。

「ご安心ください。わたしたちが守ります。そのためにわたしたちがいます。」

「費用とかお金とかそう言ったものは心配するな? わたしたちは機構の命令で動いている。すべて無償だ。」

 細かい理屈は話されなかったが、京はと言えば突然守ると言われても困ると言う表情の中で、2人は本当に言うとおりに何もかも心配するなと言うように続けた。

「言い忘れていることが多いが、桜はそのための護衛だ。お前のな。」

「迷惑千万も百も承知ですが、護衛を兼ねて同居させてもらいます。本日からお世話になります。」

「―――――え?」

 続ける中で飛鳥は桜の方に眼を向けると桜が状況を踏まえると少し奇妙なことを口にし、京はどういうことだと言う反応をするしかない中で、不意に室内に携帯電話のような着信音のような音が響いた。

「?」

「あ? わたしのだ?」

「!?」

 電話かなと思い京が反応するが自分のではないと思う中で飛鳥が反応すると奇妙な出来事が起きた。

 立体映像と言う表現が適当だが、飛鳥の前に飛鳥の顔の前にSF映画やアニメ、漫画で見るような立体的な画面が姿をあらわしたのだ。


Calling

Reed Fire


 立体とは言うが、正確には四角形で、四角形の枠の部分が画面になっているようで、画面には黒い画面で白い文字が書かれていた。

「リード?」

 京から見て文字は読み取れなかったが、間違いなく電話のようで、飛鳥が反応すると言うか、画面に触れると文字が変化した。


Sound

Only


 飛鳥はこんな時になんだと言う表情で、眼を向けた。

「―――?」

「?」

「―――!」

 声が聞こえてこない状態で、飛鳥がなんだと言う表情をして眼を細め、画面に顔をよせ京も電話ですよねと言うように下から見える中で、不意に飛鳥が勢いよく後ろに引いた。

「―――?!」

 飛鳥の行動の意味が解らない中で、その理由は即座に理解できたと言うか、意味不明な事態で画面から不意に花火が爆発したような勢いの良い音が響き渡った。

『―――Scrap、外したか―――』

『Bomb!』

「何がスクラップだこのバカ! そばで笑ってるのは山中だな!? 笑うな!?」

 京はと言えば意味が解らない中で、電話の音声から失敗したと言うかのような低い男の声とどう考えても悪い冗談に参加してよろこんでいる男の笑い声が聞こえ、飛鳥はお前らかと言うように電話の相手を叱責した。

「殺す気か!? 鼓膜が破れ―――」

『その手があったな?』

 飛鳥は本気で許さんと言うように続けるが、電話越しの男は懲りてないぞと言うように返した上、近くの笑い声はまだ続いていた。

「ハイブリッダーの価値観的発言は止めろ! 突然連絡してくるかと思えばいたずらか? 忙しんだから邪魔するな! それと山中を黙らせろ!」

『少しは冗談を理解しろ。』

 本気で止めてもらおうと言うように飛鳥は言うが、男は意にも解さないと言うように返した。

『本題だが付き添いが足りないんだ。山中が引けばオレと桜で十分だと言われたんだが―――』

「―――わかった。言うとおりにする。山中のためにな? きさまのためじゃなくてな?」

『お前にオレが何かを期待するとでも? 虫唾が走る―――』

 お前はいい加減にしろと言う表情の飛鳥に対し、男は言うとおりにこれは放置してと言うように話し、聞いた飛鳥はと言えば理解したと言うように返すが、お前なんか大嫌いだと言うように返し、男も同じだと言うように返す中で通話を飛鳥は切った。

「―――あのバカ―――」

「Is he Mr Reed?」

「ああ、付き添いが足りないみたいだ。悪いがいってくる。後は頼んだぞ? 桜?」

 心底腹が立つと言うよりも腹に据えかねた上、はらわた煮えくり返ってもまだ足りずと言う表情の飛鳥に対し桜は質問すると、飛はその通りだと言うように返した。

「Yea―――」

「英語は控えてな?」

「はい。」

 桜が返事を返そうとする中で飛鳥は表情を戻して待てと言うように返し、桜もわかりましたもうしわけありませんと言うように返すと、飛鳥は立ち上がって歩き出すと、先ほどの武装集団同様に円形に光が姿をあらわした。

「がんばってくださいね?」

「頼んだぞ?」

「はい―――。」

 同じようだと言うように京が見ている中で桜は笑顔で手を振って見送り、飛鳥は気がかりだが後は頼むと言うように言うと、光の先へ消えていき、桜は返事を返す中で光が消え、飛鳥も姿も消えていた。

「―――――」

「―――?」

 終始理解のできない状況で京がどうなっているのと言うように見ていた中で、彼女1人は京は帰ったけどもう1人は帰っていないと言うように桜の方に眼を向けた。

 桜はと言えば安心していいですよと言うような無垢な笑顔を向けてはいるが、部屋の中はと言えばまだ壊れている状態で、混沌たる光景が広がっていた。

 嵐のような出来事の中で京はまだ安心してはいけないと言うか、現状ではまだ台風の眼の中にいて、彼女はその眼の1つだとも言えたが、桜はと言えばそんな思考も吹き飛ばすほどの純粋で優しい笑顔を京に向けていた。

 天使のようなほほえみとも言える笑顔で、京はと言えばどうすればいいんだと言うように少しの間桜に眼を向けたまま動けずにいた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ