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冥合奇譚 ~月龍の章~  作者: 月島 成生
第六章

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第七話 嫌悪


 優しい亮の笑顔が、蓮の胸に強い痛みを与える。

 語られた愛情に、感激したのは事実だった。亮の言葉があと半年早ければ、迷わず彼の腕に飛びこんでいただろう。


 けれど今は、半年前とは違う。蓮の気持ちが、決定的に違っていた。


 亮の言う通り、月龍の中で別れは決定事項になっているのかもしれない。

 亮にさえ冷たく言い放ったことを考えれば、可能性は高かった。

 だからこそ、閨房の術だけが望みになるのではないか。それを覚えたら月龍も考え直してくれるかもしれない。

 そう思うことだけが、一縷の希望だった。


 ――けれど。


 蓮を抱く、優しいけれど切なげな亮の顔を見上げて、罪悪感に潰されそうになる。

 亮が辛いだろうことを承知で、改めて教示を頼んだ。想いに応えるつもりもないくせに、ただ抱いてくれと言った。


 亮を、利用した。


 もしかしたら自分は、狡猾なのかもしれない。これほどまでに、汚らわしい人間だったのか。

 蓮は生まれて初めて、自身を嫌悪する感情を痛感していた。

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