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【完結済】税務署長は忙しい!〜なんでオレが魔獣退治までやらにゃならんのだ!?〜  作者: ぷちきゅう
第2章 税務署長の日常

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2-13.税務署長の休日

 今日は休日だ。


 ここ最近、いろんな事があったからなぁ〜。就任当時は仕事に慣れるの大変だったしなぁ〜。慣れたら慣れたでスラムの1件とかで忙しかったしな。


 ようやくオレも週休二日が可能となった。ギャングによる襲撃もなくなった事で、休めるようになったからだ。


 さらに総務部のポーストさんから『代休とれ!残業代計算めんどいんだよ!』って怒られたので、今日から6日間休みになったのだ···。


 ···って、なにするよ?元の世界だったら旅行に出かけるだろうけど、ここは異世界エーレタニアだからなぁ〜。旅は命がけなのだよ···。


 特にやることもないけど、このまま引きこもるってのもなぁ〜。よし!散歩でもすっか!せっかくだし、今まで行ったことのない場所に行ってみるか!王都のみのプチ旅行だ〜!


 とりあえずうちから半時計回りに行こう。うちがあるのは王城の北側の城北地区。ここは仕事でいろいろ回ってるからだいたい知ってるな。


 そして隣の地区は北西地区。···なんだかありきたりだなぁ〜?って思うだろ?普通だったら地名があるはずなんだが、どうもこの国は事前に都市計画を策定して作られたっぽいんだよなぁ〜。


 元の世界だと札幌がそうだ。東西の大通公園と南北の創成川を基準に東西南北の○○条ってなってるよな。あれとよく似ている。


 この国では8つの方角で大まかな区分けがされている。この北西地区は畑が多いな。


 ちょうど今は収穫時期のようだ。季節は秋だなぁ〜。広大な畑で多くの人たちが収穫作業をやっていた。老若男女問わずみんな一生懸命だ。


 道端で畑の様子を見ていると、後ろから声をかけられた。



「ちょいとあんた!」


「はい?オレです?」


「あんた以外誰がいるってんだい?」


「なんですか?」


「よそ者だね?何してるのさ?」


「はい。城北地区に住んでて、ちょっとした旅をしてるんですよ」


「旅だって?」


「はい。急に仕事が休みになったんで、時間あるし、王都内をいろいろ見て回ろうかなぁ〜って」


「ふ〜ん···。無職になっちまったんだね···」


「え!?違いますって!なんでそう思ったなんです!?」


「いや、『急に仕事が休み』って言ったから、クビになったんだろうなって」


「違いますよ!仕事が一段落したので、休んでるんですって!」


「そうだったのかい!?悪い事言っちゃったね···」


「まったく···。おばちゃんはここの畑の人?」


「そうさ。···最初は農産物泥棒かと思ったんだけどね。城北って言ったら治安悪いところが多いって有名だからね」


「あ〜、そういう事ね。確かにスラムとかでよそから見たらそうなんだろうなぁ〜。でも、みんなちゃんと仕事して税金納めてるぜ」


「へぇ~、そうなんだね。伝わってくる情報とは大違いだ」


「そんなものですよ。情報なんて、伝え方次第でいくらでも印象操作できますしね。ちなみにどんな情報があります?」


「なんでも最近軍とスラムが対立してるって事と、スラムが良からぬ事を企んでるって事かねぇ〜」



 なるほどね···。やっぱり軍は新聞社とグルっぽいな。完全に戦時中の検閲じゃねえかよ···。となると、スケスケ出版社以外にも軍と癒着してそうだな···。



「そうそう!最近だと『悪の秘密結社』がスラムに味方してるってぐらいかね」



 ブフーーーー!!



「ちょっと!?どうしたんだい!?」



 オレは思いっきり吹き出した!おい!?なんだよ!?悪の秘密結社って!?そう言えばタックさんが見せた新聞記事にもそう書いてあったな!ほかの地区にも知られてんのかよ!?



「ゲホッ!ゲホッ!す、すいません···。気管に入っちゃったみたいで···」


「大丈夫かい?あとは本を作ってるところが税務署によって潰されたとか···?よくわからない内容もあったね」



 ···おい?軍がうちに堂々と文句言ってるな!仕方ねえだろうが!こちとら仕事だ仕事!


 オレらまで悪役かよ···。作戦を妨害されたって事で恨んでやがるな···。



「事実もありますけど、ほとんどデタラメですね。その情報は正しくないですよ」


「そうなんだねぇ〜。今日はいい勉強させてもらったよ。そうだ!ついてきな!とれたての果物で作ったジュースをごちそうするよ」


「おっ!?いいんです?じゃあありがたくいただきますよ!」



 というわけでおばちゃんについていくと、農産物を入れる倉庫にやって来た。ここで選別したりしてるようだ。選別を終えたカゴの1つからおばちゃんは果物を取り出した。



「これ食べな!」


「いいんです?いただいちゃって···」


「さっきのカゴは売れないのさ。身内で食べる用だからね。ただ、味はいいはずさ」


「へぇ~。いわゆる規格外ってやつね。じゃあいただきま〜す!」



 見た事のない果物をかぶりつく!すると、中から果汁が(したた)るぐらい出てきて、濃厚な甘さが口に広がる!



「おいし〜!」


「そうだろ!?」


「え〜!?こんなにおいしいのに出荷できないなんて、もったいないなぁ〜」


「じゃあ買っていくかい?」


「悪いけど、まだ行ってないところがあるんだよ。そこ回り終わったら買いに来るよ」


「そうかい!ただ、遅いと腐るからね」


「わかった!ごちそうさま!そんじゃあな〜!」



 思ってた以上に情報を収集できたな。お隣でこんなウソ情報が流れてるんだ。よその地区だとどんなウワサになってるやら···。


 そんな事を考えながら、オレは畑を後にした。



 ···腹が減ったな。時間はお昼。どこかで食事でもするか!


 そう思って歩き続けること10分。結構繁盛している食堂を発見した!


 行列できるって事はうまい!って事だ。オレの舌に合えばの話ではあるがな。


 オレはルンルン気分で食堂に並んでる列の最後尾に並んだ。やっぱり旅の楽しみは食だもんな!


 列のはけ具合はいい。回転率がいいんだろう。そう言えば、ここのメニューってなんだ?いいにおいもしないからよくわからん···。道に対して看板が平行だから店の名前が見えにくいんだよ。


 行列に並ぶこと15分。ようやく看板が見えてきた。パスタ屋さんだった。しかもメニューは『本日の昼食』1品のみ!


 なるほどね。並んでる分作っちゃえばいいから注文の手間省けるしな。空いた席に座ったらすぐに料理が出てくるから回転率早いのね。昔の某牛丼屋さんを極端にした形態だな。


 そして席が空いたので座ったら秒で出てきた!500ジールというワンコインながらも量はかなり多い!


 で、味は?···うまいっ!!


 茹で加減も最高だ!元の世界でも食ったことないぐらいうまいっ!!


 いやぁ~、異世界の料理って元の世界よりも良くないだろうなぁ〜って思ってたんだけど、そんな事はなかった。それはこの国が豊かだからなんだろうなぁ〜。ありがたい話だよ。


 ただ、食べ終わってゆっくりはできないけどな。皿が空っぽになったらすぐに下げられて追い出されてしまうのだ。こればかりは仕方ないな。


 うん!この散歩企画は良かったな!そんじゃあ次に行きますかねぇ〜!

 今回から第2章完結まではのんびり王都散歩のお話です。

 王都といってもかなり広いんです。1日では回り切れないぐらいなんですね。それだけ防壁を築き、軍によって警備されているんです。

 防壁を築くには巨額のお金と労働力が必要です。長い年月をかけて整備ができたのでこの王国では非常に繁栄しているんです。

 インフラ投資をきっちりやったおかげなんですね。日本ではインフラ整備に対してまで費用対効果を言う人が非常に多いですが、基本的にインフラ整備は赤字が当たり前です。特に鉄道に関しては非常に厳しいですね。

 というのも、都市計画定めた時点では税収や経済効果なんてのは机上の空論です。やってみないとわかんないんですよね~。しかも効果が出るのは20年とか先の話です。赤字が巨額すぎるのはさすがに困りものですが、経済すべてをひっくるめて考えないといけないんですよ。

 例えば交通費ですね。日本は高速代高いですが、お隣の台湾は無料です。電車代も日本の半分以下です。この時点で会社が払う輸送費(コスト)に日本と大きな差が出ます。この差が製品の金額差につながるんです。

 多く売り上げて税金をちゃんと納めて、その税金でインフラを安価で提供して···、ってサイクルが確立されてるんですね。海外へ旅すると、こういう視点でモノを考えれますよ~!


 今回は農業がメインのエリアである北西地区でした。東西南北の地区以外は農業区なんですよ。この地区があるおかげで王都の市民の胃袋を支えています。


 さて次回予告ですが、コウくんは西城イワイ地区に向かいます。ここは隣国が近いということもあって商業が発達しており、至る所で路上販売が活発に行われていました。宿をとってからコウくんは酒場へ行って情報収集をしますよ~。のんびりお酒を飲んでると、泥酔した男が隣の席に座ってきました!どうもその男は西城イワイ署員のようでした。どうして泥酔していたんでしょうか?


 それではお楽しみに~!

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