最近見ているアニメと派生発想
オタと言われるほどアニメを見ているとまでは言わないが、小説を読む数とは比較にならない数のアニメを見ている。
最近では何と言っても「葬送のフリーレン」が刺さりすぎた。これほどのインパクトは久しぶりだ。
刺さる作品は自分の思想と言うか考え方とのシンクロ率が高いほど刺さるように思う。最近のベストである葬送のフリーレンは生きることそのものへの意味を表していると感じている。
私が書くテーマの中心にしている「文化遺伝子」とはどんなものかを物語として表現できていると思っている。
今が過去からの積み重ねの最先端であり、自分が過去の時間のすべての積み重ねの上に作られており、その存在が同様に今に存在する文化遺伝子と混じりあいながら未来に運ばれていく。
このアニメの世間的評価はそこではないようだけれども私はそこが一番刺さった。
前置きが長くなりすぎた。
私はDアニメを契約しているので見るのは主にDアニメとなる。ここに最近話題の「チ。」が配信されるようになった。大人の事情なんだろうけど、放送開始すぐには配信がなかったので、まだ2話しか見ていないが主人公の理屈っぽさがなかなか面白い。
こちらも「ビッグバンの遺伝子」として何本か短編を書いているように、文化遺伝子を語る上での根元にある宇宙との関連であることから私と親和性が高いと感じてる。
物語の展開はまだだけど、天動説が常識の時代に地動説に触れて天地がひっくり返るところから物語が始まる。正直なところ2話でひっくり返ったので驚いた。今後また葛藤するのかもしれないが、「地動説を信じている」というセリフ。科学は信じるか信じないかではなく、事実か事実でないかなのに、いきなり信じてしまっている。
何かを信じるのは簡単ではない。私は特に疑い深いので宗教が信じられない。とは言え、ビッグバン仮設を私はある程度信じている。
正しい表現ではないかもしれないが、カーブフィッティングという手法は法則を推測するのに使われる手法で、現在の観測から推測される宇宙の動きから導かれる法則の時間を0にするとビッグバンにたどり着くわけで、その説明で宇宙の現在の姿を矛盾なく説明できるのだから正しそうに見える。
このアニメでも実際の天体の動きと見かけ上の動きが一致するかどうかを紙に手書きで検証している。数式も使わず観測図だけでそんな検証ができるのだとしたらすごいことだが、主人公はそれを見出して、地動説を信じるに至ってる。
でも、私は地動説を学校で習ったときに天動説でも世界は説明できるのではないかと、逆のことを考えていた。実際の天体の運動を太陽系を俯瞰するように眺めれば地球が太陽の周りをまわっているように見えるが、ほかの惑星をその図から消してしまえばどちらが中心という見え方はなくなり、互いが相互に回っている、もしくは地球を中心に回っているとも見える。
他の惑星が太陽の周りを回っているとしても地球が中心でないとする根拠にはならない。そして観測結果とは矛盾しない。
ここで注意が必要なのは地球が中心になるのは神様が作ったからという根拠がないことだ。なぜ地球が中心であり天が動くのかを示すものは何もない。ただそれだけのことで、すべてが相対的であるだけで現実には天も動いている。
最終的には太陽の質量がとても大きいために太陽の周りを回っている図が描きやすいだけで、実はそこに神様が入る余地はある。天動説であれ地動説であれ観測データに嘘はないだろうし、神様が作ったという根拠はどこにもない代わりに神様が作らなかった根拠もどこにもない。
だから、天動説が当然の時代に地動説を信じるのは難しいのではないかと思う。同時に天動説的な天体の動きが理解されたからと言って神様の教えが嘘である根拠にもならないと思うのだけれども、それがセットになっていた時代はどのように考えていたのだろう。
余談だが「悪役令嬢転生おじさん」が面白い。ジャンルとしてはコメディなんだろうか。エンディングがマツケンサンバとか私でも追いつかなない世代感。「アラフォー男の異世界通販」も決して若くはない。「サラリーマンが異世界に行ったら四天王になった話」も途中に出てくる居酒屋シーンとか昭和感すらある。
こういった主人公が若くないパターンを見ると案外高齢な人でもアニメを見てたりするのだろうか。職場ではその手の話は全く通じる人がいないのだが。
とりとめなく書くと長いな・・・