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小説家になろうラジオ大賞6

ペガサスの散歩中に、竜騎士を拾いました

作者: 夜狩仁志


なろうラジオ大賞6 参加作品。2巡目です。

テーマは「散歩」



 今日も私はペガサスと森で散歩です。


 ペガサスの産地であるこの国。

 特別な人間、王族でしかペガサスに乗れません。

 実は私もその一人。


 ……とは言っても第三王妃の7番目の娘。

 順位も最下位。

 乗馬は許可されません。


 代わりにペガサスの世話を任されます。

 一日の大半を厩舎きゅうしゃで過ごし、毎日泥だらけになり、お手入れです。


 いつかは私もペガサスに乗って大空を飛べたら!


 と、その時、茂みの奥から物音が!


 現れたのは漆黒の鎧をまとい長槍を持つ若い男性。


 その姿はまさに竜騎士!?


 獰猛な竜を自在に操り空を駆ける。

 無類の強さを誇る竜騎士。


 初めて見る姿に恐れるも、様子がおかしい?

 槍を杖代わりにし、満身創痍で足を引きずる。

 なによりもパートナーであるはずの竜が見当たらない?


 私は急いで治療をします。


「ひどい傷」

「すまない。助かる」


 敵意の無さそうな彼は、多くを語りません。

 私も深く尋ねようとはしませんでした。


 彼は足が治るまで、この森にいるとのこと。


 それから毎日散歩と称して、食料や生活品を運びます。


 驚いたことに彼は、ペガサスを乗りこなしてました。

 折れた足の代わりに、ペガサスで森を探索するのです。


 ある日のこと、ペガサスに乗る彼に

「後ろに乗らないか?」

 と誘われるも、

「私にはその資格が…」


 でも軽々と持ち上げられ、後ろに座らされます。


 まさかペガサスに、それも殿方と乗馬するなんて……

 以降、私達はペガサスに乗って散歩する様になり……


 それが私にとって細やかな幸せとなっていました。


 しかしある日突然、

 竜騎士の軍団が、この国に攻めてきました!

 慌てふためく王族達。


 このままでは、この国が……


 そんな中、彼は一人ペガサスに跨り、飛び立ちます。


 そして敵の総大将と一騎打ちに!


「将軍、これはどういうことだ!」

「で、殿下! 死んだはずでは!?」


「やはりお前の仕業だったのか!

 私を亡きものとし、帝国の実権を握り、他国への侵略を画策するとは!」

「くっ、かくなる上は!」


 彼は巧みにペガサスを操り、竜に乗る将軍を打ち倒したのでした!


 彼は隣国の王子でした。

 竜で飛行中の彼は、権力を握ろうとした将軍からの刺客により襲われ落下し、あの森で彷徨っていたのでした。

 そして発見した竜の亡骸から、証拠である射られた矢を入手したのでした。


 この騒動により王子は無事に国に戻られ、平和が保たれたのでした。



 そして私は……



 そのまま殿下の人生のパートナーとしてお供し、竜とペガサスの空中散歩に興じるのでした。


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