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プロローグ:鈍色の海

 海から突き出た鉄骨の上に、鳥が一羽とまっていた。鈍色の水面を眺めて、飛び立てずにいる。


 沖合を行き交う船。おれは知っている。波の上の潮の匂いを。低く垂れ込める、雲と海の色が同じになる間際、水平線のあたりに、淡い輝きがあらわれることを。


 無数の支柱は、海苔漁の豊凶を占うもの。


 長い紆余曲折を経て、ようやくたどり着いた真水は、海水に受け止められて、大いなる交わり。


 そうしたところでしか生まれないものを集めに出て行った、遠い日のまぼろし。


 干潮が明らかにした海への道。いつまでもいつまでも歩いて行けそうな道が、いま、目の前にあるというのに、時がおれを黒塗りに乗せて引き離していく……。

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