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第四十七話 家庭教師。

ロレッタ視点です。



 孤児院から帰宅した私はというと、新しく侍女兼アリスターの家庭教師という職を任命された。これは出世? だろうか? 家庭教師というのは上級使用人と呼ばれている。……いや、しかし侍女も上級使用人だ。あまり変わらない? どころか侍女の方が若干上? 侍女の一環として家庭教師も任されたのかも知れない。魔導師だし、属性は違うが魔法基礎の座学なら行ける。来年の王立学園魔法科への入学準備だ。


 私は張り切っていた。何故なら座学が得意。しっかり準備をして、来年から楽しい学生生活を送って欲しい。孤児院長から受け取ったバトンなのだから、私がしっかりアリスターを導くのだ。私の弟も今年十歳になる。丁度良い年頃なのでアリスターに紹介しよう。彼もそろそろ王都に呼び出して入学準備に入っても良いかも知れない。どこに呼び出す? 言わずもがなシトリー家のタウンハウスは賃貸中……。大切な収入源。もうなんというか、きっと伯父様に色々見えない所で沢山ご迷惑を掛けていそうなので、それも含めて相談に行こう。そして水魔法も教えて頂きたいのだ。先ずはお手紙を書くところから……。


 そして父が王都にいる間に会いに行こう。明日辺り? もしくは明後日。早めの方が良い。孤児院長も伯父様の名を出していたから、その部分も気になるし。


 アリスターはというと、部屋を一つ貰い、その片付けとクロマルの散歩なるものを念入りにしている。お屋敷からは出ないでねと言ってあるが、エース家はタウンハウスと言っても割合に広い。カントリーハウスは城だし。スライム? はどうか分からないが猫には十分な広さがあると思う。庭とか花壇とか裏手とか隈なく調べたいらしい。


 私が一緒に行こうかと言うと、いやいや二人の方が良いし、そういう儀式だしと言われてしまった。儀式? なんですね? それならしかたありません。見守ります。スライムには秘密の場所が必要なのかも知れません。


 アリスターに断ってクロマルを撫でさせて貰ったのだが、これが言葉にならない程の気持ちよさで、つるつるぷるんぷるん。何時間でも触っていられる。その上、耳の間を撫でると「ニャ、ニャー」と鳴くのだ。可愛い可愛すぎるもうくださいというレベルだ。魔物と言っても主従契約がしっかりしているスライムだから、なんとも従順で安心感。闇の魔導師スゴ。私には闇の魔導師の友達がいない。いや別に聖女科にもいない。聖女科にいるのは先輩と後輩のみ。第一聖女のお姉様はほぼほぼ接点のない先輩だったし、第三第四聖女は王子だったし、第五聖女はあまり熱心に畑仕事はしていなかった。……いや誰も熱心にはしていなかったが……。


 第五聖女は高等部二年。双子王子の一つ上だ。王子達は中等部三年をもう一周だ。学年は二つ開いたが、第五聖女は休学申請が受理されたので、どれくらい休むかは分からないが、三年に上がるのは難しいのではないかと思う。ちなみに初等教育は王立学園ではなく、領地の領立学園か私塾か教会か家庭教師の四択が一般的。しかしながら貴族はほぼ家庭教師で、下級貴族と裕福な庶民が学校かな? という状況だ。ちなみに私は貧乏貴族で家庭教師でも学校でもなかった。そもそもシトリー伯爵領に学校はない。領立があるのは侯爵領だけだ。私は親教師という奴で、母親と父親が一日一時間くらい教える。短い……。そういうなんちゃって家学である。


 なんちゃってでも取り合えず読み書き計算は出来るようになる。それとやっぱり両親ともに魔導師だから、魔法は教わった。ほとんど遊び感覚でなんとも放置感覚が凄かったが……。


 そんな事を考えていると、第三王子がお忍びで私に会いに来たと副執事に告げられた。


 え??? 

 第三王子???





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― 新着の感想 ―
[一言] ここに来て第3王子!?(笑)
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