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第三十一話 推測の域。



「ロレッタ」

「はい」


 改めてシリル様に名前を呼ばれたので返事をする。


「事前に何も言えなくてごめんね」

「いえいえいえ。大丈夫です。言えない理由は察しがつきますし」


 内心では是非言って下さいと思う訳だが、それがなかなか難しい事くらい想像が付く。私は事前に聞いていれば準備を余念なくする人間だ。それは逆に目立つのかも知れない。なんせ王立図書館の禁書を漁ろうとする訳だし。シリル様とルーシュ様はそれをして欲しくなかったのかも知れないし。考えの及ばない範囲で別の理由があるのかも知れないし。なので……実はとっても教えて欲しかったが、それによって失敗するのは嫌だから、きっと結果がベストなら、事前判断もベストな……筈? と思う事にする。


「依頼主は分かった?」

「…………」


 いや……。分からないですけども? 大分絞り込めそうな情報だなというところまでは絞っていましたが……。つまりはシリル様とルーシュ様はグレーラインの人間を既に研磨に掛けたと……そういう事なんですよね? そして私も洗い出しをした? どう? と聞いているのですよね?


 思考速くないですか! 頭良すぎませんか! 優秀過ぎませんか!


 私は沈黙した。先程の情報をもっと煮詰めて見ようと思う。つまりは聖魔法の世界の事柄な訳だ。いつも同じ聖魔導師の婆さんだったと言ったのだから、年配の女性の聖魔導師と灰色の目の依頼人の組み合わせ。聖魔導師を私が全て把握しているかと言えばしていない。しかし聖女はしている。今期の聖女はもちろん、前期、前前期。ちなみに今期以外の聖女にはその時期と年代の番号が付いている。それは今の陛下の御代になって何期目の聖女かという事なのだが、私達は陛下の御代になってから一代目の聖女。つまり今上陛下の御名から頂いて、エトノアール一期聖女と正式には呼ぶ。しかし、その名を頂くのは来期の聖女が修学してからなので今は今期の聖女と呼ばれる。


 年代の上の聖女は前国王陛下もしくは前々国王陛下の御名から頂いているから、

前国王陛下パーシヴァル期か前々国王陛下カルヴァドス期の聖女になる訳だ。

前国王の御代になると最年長が四十代の聖女となる……。婆さんとは呼ばない年齢。現国王陛下はシリル様のお父様なので割合若い。私の父より少し上。私は聖女名鑑をゆっくり捲っていく。カルヴァドス期の聖女になるだろうか?


 カルヴァドス期の聖女は意外にナンバーが大きい。





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