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第十五話 予想は失中しました。



 ルーシュ様、シリル様、そしてロレッタ。

 三人は馬車に揺られながら沈黙していた。

 

 あの後、聖女の白い制服に着替えたら、違うと言われた……。

 違うんですね! かなり確信を持って着替えたので、違って吃驚です!


 そしてシリル様も神官服に着替えて違うと言われていた。

 いや、先に言って下さい。我が主。


 結局三人とも魔法省の制服に着替えていた。

 これなんですね? 正解は。


 なんでも相談者が教会ではなく、魔法省を指定して来たとの事。

 わざわざ教会ではなく、魔法省に持ち込まれた話なのに、聖女の制服、神官服は良くないと。


 なので魔法省の制服が適切らしい。ちなみにこれはルーシュ様が用意してくれたもの。違いは襟や腕に着けられる階級がない。つまり、同じ隊の部下という事になる。ルーシュ様が小隊長でシリル様とロレッタが一兵になる。


 魔法省は各小隊で行動する。この小隊編成は魔法の相性や目的で決められているのだそうだ。ちなみに土の魔導師である漆黒の魔導師と水の魔導師は平時は治水関係の仕事の指揮をしている事が多いとか。雷や炎の魔導師は平時は待機となり、割と時間に余裕があるらしい。


 制服の色は小隊ごとに決まっていて、属性で決まる訳ではない。なので水の魔導師が緋色の制服を纏う事もあるのだが、ルーシュ様は臙脂色の制服を着ていた。なので自動的にロレッタ達も臙脂色だ。上は外套のようなローブのようなケープのようなデザインをしている。


 暑いだろうな? と予想していたが反して軽く涼しい。薄い魔法が添加してある。魔力を流して確認してみたが、防火魔法、反射魔法、重量軽減魔法等複数掛かっていた。これは高い筈。馬車くらいのお値段がする筈だ。ルーシュ様は何着も持っていそうだが。 


 シリル様は今年から魔法省にも籍を置いている。学園を卒業されて騎士団に二年。魔法省に二年、籍を置くのだそうだ。しかしもちろん平ではない。Sクラスは卒業しただけで士官を叙位される。普段羽織る制服の色も階級も違うというわけだが、エース家にいたため持っていなかった。ただし持っていても全員違う色の制服というのも違和感なので、やはりルーシュ様が用意した制服を借用する事になったのであろうと思う。


 そんな訳で全員魔法省の制服となった訳だが、ロレッタだけ女性ということで、ラインが違うし、ズボンなのだがスカートのように見えるデザインになっている。

 これはこれでなかなか着心地が良い。着ると何か背筋が伸びるというか、パリっとするというか、仕事が出来そうな気分になる。制服効果は大切だなとしみじみと思った。


 そして何故か馬車に乗り込む時、どこに座るかでシリル様とルーシュ様が言い合いになる。進行方向に向かって背中を向ける方が使用人なので、ロレッタはドアに一番近いそこに落ち着いたのだが、シリル様はロレッタの隣に座ると言う。


 シリル様とルーシュ様は進行方向に向かって座って下さいとお願いしたのだが、体重のバランスが悪いと言って、ロレッタの隣に落ち着こうとする。


 そして一悶着の後、ロレッタの横に座ったは良いが、大変高貴な身分な故に、普段は進行方向にしか座らない為か、もしくは早起きで寝不足だった為か、シリル様、ちょっと顔色が悪くないですか? という状況で馬車の中は静けさを保っていた。





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― 新着の感想 ―
[一言] 折角ロレッタの横をゲットしたのに…シリル様…締まらんね(笑)
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