表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/433

第六話 王都観光

ルーシュ視点になります。



「いや…楽しみですね! って」

「……楽しみじゃないのですか?」

「いや……楽しみじゃない訳ではないが、そもそも行く予定じゃないという段階の話で……」

「行かないのですか!?」

「…………」


 俺は行く予定じゃなかったよな? それで合ってるよな? 勘違いじゃないよな?


「………ロレッタは久しぶりの家族水入らずだろうし……家族三人で行く予定で良いじゃないか」

「………それは…ちょっと」


 何がちょっとなんだ? 一番ノーマルな組み合わせだぞ。


「ルーシュ様がいなければ楽しめません」

「いや、観光は雇用主などいない方が一般的に楽しめるのではないか?」

「そういう問題ではありません」


 じゃあ、どういう問題なんだ。


「私の頭の中の予定ではですね。両親とは別行動で眼鏡屋に行ってですね、ルーシュ様に一番お似合いになる眼鏡を買ってですね、その場で色を入れる魔術を掛けて、梱包して、感謝の言葉を添えて贈りたいのです」

「………」


 頭の中の予定と言ったな? 間違いないな。


「気持ちをお伝えしたいのです」

「気持ち……」

「どれくらいあの場にいてくれた事を感謝しているか、それをお伝えしたい。伝えたいと思った時に、伝えたいのです」

「……いや、今まさに受け取ったから大丈夫だ」

「これは予定を伝えているだけで、気持ちではありません!」

「………」


 そうなのか?

 大分気持ちも乗っていたと思うが……。

 王都観光。行く気満々のようだが、誰が主催なんだ? 


「……時に、その王都観光とやらはシトリー家が予定を組んだのか?」


 ロレッタは少し首を傾げる。


「違うと思います。父がそのような事は言ってませんでしたので……」

「じゃあ、誰が主催なんだ?」


 ロレッタは更に首を傾げた。

 知らないんだな? 知らずに行く気満々なんだな。

 調べるか。まあ予測は付くが。


「せっかくロレッタの両親が王都に上っているんだから、初日だけ挨拶がてら同行しよう」

「初日だけですか!」


 いや……。そもそも侍女と雇用主が観光というのが、かなりイレギュラーだぞ。別に良いが。


「では、エース家の馬車も用意しよう。伯爵と伯爵夫人は主催者の馬車で、ロレッタと俺は途中から眼鏡屋と種屋だな」


 ついでに服とかも何枚か買ってやりたいな。どういう名目にするかな? 魔法研究と関連づけて、研究服とかが自然かな? でも作業着みたいなものを選ばれるとちょっとどうだろうと思うな……。


 ロレッタには、侍女として両親の身の回りの世話と、接待全般をするよう言ってあるので、滞在中は観光に同行してくれて構わないのだが、そこに俺もとなると微妙だな? セイヤーズ家の次男とエース家の次期当主か……。ただ、それを言い出したら切りが無い。そもそもが泊まっているのだし。



 あと小麦系の焼き菓子。好きそうだったから、美味しいお店を調べておこう。

 お茶も美味しい所がよいな。ああでもこれは完全に主催者に恨まれるやつだ。どうするかな? 目に見えるようだ。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミック】『紅の魔術師に全てを注ぎます。好き。@COMIC 第1巻 ~聖女の力を軽く見積もられ婚約破棄されました。後悔しても知りません~』
2025年10月1日発売! 予約受付中!
描き下ろしマンガ付きシーモア限定版もあります!

TOブックスオンラインストアは画像をクリックまたはこちらから
紅好き。コミック1宣伝用表紙
第3巻 発売中!!
TOブックスオンラインストアは画像をクリックまたはこちらから
紅好き。2宣伝用表紙
第2巻 発売中!!
TOブックスオンラインストアは画像をクリックまたはこちらから
紅好き。2宣伝用表紙
第1巻 発売中!! TOブックスオンラインストアは画像をクリックまたはこちらから
紅好き。1宣伝用表紙
― 新着の感想 ―
王太子……ほんと報われないなぁ。デートの予定がぁ!?!?
[気になる点] …もしかして、主催者様って王太子殿下って事無いですよね? その前で第二聖女様がルーシュ様にイチャコラ?(呼称はもちろん御主人様) 雨が降ったりしないですかね? ……血の雨が。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ