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第四話 教会が貧乏なはずがないと思うのは私だけですか?


 教会は貧乏?


 私達学生は、朝から広大な薬草畑の手入れをしていた。永久如雨露があっても心が折れそうだった……。高等部に入ってからは、どういう条件下が自生しやすいのかと本気で考えるようになっていた。ええ。自生が一番手が掛からない。野草状態というか、周囲に生える雑草なんて抜きもせず、共生させ、自然の状態で管理する。春に新たに種などまかず、秋に勝手に飛んだ種のみを頼みの綱にする。


 当然収穫量は落ちるが、畑仕事の拘束時間も落ちる。畑ではなく管理された草むらとかそういう種類だろうか。荒れているとも言うが……。収穫期なんぞもなく、必要な時に必要なだけ必要な野草を採取する。しかし薬草とは乾燥させて使うものも多いので、在庫がなくなりそうになると、採取して天日干しだ。


 あれはもうなんというか、馬車馬操業? いやいやちょっと違う。

 馬車は止まっても倒れない。一輪か二輪でないと。

 兎にも角にもギリギリで乗り切っていたという感じだった。


 しかし、高い学費を払いながら、やっていた事は、薬草畑の管理、F級ポーション作り、週に一回の孤児院訪問……。正式に教会に配属された聖女は孤児院ではなく、王立病院の訪問、教会内の診療スペースでの治療、王侯貴族の訪問など仕事は多岐に渡る。孤児院は学生が担当していた。それでも学生なのであまり遠い領地には赴けないが……。各領地には必ず教会がある。特に六大侯爵家の領地は王都から距離がある為、各領地の小王都と呼ばれる領主城がある地に大きな教会があり、聖女が常勤している。例えば、聖教会セイヤーズ領ラクアシェル教会というような形。凄い年配の聖女が担当だったりする事もある。そういえば、中央よりも六大侯爵領の方が待遇も給金も良いと聞いたことがある。領主様が色を付けてくれるのかもしれない。教会トップの大聖女にでもならない限り、領地勤務も良さそうだ。


 六大侯爵家の領主城がある地は、全て小さな王都である小王都と呼ばれている。六城を拝覧したという人は、相当の旅好きか商会や旅芸人だろうと思うが、それぞれに壮麗で、また別種の趣があり、訪れた者に感銘を与えると言われている。


 私もいつか見てみたい。湖の畔に建つセイヤーズ領の城。エース領の港街が一望出来る、丘の上に建つ城。六つの城には別名があり、城の外観や産出物などに由来していると言われている。


 一番最初に見られるのは、きっとセイヤーズ領の城か、エース領の城になりそうだ。ちなみにシトリー領は城などない。手入れの行き届いていないこぢんまりとした領主館があるだけだ。まあ、貴族と言ってもピンキリ。六大侯爵家とて没落危機があってもおかしくはない筈なのだが、建国以来没落した家などない。伯爵家以下はそんな話も時には聞くが……。シトリー家は没落というか栄華の経験もない。人によっては、あまり知られてすらいない家だ。最新の貴族名鑑には載っている……はず。






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― 新着の感想 ―
主人公のお父さんがこれだけキャラ立ってるのも珍しい。 物語の厚みと言うか、面白さに繋がってる気がする。
[一言] …教会…どんだけ貯め込んでたんやろ…(笑)
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