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【019】『教会の権威』


「そんなに注意深く、時には狂気すら感じる程に、王家と六侯爵家は魔力継承させているのに、祖母が第九聖女という血統で、第一聖女は出るのだろうか?」

「………ゼロではないが……」


 俺のその答えに王太子はフフフと笑う。もちろん楽しいから笑っている訳じゃない。目が笑ってないよな。


「確かに出ない訳じゃない。可能性が低いだけかな」


 そう可能性。限りなく低い。血統だけ考えれば聖女中ナンバーファイブ。つまり最下位ではないかとすら思う。第三聖女、第四聖女は王妃腹の王子。当然一定以上の魔力量がある。留年はしたが……。そして第五聖女。第五聖女は公爵令嬢だ。公爵家は事実上王家の分家。王太子以外の王子が継ぐ家になる。直系が継いでいる家もあれば、既に傍系になっている家もあるが、元は一つの王家から出た家で王家の血が間違いなく流れている。


 身分だけ考えれば、圧倒的に第二聖女が低い訳だが。まあ、聖女に身分は関係ない。魔力だ。極端な話、庶民だってなれるのだ。それこそ何故出るか分からない程出所不明な血統もあるにはある。


「ルーシュは聖女の魔力判定についてどれくらい知っている?」

「一歳で魔法素養検査。三歳で属性検査、五歳で魔力量検査、十一歳以下で等級判定」


 ざっくりだがそう聞いている。まあ、等級検査以外は他属性の魔導師と似たり寄ったりだ。学園に上がるか上がらないかの十歳の魔導師検査が一番綿密に行う。神官長がいて次官がいて、上級神官四五人はいたように思う。礼拝堂でわりと厳かに行われる。想像するに聖女判定はもっと威厳がある空気になるんじゃないかな? 但し聖女判定というのは第何期聖女、等級判定という名目だから、歳は大分ばらける。


「……僕は聖女の等級判定に立ち会った事がない」


 今期の聖女判定時、王太子はまだ学生。まあ立ち会わなくてもなんら不思議ではない。陛下も立ち合わないのか? 王族が一人も入らず、貴族も入っていない? 魔導師検査は各省庁の長官もしくは次官が入る。取り仕切るのは教会だが、貴族の目は確実にある。

 

「興味があるんだよ? 等級判定に」

「確かに、密室感は否めないが……」

「次期聖女の等級判定の儀式には下級神官の制服を着て立ち合う予定(未定)だ」

「下級神官は水晶等を用意したりするのか?」

「僕は水晶を用意したりすると、色々見逃しそうなので、突っ立っているつもりだ」

「不審者じゃないか?」

「制服を着ていれば、まったく違和感はない筈だ。二枚用意する」

「……まさかとは思うが、誘っているのか」

「魔力の高い相棒が必要だ。そうで無ければ煙に巻かれる」

「煙に巻かれるって」

「色々見逃したくないんだ」


 ちょっと待て。早まるな。俺とお前は所謂魔導師っぽい容姿をしている。つまり目が紅と黄色だ! 目立つ、目立ち過ぎる、一瞬でバレる。もう初見で神官ではないのが分かるぞ。





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― 新着の感想 ―
計画がガバガバすぎた(主に容姿の問題で
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