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真っ白な空間。どこまでも白いので区切りはない。
「ここはどこかしら?私は階段から落ちてしまった…
私………!?サラ?………ソフィア?」
―――――――
頭の中に映像が巡る。
お父さん・お母さんの笑顔。
発作で苦しむサラ。学校の友達との日々。
会社での研究。
同僚と喜びあった商品の完成…
あぁ………やっぱり。
私はサラ。日本で生まれ育った…
ソフィアはストンと理解した。
白い空間に丸いターコイズブルーの光が現れる。
『『『ソフィア。やっと思い出した―――!!!』』』
嬉しそうな声が響いた。
ソフィアは大きく瞳を見開くと光の中から、うさぎ・鳥・りすが飛び出した。
驚くよりも(小さ~い!可愛い~!!)と思った。空中にふわふわ浮いているようで、目線は合っている。
「こ、こんにちは。あなたたちは誰?」
『ビビ!』『トット!』『ポポ!』
『『『創生の泉の守り人。』』』
(人!?がかなり気になったが言葉を話しているので、うん、、人でOK。)
「ここはどこ?」
ビ 『う~ん。理解の間って呼ばれてるけど、ソフィア知らないよね…』
ト 『ソフィアの夢の中だよ!』
ポ 『ほんとは違うけどね!!』
ビビ・トット・ポポは言う。
(はい、あまり気にしちゃいけないってことね。)
「何処から来たの?」
ト 『ソフィアのお家の森。』
「公爵家の?森に住んでるの?」
ビ 『うん。創生の泉からクルクルッポンッ!って飛び出してスチャって着地してから200年、ずっと森にいるよ。』
「クルクルポンッでスチャ………って、、200年!??」
ポ 『そう。僕たち生まれてから、ずっ―と一緒だよ。』
『『『ね―!!!』』』
ポ 『僕たちねサラが好きで、いつも泉を覗いて見てたんだ。』
ト 『守り人三人が好むのは稀なんだけど、それだけに時空が歪んだ時はこっちに呼べるの。200年で初めて!!』
キャッキャウフフと(三人?)はしゃいでいる。
う~ん。じゃあ、サラはソフィアで私は異世界に生まれ変わったということ?最後の駅の状況を考えるとサラは死んでしまったのだろう。
サラとして生きていた経験からか思考能力が働く。子供のソフィアとは知識量が違う。どんどんと前世の記憶がソフィアに流れ込んだ。
実際は記憶を思い出して理解したのが「今」なのであって、異世界に転生して過ごしていたとのことなのだろう。
ところで…
「公爵家の森に泉はあったかしら?」
ビ『秘密の入り口から順番どおりに路を辿らないと着かないよ!』
ト 『人間には無理だろうね。』らしい。
なるほどね。聞いたことがないはずだ。
あらっ!?ちょっと待って。
異世界転生。魔力・魔法。魔力?……魔法!!
凄い凄い!!私、無敵なの!!?
前世を思い出して気が付いた。
魔法使えるって最高だわ。何でも便利にできるし、健康にもなれる?
いや………まてソフィア。それなら今まで高熱や発作で苦しんだり炎症止めのクリームを塗りまくることもなかったはず。
そう。この世界の魔法は魔力量が多くなければ自分だけで発動できないし、病気を治すような物はない。国民のほとんどは魔道具に魔力を流すことでしか使えない。
自分で具体的に想像できる、見たことがある物であれば属性によって生みだすこともできるが、属性のある強い魔力を持っている人も限られている。
王族や貴族、それも高位貴族がほとんどで全員ではない。
ベンフォーレは風の属性で、風を使って攻撃魔法が使える。
リリアンヌは土属性、植物に与える栄養を高めたりもできるが剣山のような針の壁を土から出すこともできた、…針先が鋭く輝いて見えるのが謎だ…怒らせてはいけない。
シリウスは水、特に氷を操るのが上手く氷剣や氷のナイフを使えた。
ソフィアは魔力量がまだ少なく、属性判断ができていなかった。
あっっ、もしかして!!
「ビビ、トット、ポポ!もしかして私の魔法属性ってわかる?」
期待を込めて聞いてみる。
『『『創生だよ!!!』』』