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ソフィア4歳。咳き込む発作や発熱することも月に一度くらいになっていた。それでも同年代の子供に比べれば体力がなく、部屋で本を読んで過ごす日が多い。
特に植物について書かれた本が好きだった。
庭では兄や兄の友人たちが元気に走り回り、模擬刀を打ち合う賑やかな様子が日々伝わってきたが、ソフィアが庭に下りれる日はあまり無かった。
ソフィアはあの夢をみることが増えていた。寝込んで苦しい時にみた夢…今は毎日のようにみた。
……夢の中の自分は成長していた。「サラ」と呼ばれていたので名前なのだろう。
幼稚園という場所…今の自分くらいの歳のサラは周りの子たちと比べると、青白い顔色をしていた。幼稚園でもよく熱を出し「お母さん」が迎えに来る。
夜、寝ている時も発作を起こした。「お父さん」が車という物に乗せて病院と呼ばれる白く大きな四角い城?に連れて行く。
私は苦しくて苦しくて…途中から眠ってしまった…
次に起きた時は口に酸素マスク?をして、手には点滴という細長い管がくっついていた。
でも、もう苦しくない。良かった。それでも一週間くらいは病院に居て、苦い薬は飲まなければならないと言われた。入院と言うらしい。
あぁ…この苦しい感じは今と同じだ。この夢にみていることは私がどこかで体験したことかもしれない。
ソフィアは何となくそう感じるようになっていた。
小学生になっても何度か発作で入院していた。発作を起こす回数は減ってきたが、発作の苦しさはサラの恐怖だった。入院中の心細さも辛かった…寂しかった。
体質改善をと色んなこともしていた。苦い薬草茶を飲んだり、栄養バランスに気をつけたり、体力を付けるために出来る限り運動もした。
そんな夢を繰り返しみていた…
(サラはどこに住んでるのかしら?お話ししてみたい。……それともサラは私なのかしら?夢なのに体験しているように感じるわ…他の夢ってもっとぼや~ってしてるけれど…)