表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/68

言葉を話せるようになる頃には、月に数回あった発作も医者の言うとおり段々と減ってきた。

しかし、今度は皮膚の炎症にも悩まされた。生まれた時から薄い繊細な様子はあったが、赤く発疹がでるようになったのだ。炎症止めのクリームをせっせと塗ってもらうが、一度炎症がでた部位は治るまでには時間がかかる。一瞬で悪化し、完治までは長いのだ。


3歳になったソフィアはその日も発作で寝込んでいた。ベッド横にはシリウス。

「ケホッ…ゼーゼー、ゼーゼー……ここに…ぬゅりぬりしてほしいで…しゅ…」

寝ていたはずの妹が突然そんなことを言った。

首の下にあたるところをソフィアは押さえている。

「ぬりぬり?炎症止めのクリームか?」

シリウスは近くに控えていたステラを見る。

「ちがう…の。スースーしりゅの。」

「スースー??する?」

「ゼーゼーなくしゅ、スースーしゅる。」

……

シリウスとステラは顔を見合わせたが、わからない。なんだろうかと話をしたが、スースーぬりぬりでは情報が足りないのである。ソフィアを二人で覗き込むが、ソフィアは苦しげな呼吸をしつつ眠ってしまっていた。



ソフィアは発作がある度に必ず夢を見た。


夢の中でも発作でベッドに寝ている…

二人の大人に顔を覗き込まれる。

「お父さん…お母さん…」直ぐに誰なのかが理解できる。

「お薬飲んだら、直ぐに治るよ。」

お父さんが寝ていた私を抱え起こし、薬を飲ませてくれた。顆粒なので飲みにくいし苦い…でも、苦しいのが治るのだ。知っている。何度も繰り返したことだから。

ゆっくり水で飲み込むとまたベッドに戻してもらう。

すると今度はお母さんがパジャマのボタンを一つ外し、ゼリー状の薬を首から胸元にかけて優しく塗ってくれた。気持ちがいい。

しばらく撫でてくれてからパジャマを整え、頭の下に冷たいマクラを敷いて温かい布団に包まれた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ