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一旦休憩……。

リラックス効果のハーブティー。


皆、放心状態だったが、次第に正気を取り戻すと瞳がキラキラ?

いや、ギラギラと光を放ち始めている、怖い……。


ソフィアはビビたちにコソコソと尋ねる。

「映像は私の記憶に残ってることしか出てこないの?」


ビ 『サラが見たことある場所なら出てくるんだ。補正機能で、その場所の細かいところは正確に映されるよ。』


「じゃあ、サラが目にした全てが見れる?!」


ト 『ん~っ、ソフィアがその場所を思い出せれば、かな。』


なるほど……。私が思い出せる場所については、補正機能?とやらで正確に前世の映像が映し出せる。

ということは、……。映し出された映像から私が学んでない事柄についても、読み取れる可能性がある?!!


「場所さえ思い出せれば、映像がでるのね!!?」


ポ 『簡単に言えばね!

記憶が鮮明な場所の方が、映像もより詳しいものになるよ!!』


!!っこれって、

もしかしたら陛下やお父様たちのお仕事に役立つかもしれない。

例えば治水……堤防・護岸・ダム・灌漑などだろうか……サラは詳しくない分野だか、場所の記憶はある。

この世界の治水事業自体も分からないが、お父様たちが見れば役に立つかもしれないのだ。


やったわ!!嬉しい!

健康になるためにを目標のようにしてきたが、生活に根付いたところにも広げていける魔力かもしれない。

ソフィアまでもが、瞳を光らせ始める。


シロが不安そうに、皆の顔を覗いて回っていた。




皆で軽めの昼食をとり、考えをまとめることにした。

それぞれが知りたい事だらけなのだ。

皆の目力が凄い……。

……、……、……。

「ソ、ソフィア。」


「陛下、何でしょう?」


「先程の光景は学校と言ったな?

皆、選ばれた子供たちなのか?」


「いいえ。私の生まれた国では、

国や保護者が、義務教育を受けさせなければならないのです。

6歳から12歳までの6年間を小学校。その後3年間、15歳までが中学校です。

こちらの世界に当てはめれば、皆、平民ですし、義務教育は無償です。」

……。

「国民全てが、あのように教育を受けるというのか?」


「そうです。教育機関でいえば、その後3年間が高等学校。大学とありますが、自分の学びたい分野に進んでいけます。

技術を身につける学校もありますし、進学ではなく、就職する者もいます。社会にでる時期は様々になりますね。」

……、……。

「ソフィは映像に出ていたことが、全て出来るのか?」

兄はソフィアの手を握りしめながら、緊張の面持ちで聞いた。


「??はい。上手い下手はあるかもしれませんが、全て習ったことです。

あっ、でも水泳は得意なんですよ!

前世でも身体が弱かったので、医者の勧めもあり水泳教室に通いました。

免疫力がつく、心肺機能の強化、全身運動、

怪我をするリスクが少ないと言われていたので!!」

ソフィアは自慢げに答えたのだが、

兄はソフィアを抱き上げ、強く抱きしめてしまった。

?、?……。


「危ないだろう!!」


危ない?……あぁ、この世界では戦時の訓練のために泳ぐ、というイメージなのかもしれない……。


「お兄様、落ち着いてください。前世では、プールという安全管理をされたところで、練習をするのです。危ないから泳がないと言う人は誰もいません。」


「……。」


「お兄様、私はいつかこの国にもプールを創りたいと思っていたのです。

怪我した後のリハビリにもいいのですよ。

夏には毎年、水泳大会がありました。記録を伸ばせた時はとても嬉しかったですわ。

記録といえば運動会も!

私は病弱でしたが、運動神経はよかったのです。走るのも速かったですし、球技……、

あのボールを使ったものです、も得意でした!!」


皆は、ソフィアが映像にあったことをしている姿が想像できないらしい。

まぁ、そうだろうなぁ……。


「何か見たいもの、知りたい場所はないですか?」ソフィアは改めて聞いてみた。


「そうだなぁ。農業や工場の現場。医療、林業、公共事業の内容、冬場の過ごし方……あぁ、あとは……。」


「アレク……、無理だろう!考えをまとめろ!ソフィアがパンクしてしまう。」

お父様が止めてくれた。


「陛下。治水はいかがですか?先程、社会科見学でダムに行ったことを思い出しました。そうですね、あとは工場現場なら今日、お見せ出来ます。」

ソフィアも先程、聞いた仕組みだ。思い出すにも時間が欲しい。


「治水か?いいな。そうしよう!!」

よかった。今日はそれで許してもらおう。


「私たちはやっぱりファッションかしらね、リリー!」

「そうね!このシーズン最後の舞踏会で何かお披露目したいわ!」

う~ん。ドレスを着て歩いている人はいないが……美容室、化粧品、ネイル、あとは着物かな、やっぱり。


お兄様たちに目をやると

「「「運動会!水泳大会!!」」」

はい。さっきボールと言ってしまいましたしね……。


午後は上映会となった。

異世界を知ってもらう為には最高だろう。




広い場所の方が良いだろうと、別館で一番広い部屋に学校か?と思うように机と椅子が並べられた。皆、ノートと鉛筆を持ってやる気をみせている。……、うん、私も頑張ろう……。


まずはダム。放水されている映像はなかなかの迫力で、お兄様たちも喜んでいた。

社会科見学で行ったダムには、仕組みや役割についての解説と、模型が展示されている資料館があった。やった!補正機能でしっかり見れる!……助かります!!

……しかし、表記は日本語だ……。

ソフィアも急いでメモすることになった……。仕方ない。

堤防や橋の映像もじっくり見て、工事現場に。ソフィアが理解したいと見つめる時に、映像は止まってくれた!優秀!

近所に建てていた、高層マンションの工事現場。

大きなクレーンなどの重機に興味津々のようでなかなか見終わらなかった。



次は友達の結婚式の映像にした。

ドレスや着物も見れるし、ヘアメイクやネイルの様子も映し出された。

化粧品売り場の映像も。あまりにも数が多くカラフルなせいか、王妃様とお母様、ステラまでもが歓声をあげた。

ここもなかなかOKが出ず、すごい速さでメモをとっていた。



最後は運動会。

悩んだが、中学校のものにした。サラの中学校は四軍に別れて行われた。

青・緑・黄・桃の四軍だ。個人競技から団体競技、最後はリレーと映像の中同様に盛り上がりながら楽しんでいた。

球技大会、こちらはクラス対抗。サッカー、バスケットボール、バレーボール、卓球、野球……。もうソフィア的にはお腹いっぱい……。

最後に水泳大会。個人競技から最後のリレーまで皆、盛り上がっていた。


全競技全てではなかったが、充分楽しんでもらえたようだ。



ソフィアは最後にと花火大会を映し出す。

夏には全国各地で行われたが、子供から大人まで夜空を見上げる光景が懐かしい。

皆の笑顔と瞳に映る花火、日本の夏を思い出す。



怒涛の上映会。皆は興奮冷めやらぬようで盛り上がっている。

すると、トテトテトテとシロがやってきてソフィアの頭を撫でてくれた。

『『『お疲れ~!』』』ビビたちも労ってくれる。

ソフィアはやっとひと息ついた。







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