表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/68

18

数日後。

ソフィアの姿は厨房にあった。

今日はソフィアによる日本食の試食会。

屋敷の使用人たちに箝口令は敷かれたが、ソフィアの創生の魔法については知らされている。転生については限られた者のまま。屋敷の中をビビたちが自由に走り回っているので…まぁ、当然だ。

ということもあり、新しい料理は創生の力で作ると理解される事になってしまったが、細かい事は気にしないでおこう、うん。



今日のメニューはおにぎり、豚汁、ほうれん草の胡麻和え、サラダ数種、肉じゃが、焼魚、生姜焼き、デザートはアイスクリームにした。

前世は実家でも一人暮らし中も料理はしていたが、今世はまだ5歳……手が体がまだ小さい……。厨房のスタッフたちに全面的に協力してもらう。

完成図を手順と一緒に書いてある。色鉛筆も創ってみたので、なかなかの出来だと思う。うん。

おにぎりは梅干しと焼き鮭の二種類の予定。それぞれ程よく細かくし、ご飯と混ぜて握る。なんとあの日本の素材いっぱい商店(商店名はサチヨの店だった!!)に梅干しまであった!!

焼魚はサンマっぽい魚(前世の記憶にはない魚)をガーデンパーティ用の鉄板で外で焼いてもらう。サンマっぽいので、大根おろしも準備する。なんせ醤油もあるしね!!あぁ、焼きおにぎりもできるなぁ~なんて考えながら、プロの料理人たちに指導した。さすが公爵家の料理人、初めてのメニューでもスムーズに進んだ。

アイスクリームはこの世界の魔道具をお兄様に改良してもらい、より固い状態に出来上がるようにしてもらった。チョコレート、苺、ブルーベリー、アーモンドなど最初から材料に混ぜ込んで種類別にトッピング。


公爵家の使用人も含めた大量の料理だったが、お父様が小広間を解放してくれた。

立食式で仕事の手の空いた者から食事できるように。屋敷内は昼前からワイワイと賑やかになっていた。

お嬢様が創り出したお料理(と思ってる使用人がほとんど)をいただけると皆、楽しみにしている。

今日は公爵、公爵夫人も珍しく在宅だ。小広間にほど近い部屋で家族で昼食をとる。

ルルヴィーシュ公爵家のソフィアの創った料理お披露目パーティーが密やかに開催された。



慣れない味噌や醤油の味はどうかと心配したソフィアだったが、思った以上に好評だった。お父様とお兄様は褒めてくれるとは思っていたが…美味しいと沢山食べてくれたし、お母様もあれこれ質問をしながら、全て綺麗に食べてくれた。どれも美味しかったと喜んでくれて、嬉しい。改良したアイスクリームも褒めてくれて、これからの公爵家の催しでも提供したいと言っていた。


小広間に行くと皆が直ぐに近づいて来て、口々に美味しい!!素晴らしい!お嬢様はお料理がお上手です!!と褒めてくれた。

ソフィアは得意気に発酵食品が健康にいいのだと料理の説明をする。

ビビたちはあちこちに顔を出して好き勝手に食べて喋って満足していた。



そんな秘密のパーティーも終わりに近づいていた頃

「なんだ?なんの騒ぎだ?」……よく聞き慣れた声が聞こえた……。


あっー、来た――……。

小広間に来ていたお兄様と一緒に振り返る……やっぱり。



アルベルト王子が立っていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ