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ソフィアは体調を戻すべく、食事を終えるとまた眠りについた。
夜に備えなければ…
夕食も軽めの物を部屋で済ませた。
熱もでなかったし、大丈夫とステラにも早めに下がってもらった。
それでは…と
ビビたちを呼ぼうとするよりも早く…
『『『ソフィア~!来たよ~!!』』』
と登場した。
ソフィアは笑顔で迎えると、応接セットの方へ誘った。
戸棚にしまってある箱からクッキーを数枚取り出し、お皿にのせてローテーブルに置く。ビビたちは早速、食べ始める。トットが少し食べにくそうにしてたので小さく割ってあげたら、喜んでいた。
200年の経験から、人のする事はだいたい分かるようだ。
紅茶をうまく淹れる自信がなかったので、飲み物は水で我慢してもらった…
(今度、しっかり教えてもらおう…)
一息ついて、
「ビビ、トット、ポポ。これからのことなんだけど…
私は創生の魔法で色々とやりたいことがあるの。でも、私はまだ子供だから…三人が協力してくれたとしても難しい事があると思う……」
ビ 『そうだね。王都や公爵領くらいなら平気だけど、それ以上離れると…三人一緒にはついて行けないし。』
ト 『う~ん。創生の魔法を使うにしても材料は必要だしね。』
ポ 『僕たち一生懸命お手伝いするけど、出来ないこともあるかも…』
「それでね。三人のこと、サラや転生のこと、創生の魔法のことを理解してくれる人を増やしたいの。」
『『『理解してくれる人を?』』』
「そう。具体的にはお父様、お母様、お兄様。執事のローレン。私の侍女のステラ。お兄様の侍従兼護衛のバルト。」
どうかしら?とソフィアは三人に訊く。
ソフィアは願いを込めて三人を見つめたが
『『『いいよー!!!』』』
…あっさりOKがでた。
「えっっ?!いいの?」
ポ 『いいよ。ソフィアの大好きな人たちでしょ?僕、知ってる。』
ビ 『ソフィアがいいなら、いいんだよ!!』
ト 『私たちはソフィアを信じてるもん。ずっと見てたんだから!』
うん、うんと楽しそうにしている。
「ありがとう。三人がいてくれて、本当に嬉しい。ビビ!トット!ポポ!」
ソフィアは知らずに緊張していた体から力を抜いた。
最後にお父様たちに話をする時、一緒に居てほしいと伝えるとこれまたあっさり、了承してくれた。
その後も公爵家の森の話やお菓子の話、食べてみたいフルーツや行ってみたい所など様々な話をした。
そろそろ休みましょうか…との時になって、三人はソファに陣取っていたクマのぬいぐるみを見つめだす。
ビ 『この子名前なぁに?』
「名前?……クマさん?」
誕生日プレゼントにアルベルト様から頂いたが、熱を出したりして実はあまり気にする余裕がなかった。
ト 『クマさん?名前じゃないよね!?』
うっ、すみません。そのとおりです…
ポ 『まだ、名前ないなら僕たち付けたげる~!!』
言うが早いか、三人は円陣?を組んだ。
思ったより長い時間、話し合っている。
「………。」
『『『決定!!発表します!!!名前は―――シロ!!』』』
うん。普通だ…でも、ありがとう…
今日はシロと寝ると三人が言うので、寝室の椅子に抱いてシロを移動させた。
シロの頭にトット、肩にポポ、膝にビビが乗って丸まる。眠るんだなと思い、ソフィアもベッドに入った。
試しに「シロはお話できるのかしら?」と聞いてみた。
ビ 『出来ないよ。今はね…。』
……!!!今は??今は、って言った?
ぬいぐるみが話せるようになる?動くの?!!と思って三人を慌てて見たが、既に眠りについていた……
素早い…やはり……
ソフィアは気になってなかなか眠れなかった。