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僕の隣

作者: 鈴宮彩菜


 不思議だ。

 不思議だ…、え? なにがって? 

 恋だよ。

 …んん? キモい?

…どうかキモいと言わないでほしい。うん…。

 で、僕は大崎望。隣の席の山下加奈に惚れている中学二年。

 山下加奈に対して、つい一か月前はなんてことなかったのに、ここ一か月、ドキドキしっぱなしで、心臓が落ちそうだ。

 な? 不思議だろ?

 …分かってほしい、この気持ち。できることなら、わかってほしい。

 それで今は授業中で、英語なんだけど次の学級活動の時間、席替えをするんだ。

 うちのクラスは、二か月に一度席替えをする。僕はいつもなら超賛成派なんだけど、今日は違う。

 何かって?

 超反対派だ!

 これで席替えをすると、山下と離れるんだ。…間違いなくってわけじゃないから、運が良かったら、また隣になる可能性もある。…運が良ければ…ね。(ちなみに、僕は絶望的に運が悪い。)

「起立!」

 学級委員長の点呼。

 …起立?

 英語が終わってしまった!

「着席。」

 休み時間が始まる。

 僕は机の上で半分くらい魂を抜く。

 どうしよう…。

 いや、クラス替えするわけじゃないんだけど…。

 でも、僕は女子とあんまり話すことがないから、山下にめったと顔を合わせられない。

 告白。

 ん?

 告白?

 山下  告白

 山下に告白…。

 おぉ! われながらナイスアイディア!

 って、僕にできんのかっつーの!

 …告白してみようか。

 僕の脳裏にそんな言葉がよぎった。

 

   

   望、告白しちゃえよ。

   えー?

   しちゃえ、しちゃえ。

   絶対フラれるよー…。

   男だろ!

   でも、どうやって…。

   手紙だ!

   手紙? いつ渡すんだよ。

   く・つ・ば・こ に入れとけぇい!

   よっし! やってみよう!



 …という僕の積極的思考と消極的思考の脳内バトルの末、靴箱に手紙を入れて告白することに決まった。

 キーンコーンカ―ンコーン

 チャイムが鳴る。

 学級活動の時間だ。

 できることならば、山下の隣になりたい。

 …願うのみだ。


 ジャッジャーン! 結果発表!

 隣はー?

 超真面目牛乳瓶底眼鏡女子、伊藤里子ー!

 ありえねえ! ムリ! こんなことしてる今も単語帳をめくってる!

 よし、ここ空気わりぃ。

 山下は遥か遠い席に行ってしまった。

 僕はなんとか後ろになった友達の、弘人と話す。

 

 そして次の日の朝、僕は昨日の晩、徹夜で書いたラブレターを山下の靴箱に入れる。

 そうそう、恥ずかしいけど内容はこれ。



     

   山下加奈さんへ


 

 あなたは僕の太陽です。

 僕はあなたに一目見て好きになりました。

 あなたは笑顔がまぶしいです。

 いつも輝いています。

 あなたが姫なら、僕は雑草というような関係かもしれませんが、お願いを聞いていただけませんでしょうか。

 あなたが良いなら…ですが。

 僕は、あなたが好きです。付き合って下さい。

 返事待っています。

 では、さようなら。



                大崎望





 うぉぉぉ! 入れた! 入れた!

 そう思いながら、教室にダッシュ!

 それから十分後、山下が教室に入ってくる。(ちなみに、僕が一番で山下が二番だから、今は二人っきりだ。)

「大崎君。」

「えっ。」

 僕は山下の声にかなりビクンとする。

「あの、この手紙。」

「あっ、えっとぉ…。」

 山下が持っているのは僕のロマンチック満載のラブレター。

「いいよ。付き合おう。」

「え!」

 僕は思わぬ言葉に目を丸くする。

「い、いいの?」 

 僕は思わず聞き返してしまった。

 山下はうなずく。

「ふふん、恋人ってやつだよね。」 

 山下は立ち去っていく。トイレだろう。

 やった! 山下が彼女で、僕が彼氏!

 その次の日の僕の部活(バレー部)の地区大会の応援に山下は来てくれた。

 その次の日は、二人でデート。

 …もっともっとあるんだけど…。

 では、以上、僕の告白物語でした!

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