贅沢な時間【冬の詩企画】
今日も一つ終わったかなと
自動販売機に問いかけて
いつもより砂糖が多い
缶コーヒーを手にとった
いつもより星がきれいだ
今日はそんなことも言える
オリオンを白い息で隠して
プリズムみたいに輝かせて
コンクリートを叩く音
軽やかに響いた住宅街
録りためておいたあの映画を
やっと見られるんだな
ゆっくりと時間が包み込んでいく
明日まではもうちょっとあるから
少しだけ贅沢に過ごしても
誰も何も言わないと思うんだけど いいよね
色褪せてくたびれたコートを
今日は壁にかけてあげよう
そしてコロコロと丁寧に
これまでの汚れをとってあげよう
ちょっと高めの入浴剤
確かあの棚に置いてあるはず
ついに封を開けるときがきた
スピードを少しあげよう
ゆっくりと時間が包み込んでいく
明日まではもうちょっとあるから
少しだけ贅沢に過ごしても
誰も何も言わないと思うんだけど いいよね
素通りしていたコンビニ
新しいスイーツが出たんだっけ
空になったコーヒーを捨てて
少し立ち寄っていこうかな
こんな贅沢もたまにはいいよね
読んでいただき、ありがとうございました。
本作は「冬の詩企画」参加作品です。
企画の概要については下記URLをご覧ください。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1423845/blogkey/2157614/(志茂塚ゆり活動報告)
なお、本作は下記サイトに転載します。
http://huyunosi.seesaa.net/(冬の詩企画@小説家になろう:seesaablog)