表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/87

第82話『山岡勝介は動かない』

<鑑定>習得所要pt変更

1,000万pt→1億pt

SPがここまでインフレするとは思わなんだ……。

 賢暦573年6月。


 俺は帝都にいた。


 それまでは冒険者として精力的に活動し、今回もSSランクとなることが出来た。


 各地で薔薇の戦士連隊の隊員を得た俺がやるべきことは、あの百鬼夜行を知らしめること。


「というわけで、今回は待ちの一手だ」


「まぁ、そうなるわね。あんまりいい気分じゃないけど」


 多くの人があの妖怪どもに襲われ、命を落とすだろう。


 それをわかっていながら見過ごすというのは正直やりきれないが、だからといってここで張り切って被害を抑えても結局はやり直しになる上、次につながらないのだ。


 せっかく薔薇の戦士連隊という強力なカードを手に入れたんだから、最大限有効活用したい。



 6月17日、霊山ウカム山頂にて境界壁の(ひび)が確認される。


 前回罅が出来たのは何日だったか正確に覚えてないんだが、確かお稲荷さんは6月22日の数日前って言ってたからもしかするとランダムかもしれないな。


 その後、例のごとく麓の町エスケラは沈黙……、と思っていたら、生き延びた住人が結構いるようで、正体不明の魔物の侵攻が報告された。


 そういや前回は大放出って言ってたから、今回は抑え気味なのかもしれない。


 ただ、侵攻の速度は前回より早いらしく、翌18日にはヘグサオスクの首都エラムタに被害が出始めた。


 この段階で俺たちには冒険者ギルドから前線に出てもらえないかという打診が来たのだが、相国のおっさん(宰相っぽい人ね)に帝都防衛の重要性を適当にでっち上げて説明し、皇帝から俺たちに対して帝都防衛支援の依頼を出してもらった。


 ま、何をやっても滅びるし、俺がいるってことは最終的コンちゃんが来るってことなんだけどね。


 20日には帝都辺りまで空飛ぶ鍋が飛んで来るようになり、本格的な防衛戦が始まった。


 この辺りで混乱に乗じてテキロが俺のもとにやってきたので、上空から周辺に散らばっていた餓鬼どもを殲滅。


 うん、ホント数が全然少ないわ。


 21日、デカブツや飛行系妖怪が出始めるので、これらを掃討。


 SPと経験値をガッツリと稼いどかないとね。


 ちょっと敵の数が少なくて間に合わないかと思ったが、ギリギリで1億pt貯まり、いよいよ<鑑定>を習得。



 そして6月22日の0時を迎えた。



 その時俺とデルフィはテキロに乗って帝都近辺の妖怪を掃討していた。


 そして目の前の空間がぐにゃりと歪む。


《ショウスケはんご無沙汰ですー》


 間抜けな念話とともに金色九尾狐のコンちゃんが現れる。


「相変わらずデカいねえ」


 コンちゃんは前回と同じぐらいの大きさで顕現している。


 たぶん帝都からもしっかり見えているだろう。


《インパクトは大事やからねぇ。せっかく人多い所に出たんやから、目立っとかんと》


「そりゃご苦労なこって。じゃあ始めようか」


 早速俺はコンちゃんに鑑定をかける。


----------

名前:コンちゃん

HP:459,753,536,690

----------


 あ、名前とHPしかわかんねぇや。


 ま、それでいっか。


 想定していたより200億ほどHPが少ない。


 ってことは、今回停止した深淵のダンジョンと無銘のダンジョン分のボーナスはすでに反映されてるってワケだな、よしよし。


 コンちゃんは前回のように体の側面を見せてじっとしてる、ということはせず、最初っから襲い掛かってきた。


 デカいのに速いんだよな。


 攻撃の余波だけで帝都の城壁がバンバン崩れてってるよ。


「ねじ突きぃ!!」


 馬鹿の一つ覚えで申し訳ないけど、結局この『ねじ突き』を鍛えるのが一番効率よくダメージを与えられるようだ。


 デルフィも『ねじ矢』を打ち込む。


 ただ、MPを消費しすぎると<決死の一撃>のダメージ量が減るので、消費MPには注意してもらってる。


 だったら最初から<決死の一撃>撃てやって話なんだが、実はそのへんの効率も考えての作戦なんだ。


 サクッと一発<決死の一撃>を撃った方がいいのか、少しでも通常攻撃でHPを削っていったのほうがいいのか。


 その辺を見極めるための<鑑定>だったりする。


 『ねじ突き』『ねじ矢』がコンちゃんの体を捉える。


 いくら素早かろうが、この巨体を相手に外すほど間抜けじゃあない。


《へええ。前回より強うなってますなぁ》


 コンちゃんからもお褒めの言葉を頂いた。


 とりあえず俺はMP100程度消費してダメージが50万程度。


 今のレベルで<決死の一撃>撃ったとしてMP100あたり25万ぐらいだから、通常攻撃で削っていったほうが効率は良いわけだな。


 <MP自動回復>の分も考慮すれば、出来るだけ通常攻撃で削ったほうがいいってことか。


 とは言え、このペースで続けると100万回近く攻撃を当てる必要があるので、どこかで切り上げないといけないのだろうけど。


 だったら一撃あたりに込める魔力を上げたらいいじゃん、ってわけにもいかない。


 俺の場合、一番効率いいのがMP100ぐらいで、仮に倍のMP200を込めたとしても3~4割増ぐらいにしかならない。


 最大まで魔力を込めたとしても倍になるかどうかって感じなんだよね。


 デルフィはMP消費を抑えるのが下手なんだが、その分威力はデカい。


 一発MP300~500でダメージは100万前後か……。


 絶対値はデルフィの方が強いけど、相対的な効率は低いな……。


「デルフィ! 悪いけど魔術矢で牽制するぐらいにして、魔力温存しといて」


「わかった!!」


 魔術だと消費MPが少ない上に威力が安定するからね。


 MP2ぐらいで1万近いダメージを与えられるみたいだな。


 コスパはダントツでいいけど、これ以上威力が上がらないのが残念だ。



 何度も『ねじ突き』を食らわせてるが、同じ威力でもやっぱ当たりどころや当たり具合でダメージにばらつきが出るな。


 上手く当たって50万ぐらいだが、ちょっとそれたり角度が悪かったりすると半分以下のダメージになるわ。


 まあデルフィが魔術矢で牽制してくれるようになってからはうまい具合に当たるようになったけどね。


《さっきから調子よう当ててくれてますなぁ。こっちは全然当たらへんわぁ》


「テキロすげーだろ?」


《ウェーイ!!》


《ホンマ、すごいお馬さんやねぇ》


「ま、その巨体じゃこっちの攻撃はかわせんだろうよ!! っとぉ」


 コンちゃんの攻撃をかわしつつ、確実に攻撃を加えていく。


《レディに対して巨体はないわ巨体は。そんなデリカシーのない人には意地悪したろ!》


「んな!?」


 結界が張られ、攻撃を防がれた。


 そうだった、コンちゃんにはこれがあったか……。


 こうなると通常攻撃じゃあ効率が悪すぎるな。


「デルフィ、テキロ、そろそろ決めるわ」


「ええ」


《ウェーイ!!》


 もう充分百鬼夜行の恐怖は伝わっただろう。


「コンちゃん、今回はこれで終了だ」


《あら、もう終わり? しょうがありまへんなぁ》


 俺が構えた瞬間、コンちゃんの動きが止まる。


 防御不可、回避不可の攻撃だからジタバタしても同しようもないよな。


「じゃ、遠慮なく」


 <決死の一撃>を放った。


 一応頑張ってレベル上げてHPやMPも上げたので、今回は80億近いダメージを与えることが出来たぜ。


 ……っつってもまだまだ倒すには届かないけどね。


 無理に意識を繋いでも仕方ないので、力を使い果たした後の疲れに任せて俺は眠りについた。



動かなかったのは冒頭だけ……。


次回 第83話『みんなでニューゲーム』

明日(9/21)更新予定です


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ