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決闘という単語が出てきました。どうやら、順調だったのもここまでだったようです。

「今日はここまで。明日から授業始まるからちゃんと準備するように!」


 そう言って担任であるダグラス先生は教室を後にした。

 どうやら先生の名前はダグラスって名前らしい。オリエンテーションが始まると早々に前の黒板にデカデカと『ダグラス』って書いていた。なんかその光景を見ていたら、一瞬この学校は魔法学校なのかと疑ってしまいたくなった。


 とまぁそんな感じで始まったオリエンテーションも終わり、今日の日程は終了となる。今日は入学式とオリエンテーションだけで明日から授業開始という流れだ。

 今日のオリエンテーションはこの王立魔法学校も全寮制という事で寮生活における注意点とか授業の流れの説明だった。


 俺はこの異世界に来てから、前の学校で寮生活しているしその辺は問題ない。ただ戦士学校と違うのは、ここは最高峰の魔法学校という事もあって生徒に与えられる部屋が一人一部屋。

 そして、お風呂トイレ付の1LDKだという事だ。


 さすが、金持ちの通う学校、規模が違う。

 正直、戦士学校の時に使わせてもらった特待生の部屋より凄い。俺は最初見て驚いたけど、周りのみんなはなんの反応もないから、おそらく違和感がないのだろう。きっと金持ちが集まっているから自分の家にある部屋はこれ以上に大きいんだろうな。

 

 とまぁ部屋が豪華なところ以外は、門限もあるのも同じだ。

 その門限の話になった時に、やたらダグラス先生が俺の方を見てきた。

 確かに俺は前の学校で前科持ちだけど……理由もなく門限は破らないよ? といった事を視線で訴えといた。

 まぁそれが通じたか分からないけど。


 あと、授業のカリキュラムは戦士学校と同じで午前中は座学で昼から実技らしい。

 

「ライト君、また明日ね!」

「ラ、ライト君、また明日よろしくです」

「うん、また明日!」

 

 そう言ってセリスとリノアは帰って行く。

 ……女の子と帰りの挨拶……やっぱりいいもんだ。

 そう、こういった学園生活を俺は望んでいたのだ!

 そして、これから距離を縮めていく為に、心の中では呼び捨てにしよう。

 ……いや、セリスが呼び捨てでっていった以上、普段も呼び捨てのほうがいいか?

 まっ、その辺は成り行き次第だな。


「さて、俺も帰るか!」


 俺は入学式の挨拶に疲れたのもあって、部屋でゆっくり休もうと教室を出る。

 俺は遠巻きに俺を見ている女子生徒の視線を感じながら廊下を歩く。


 これはハーレムの予感?

 ……いやいや、俺にはリノアという女神が……浮気しちゃだめだ。

 それにリノアはこの可愛い子揃いの学園の中でも目立つくらい可愛い。そんな子といい感じなのに血迷ってはいけない。

 二兎追う者一兎の得ずだ。俺はリノア一筋で行く! ……フラれるまでは。


 今はいい感じな気がするけど、そんな時に告白してもダメだったって話は聞いた事がある。だから、フラれるまでは一筋で行こう。『ずっと』なんていうとストーカーみたいになるし、相手にとっても重いだろうしな。

 とりあえず今は恋愛を楽しもう。


「おい!」


 俺が心の中で勝手に女神とかフラれるまでとか言ってイタイ奴になっていると不意に呼び止める声がする。一瞬俺と違うんじゃないか? とも思ったけど、俺の前には誰もいない。

 だから、俺じゃない事を願って後ろ振り返ると、俺とばっちりと目の合う人物がいた。

 あ~順調だったのももう終わりか。


「何? 何か用?」


 自然と出る俺の言葉。

 あ~なんでこんな喧嘩ふっかけるような感じに……絶対前の学校の影響だな。


「さっきはよくも俺をバカにしてくれたな」


 俺を呼び止めたのは、さっきの入学式で俺に足をかけた奴で、その両脇には取り巻きの二人がいる。

 あ~これ絶対めんどくさいパターンの奴だ。

 なんで楽しい学園生活を送ろうって時に、こんな事してくるんだろう?

 でも、そういえば前の学校で途中入学すると同時に絡まれたっけ。あの後いろいろあって友達になったけど……。

 じゃあこいつも俺の友達になるのか?


「そうだ! マルコ様をバカにするなんて許せない!」

「おまえは何様のつもりなんだ! マルコ様の家柄を知っているのか!? バードラ家、伯爵だぞ!」


 はぁ~出た出た。

 やっぱりどっかの貴族の偉いさんか。

 こう言う奴に限って、親の威光を使って取り巻きを作って、いろいろ面倒を起こしてくれるってお決まりだもんな。

 でも、それっていかにも自分が無能って言ってるの分かってるのかね?


「いや、バカにするも何も感謝したんだけど? なんならもっと感謝しようか?」


 あ~ダメだ。

 俺も心のどっかで、楽しい学園生活の始まりを邪魔をされてイラついてるんだろうな。

 これ完全にケンカ買う口調だもんな。

 まぁこの学校に来てからは、周りが同じ年だからってのもあるかもしれないけど。

 前の学校では同じ学校でも一個上ばっかりだったから心のどこかでブレーキがかってにかかってたのかもしれないな。


「貴様っ!! 言わせておけば……っ!!」


 マルコは顔を赤くして怒っている。

 あ~やっぱり怒らしてしまったか。でも、この状況どうして収拾つけようかな?


「もめ事なら決闘したらどうだ?」


 俺がどうやってこの場を収めようか思案していると、アレクとシリウスが騒ぎを聞きつけ、シリウスは面白くなさそうな顔していてアレクはえらく笑顔でやってきた。


 あの顔……アレクの奴……きっとこの状況楽しんでいるな?

 くそ! 後で覚えてろよ!

 っていうか決闘ってなんだ?

 そんなの学校で公にやってもいいもんなのか?


 俺はマルコが怒っている事より、そっちの方が気になった。


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